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円形脱毛症とは?原因やなりやすい人の特徴、治療方法について解説!

 更新日:2024/02/16

円形脱毛症は「突然症状が現れて原因がわからない」など、多くの方が心理的につらい思いを抱える病気です。頭皮に円形または楕円形の脱毛部分を作り出す円形脱毛症は、原因と治療法についてさまざまな説があります。

この記事では、円形脱毛症の基本情報、進行状態における症状の変化、なりやすい人の特徴、そして現在利用可能な治療法について、円形脱毛症に悩む方々にとって少しでも役立つようにわかりやすく解説していきます。

渡邉 佳恵

監修医師
渡邉 佳恵(わたなべ皮膚科)

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秋田大学医学部卒業
1996年 医師免許取得
秋田大学医局及び市中病院で5年、東京・神奈川の病院で20年皮膚科医として勤務。
2021年4月、日吉5丁目でわたなべ皮膚科開業

円形脱毛症とは

円形脱毛症とは

円形脱毛症を発症した人は不安やストレスなどの心理的負担を抱えます。
ここでは、長年研究されてきた円形脱毛症の基本的な特徴から、その進行過程におけるさまざまな症状について解説していきます。

円形脱毛症とは

突然なんの兆候もなく円形や楕円形の脱毛が起きることを「円形脱毛症」といい、頭部だけでなく眉毛やまつ毛、髭や体毛など身体のどの部分にも起きる可能性があります。
円形脱毛症はどんな年齢でもなりますが、特に若い成人や子どもに多く見られます。脱毛がみられる部位を「脱毛斑」といい、脱毛斑が円形または楕円形をしているのが特徴です。
脱毛部分の皮膚は痛みやかゆみを伴わず、滑らかで炎症の徴候がみられないことが一般的です。

円形脱毛症の進行状況

・初期症状
何の兆候もなく突然髪が抜け始めます。脱毛部位は小さい円形、または楕円形をしており、頭部だと髪の毛が脱毛していない部分よりも若干くぼんで見えることがあります。脱毛範囲の皮膚は少し赤みを帯びていることもありますが、基本的には炎症の症状はみられず、かゆみや痛みは伴いません。毛が抜ける以外にも、爪に小さなデコボコがみられる場合もあります。

・進行中の症状
脱毛斑が徐々に大きくなり、新たに脱毛斑が生じることもあります。脱毛斑が複数ある場合は、重なりあってより大きな脱毛斑となることもあります。この段階では、脱毛斑の周辺の毛を引っ張ると痛みもなく簡単に抜けるなどの症状が現れる場合もあります。

・回復期の症状
回復期では脱毛斑にポツポツと毛穴が見えたり、細い毛が生えてきます。この段階で生えてくる毛は細くて柔らかく、色素が薄い場合も多くありますが、時間が経つにつれて徐々に毛が太くなり、元の色に戻っていきます。この時期には毛を引っ張っても簡単には抜けなくなっていますが、完全な回復には数ヶ月から数年かかることもあります。

円形脱毛症の症状の種類

円形脱毛症の症状の種類

円形脱毛症は、脱毛の範囲やパターンによっていくつかのタイプに分けられます。ここでは、それぞれのタイプの症状について詳しく解説します。

単発型

単発型円形脱毛症は円形脱毛症の中で多くみられるタイプで、1つの小さな円形または楕円形の脱毛斑ができます。このタイプは性別や年齢に関係なく症状が現れ、頭皮だけでなく眉毛や身体の他の部位でも発生する場合があります。
多くの場合は1年以内に治癒すると言われていますが、次の段階である多発型へと進行することもあります。

多発型

多発型円形脱毛症では複数の脱毛斑が現れ、治療には半年から2年ほどかかると言われています。また、複数の脱毛斑が結合し、より広範囲の脱毛に発展する多発融合型という状態になることもあります。

蛇行型

蛇行型円形脱毛症は、頭部の脱毛斑が細長く蛇行して結合していくことが特徴です。多くの場合、後頭部から側頭部の生え際まで蛇のように脱毛していきます。
このタイプは治療期間が複数年かかることもあります。

全頭型

全頭型円形脱毛症は、脱毛斑が頭部全体に広がり、最終的に頭髪全体が完全に抜け落ちてしまうタイプです。このタイプは円形脱毛症の中でも治りにくく、治療が長期にわたる場合が多いとされています。そのため、ウィッグやかつらを用いて病気とうまく向き合いながら治療を続けることが必要とされます。

汎発(ばんぱつ)型

汎発型円形脱毛症は円形脱毛症の中で最も重度で、頭部の脱毛に加えて眉毛やまつ毛、ひげや体毛など全身の脱毛も含まれるタイプです。このタイプでも全頭型と同様に治療が長期に渡る場合が非常に多いため、ウィッグやかつらを用いて円形脱毛症とうまく向き合いながら治療を続ける必要があります。

円形脱毛症の考えられる原因やなりやすい人の特徴

円形脱毛症の考えられる原因やなりやすい人の特徴

円形脱毛症の原因はまだ完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関連していると考えられています。それにより、特定の特徴を持つ人が円形脱毛症になりやすいとされています。
ここでは、その円形脱毛症の原因と考えられている要因や、なりやすい人の特徴について掘り下げていきます。

自己免疫疾患

免疫は、細菌やウイルスなどの異物から身体を守るための防御システムですが、この免疫システムが自分の身体の細胞を敵として攻撃してしまう病気を自己免疫疾患といいます。
円形脱毛症は近年研究が進み、身体の免疫システムが誤って健康な毛包を攻撃してしまうために脱毛を引き起こす、自己免疫疾患のひとつではないかと考えられています。そのため、もともと自己免疫疾患を持つ人は円形脱毛症を発症するリスクが高いとされています。

アトピー素因

アトピー性皮膚炎やアレルギー体質を持つ人も、円形脱毛症を発症する傾向があるとされています。
アトピー性皮膚炎、気管支炎、アレルギー性鼻炎のいずれかのアトピー性疾患を持っている人のことをアトピー素因といい、皮膚の炎症反応と関連して毛包に影響を与える可能性が考えられています。
円形脱毛症の患者さん本人だけでなく、家族にアトピー素因が認められる場合にも円形脱毛症と関連がある可能性があります。

遺伝的要素

遺伝的要因も円形脱毛症のリスクを高めると考えられていて、家族に円形脱毛症の既往歴がある場合、円形脱毛症を発症する可能性が高まるといわれています。

精神的ストレス

精神的ストレスも、円形脱毛症の発症や悪化に関連しているとされています。
精神的ストレスを受けると、身体がストレスに抵抗するために交感神経が活発に働きます。慢性的なストレスで交感神経に異常をきたし、血管を収縮させて血流が悪くなり、毛髪の成長サイクルに必要な栄養素や酸素の供給を妨げて脱毛が引き起こされると考えられます。
また、ストレスが身体の免疫反応に影響を及ぼし、毛包を攻撃する自己免疫反応を誘発する可能性も考えられています。このようなストレス反応は、ホルモンバランスの変化や神経系の機能変化によっても引き起こされる可能性があります。

出産後の女性ホルモン量の減少

出産後のホルモンの変動も、円形脱毛症の発症リスクを高める要因の一つです。出産後に体内の女性ホルモン量が減少すると、髪の成長サイクルに影響を与えることがあります。

円形脱毛症の治療方法

円形脱毛症の治療方法

円形脱毛症の治療は、症状の重さや個々の状態によって異なります。現在では多くの治療方法が提案あり、患者さんのニーズに合わせて治療方法を選ぶことができるようになってきました。
ここからは、一般的な治療方法について見ていきましょう。

内服療法

内服療法では、免疫系を調節する薬剤が使用されます。これにはステロイドや免疫抑制剤などが含まれ、身体の免疫反応を抑え、毛包への誤った攻撃を減少させることを目的としています。また、ビタミンB群、鉄、亜鉛などのミネラルやサプリメントも毛髪の成長をサポートし、円形脱毛症の症状を緩和するのに役立つとされています。
これらの内服薬は、円形脱毛症が進行中の患者さんや重度の患者さんに処方されることがあります。

外用薬

外用薬の中では、ステロイドクリームが広く用いられており、脱毛部位の炎症を軽減し、毛の成長を促す効果があります。また、ミノキシジルなども、血管を拡張し、発毛や髪の成長を促進する作用があります。これらの外用薬は、脱毛部位に直接塗布することで症状の改善を目指します。
外用薬は、使いやすさと副作用のリスクが比較的低いことから、初期段階の円形脱毛症治療にも適しているとされています。

紫外線療法

紫外線療法では、特定の波長の紫外線を脱毛部位に直接照射します。この治療法は、狭帯域UVB照射やPUVA療法としても知られており、免疫反応を調節し毛の成長を促進します。
治療は医療機関で行われ、週に数回程度の治療を数ヶ月間続けることが一般的です。

円形脱毛症の紫外線療法とは

今、円形脱毛症の治療法である紫外線療法は、特定の波長の紫外線を脱毛部位に照射する方法です。

紫外線療法は、狭帯域UVB光線やPUVA(紫外線Aとソラレンを使用した光化学療法)を用いて皮膚の免疫反応を調節し、毛包の活動を促進することで円形脱毛症の症状を改善することを目的としています。

治療は医療機関で専門の医師によって行われ、脱毛部位に紫外線を定期的に照射します。治療期間や頻度は、患者さんの状態や脱毛の程度によって異なりますが、週に1〜2回程度の治療を合計3〜10回程度続けることが一般的です。

治療効果には個人差がありますが、紫外線療法比較的副作用が少なく、特に重度の円形脱毛症に対して効果的な治療法と言われています。ただし、過剰な照射では熱傷が起こるリスクがあったり、症状によっては治療が長期にわたる可能性があります。

円形脱毛症の治療ならわたなべ皮膚科に相談を

円形脱毛症の基本情報や進行状態における症状の変化、なりやすい人の特徴、そして現在利用可能な治療法について説明してきました。
最後に、神奈川県横浜市で質の高い円形脱毛症の治療を提供しているわたなべ皮膚科について紹介します。

日本皮膚科学会皮膚科専門医による質の高い診療

わたなべ皮膚科
わたなべ皮膚科では、日本皮膚科学会皮膚科専門医の資格もお持ちの医師が質の高い診療を提供されています。
皮膚科医として25年、皮膚科専門医として20年以上、皮膚の診療に携わってきた豊富な経験と知識、技術を活かして、先進的な皮膚科治療を提供できるよう日々診察されているといいます。

先進的な中波紫外線治療器を用いた治療

わたなべ皮膚科では、「エキシプレックス308」という先進的な中波紫外線治療器を採用しています。
ターゲット型ナローバンドUVBともいわれる治療機器で、尋常性乾癬や尋常性白斑などの皮膚疾患や、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、円形脱毛症など、さまざまな難治性疾患にとっても効果が期待できるといいます。

「エキシプレックス308」はより強い光を患部だけに効率的に照射することが可能なため、健全な皮膚にダメージを与えず、病変部位を効率的に治療できるそうです。痛みもなく、照射時間も数秒から数十秒程度と短時間のため、安心して治療を受けられるでしょう。
「エキシプレックス308」を用いる治療は、保険診療で受けることができます。

話しやすい雰囲気作りとわかりやすい説明

わたなべ皮膚科受付
わたなべ皮膚科では、患者さん一人ひとりの皮膚疾患の症状や原因を診断するために、視診と問診によって現状把握することを大切にしています。そこから原因を推測して患者さんごとに適した治療を行えるよう、話しやすい雰囲気作りやわかりやすい説明を常に心がけられているといいます。
中波紫外線療法だけでなく、内服やステロイド外用など患者さんの状態や希望に合わせて治療方法を提案されているそうなので、皮膚で気になることがある方は一度相談してみてはいかがでしょうか。

わたなべ皮膚科の基本情報

アクセス・住所・診療時間

東急東横線日吉駅 徒歩20分

神奈川県横浜市港北区日吉5丁目15-45 日吉5丁目メディカルプレイス1F

診療時間
9:00〜12:30
14:30〜18:00


▲一般皮膚科:9:00〜13:00
美容皮膚科:15:00〜19:00

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