内視鏡検査はここまで進化している!痛みを抑えた内視鏡検査を選ぶ方法

「内視鏡検査は痛そう」「苦しそう」という理由で、検査を躊躇してしまう方は少なくありません。しかし、近年の内視鏡検査は技術と設備の進化により、かつてのイメージとは大きく異なります。静脈麻酔の活用やスコープの改良、さらには人工知能を用いた診断支援システムの導入により、痛みや不快感を軽減しながら高精度な検査を実施できる環境が整いつつあります。
本記事では、内視鏡検査への不安の背景を確認したうえで、痛みを抑えた検査を実現する方法や医療機関の選び方、そして専門性を重視する環境の重要性について解説します。

監修医師:
鈴木 隆二(筑波胃腸病院)
職歴:東京女子医科大学消化器病センター助教
日本消化器内視鏡学会専門医
日本外科学会専門医
茨城ヘルニア研究会世話人
麻酔科標榜医
産業医
難病指定医
目次 -INDEX-
内視鏡検査に「痛そう」という不安を感じる理由

内視鏡検査に対して「痛そう」「苦しそう」といったマイナスイメージを抱く方が多い背景には、いくつかの理由があります。
過去の検査イメージが残っているケース
一昔前の内視鏡検査では、スコープが硬く太いものが多く用いられており、検査中の苦痛が大きいとされていました。そのため、過去に内視鏡検査を受けた方から「つらかった」という話を聞くこともあるでしょう。こうした体験談は、周囲の方が新たに検査を受ける際の大きな心理的ハードルとなってしまうことがあります。
しかし、現在の内視鏡検査は細くて柔らかいスコープを用いる手法や、静脈麻酔を活用することで痛みや不快感を軽減する取り組みが進んでいます。
嘔吐反射・違和感への恐怖
内視鏡検査を行う際、胃カメラでは、スコープを口から挿入する場合に舌の付け根付近に触れることで嘔吐反射が起こりやすくなります。この嘔吐反射は個人差が大きく、強く感じる方もいれば、あまり気にならない方もいます。また、鼻から挿入する経鼻内視鏡であっても、鼻腔や咽頭部への違和感を心配する方がいます。
こうした嘔吐反射や違和感への恐怖が先行してしまうことで、検査を受ける前から強い緊張が生じて検査のハードルが高くなってしまいます。
不安が強いほど苦痛を感じやすくなる理由
検査への不安や恐怖が強いと心身が緊張状態になり、筋肉がこわばりやすくなります。胃や大腸の筋肉が緊張すると、内視鏡スコープの挿入時に抵抗が強まり、より痛みや不快感を感じる可能性があるでしょう。また、不安感が強いと、わずかな刺激でも過敏に反応しやすくなるため、心理的なストレスが身体的な苦痛につながる悪循環が生まれることがあります。
このような理由から、事前に検査内容や痛みを抑える取り組みについて十分な説明を受け、信頼できる医療機関で検査を受けることが重要です。不安を解消し、リラックスした状態で検査に臨むことができれば、痛みや不快感を抑えることが期待できます。
痛みを抑えた内視鏡検査のための「静脈麻酔」

痛みや不快感を抑える方法として用いられているのが静脈麻酔です。静脈麻酔を活用することで、検査を受ける方はウトウトとした状態で検査に臨むことができます。ここでは、静脈麻酔を用いた内視鏡検査の具体的な内容と、安全性を担保するための管理体制について詳しく見ていきます。
静脈麻酔を用いた内視鏡検査とは
静脈麻酔を用いた内視鏡検査は、静注内視鏡検査とも呼ばれます。検査前に点滴を通じて鎮静剤を投与し、軽い麻酔状態をつくり出します。この状態では意識がうっすらと残る程度であり、完全に眠り込むわけではありません。そのため、医師の指示に応じて身体の向きを変えたり、呼吸を整えたりすることは可能ですが、強い苦痛や緊張を感じにくくなります。特に喉を通過する際や大腸にスコープが進んでいく際の違和感が軽減されるため、検査に対する心理的なハードルも低くなります。鎮静剤の量は患者さんの年齢や体格、既往症などに合わせ、適切な管理体制のもとで実施されます。
検査中の苦痛や緊張を抑える効果
嘔吐反射を感じやすい方や、過去の検査経験で強い不快感を覚えた方にとって、静脈麻酔は有効な選択肢といえます。また、緊張が和らぐことで胃や腸の筋肉もリラックスしやすくなり、内視鏡スコープがスムーズに進むため、検査時間の短縮にもつながります。検査後に検査中の記憶がほとんど残らないという方も多く、これまで検査を先延ばしにしていた方が、静脈麻酔を活用することで定期的に検査を受けられるようになることもあるでしょう。
安全性の高い静脈麻酔を行うための管理体制
静脈麻酔は、適切な管理下で実施される限り、安全性の高い方法です。内視鏡検査中は、呼吸状態や酸素飽和度などを常にモニタリングしながら進行し、万が一異変があればすぐに対処できる体制を整えていることが多いです。検査終了後も、麻酔が完全に覚めるまではリカバリールームで安静にすることで、ふらつきや転倒などのリスクを抑えます。
鎮静剤を使用する場合は、当日に自動車や自転車などの運転を控える必要があるため、ご家族による送迎や公共交通機関の利用が求められます。
新しい内視鏡機器とAI診断がもたらす検査の進化

痛みを抑えた検査は、静脈麻酔だけで実現されるわけではありません。内視鏡機器そのものの進化も、検査をより快適に、そして精度の高いものへと変えています。新しい内視鏡システムでは、細くて柔らかいスコープや狭帯域光観察技術を用いることで、微細な病変を早期に発見しながら、身体への負担を抑えることが可能です。さらに、人工知能を活用した診断支援システムの導入により、病変の見逃しを減らし、検査の質を向上させる取り組みが進んでいます。
新しい内視鏡機器による負担軽減
近年の内視鏡スコープは、非常に細く柔らかく設計されています。太いスコープや硬いスコープは、身体に挿入する際の違和感や痛みを生じやすいとされていましたが、現在は患者さんの負担を抑えることを重視した設計が主流です。
大腸カメラ検査においても、スコープを挿入する際になるべく腸壁を押さない手技が取り入れられるケースが増えており、痛みや不快感を軽減できるようになりました。また、炭酸ガスを送気する方法を採用することで、検査後のお腹の張りを抑えることも可能です。炭酸ガスは通常の空気に比べて腸管内に吸収されるスピードが速いため、検査後の不快感を和らげる効果が期待できます。
AI診断システムを活用した内視鏡検査
最近では、内視鏡検査にAI診断システムを導入する医療機関が増えています。AIは、大量の内視鏡画像データを学習することで、微細な病変やがんの可能性がある部位を検出し、医師に通知する役割を果たします。これにより、通常の内視鏡検査では見逃されやすいわずかな異変を早期に発見できる可能性が高まり、診断の精度向上が期待されています。また、AIがリアルタイムで病変を指摘してくれることで、熟練した内視鏡医でなくても一定の検査品質を維持しやすくなり、検査を受ける側にとっては安心感が増すでしょう。
ただし、AIは医師の判断を補助する道具であり、最終的な診断は専門の医師が行うため、AIシステムがあるからといって、経験豊富な医師の存在が不要になるわけではありません。
迅速かつ質の高い検査が行える理由
AIシステムの活用や細いスコープの導入により、検査時間の短縮が期待できる一方で、検査の質が下がることはありません。むしろ、微細な病変を早期に見つけられる可能性が高まるため、検査後のフォローアップや治療の選択肢が広がります。また、狭帯域光観察技術を用いることで、粘膜表面の微細な血管や構造をはっきりと映し出すことができ、通常観察では気づきにくいがんの兆候を発見しやすくなります。
こうした技術の組み合わせによって、迅速で質の高い検査を実施できる環境が整いつつあります。検査を受ける方にとっては、身体への負担が少なく、かつ適切な診断につながるという大きなメリットが得られるのです。
痛みを抑えた内視鏡検査を受けるための医療機関選び

内視鏡検査を安心して受けるためには、痛みや不安を和らげる取り組みを積極的に行っている医療機関を選ぶことが重要です。ここでは、医療機関選びの際にチェックしておきたい項目をいくつか取り上げ、どのような視点で選ぶと納得のいく検査を受けられるかを解説します。
静脈麻酔に対応しているか
痛みや不快感を極力減らしたいと考える方にとって、静脈麻酔に対応しているかどうかは大きな判断基準となります。すべての医療機関が静脈麻酔を実施しているわけではないため、事前に確認しておくことが大切です。また、鎮静剤を使用する場合、検査後の覚醒までリカバリールームで安静に過ごせる環境が整っているか、送迎サービスや公共交通機関のアクセスがよいかどうかも含めて検討すると、検査当日の流れがスムーズになります。
内視鏡検査の経験と専門性
内視鏡検査は、医師の手技やスコープの操作技術が大きく影響します。消化器内視鏡学会 専門医・指導医が在籍している医療機関では、豊富な経験を持った医師が検査や診断を担当することが多く、高い精度と安全性が期待できます。また、内視鏡検査の実績を公表している医療機関もあり、年間に多くの検査件数をこなしている場合は、さまざまな症例に対応できるノウハウが蓄積されている可能性が高いといえます。検査実績や医師の資格情報は、ホームページや問い合わせで確認できることが多いため、医療機関を選ぶ際の判断材料として活用するとよいでしょう。
不安や疑問を事前に相談できる環境か
内視鏡検査に対する不安は、事前に十分な説明を受けることで軽減されることがあります。検査の流れや静脈麻酔のメリット・デメリット、費用、検査後の注意点などについて、丁寧に説明してくれる医療機関であれば、初めて検査を受ける方でも安心感を持って臨めるでしょう。また、過去の病歴やアレルギー、服用中の薬などを正確に伝えられる環境があるかどうかも重要です。質問や相談に対して真摯に対応してくれるかどうかは、医療機関の姿勢を見極めるうえで大切なポイントとなります。電話対応やスタッフの雰囲気なども参考にしながら、信頼できると感じる医療機関を選んでください。
内視鏡検査は筑波胃腸病院にご相談を

内視鏡検査は、かつてのイメージとは異なり、痛みや不快感を抑えたうえで精度の高い診断が受けられる時代となりました。静脈麻酔や新しい内視鏡機器、AI診断システムの導入により、身体への負担を軽減しながら微細な病変を早期発見できる環境が整っています。検査に対する不安がある方は、静脈麻酔への対応や医師の専門性、事前相談ができる体制などをチェックし、信頼できる医療機関を選ぶことが重要です。
茨城県つくば市にある筑波胃腸病院は、1987年の開業以来、消化器専門病院として地域の方々に質の高い医療を提供し続けています。胃カメラや大腸カメラを中心とした内視鏡検査はもちろん、ESD治療や短期滞在型手術まで幅広く対応しており、豊富な経験を持つ医療機関です。
痛み・不安を和らげた内視鏡検査を提供
筑波胃腸病院では、検査中の苦痛や不安を軽減する静脈麻酔を用いた内視鏡検査を積極的に実施されています。
胃カメラ検査では経口検査と経鼻検査の両方に対応しており、患者さんの希望や身体の状態に合わせて選択できます。大腸カメラ検査においても、細くて柔らかいスコープを用いて腸壁への負担を抑える手技を取り入れ、炭酸ガス送気によって検査後のお腹の張りを抑える工夫がなされています。
また、検査後にはリカバリールームでゆっくりと安静に過ごせる環境が整っているため、鎮静剤が完全に覚めるまで落ち着いて過ごすことができます。検査前の事前相談や説明にも丁寧に対応しており、初めて検査を受ける方でも安心感を持って臨める体制が整っています。
多くの内視鏡検査に対応してきた消化器専門の医院

筑波胃腸病院には、消化器内視鏡学会 専門医・指導医が在籍し、幅広い症例に対応できる高い専門性で年間に多くの内視鏡検査を実施されています。先進的な内視鏡システムを導入しており、高精度な画像でがんや炎症などの病変を詳細に観察することが可能です。さらに、狭帯域光観察技術を用いることで、通常観察では見逃しやすい微小な病変を早期に発見し、必要に応じて組織の一部を採取して病理検査を行う体制が整っています。大腸ポリープが見つかった場合には、その場で切除することも可能で、がんの予防につなげられているそうです。また、AI診断システムにも協力しており、将来的に診断精度をさらに向上させる取り組みを進められています。
こうした先進的な取り組みと豊富な経験で、地域の方々の健康をサポートされています。
初めての内視鏡検査でも相談しやすい専門医療の環境
筑波胃腸病院では、土日も検査や手術に対応しています。平日は仕事や家事で忙しくなかなか時間が取れない方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。また、検査前日の準備や当日の流れ、検査後の注意点などについて、事前に丁寧な説明が行われます。下剤を自宅で服用することに不安がある方には、院内で下剤を飲んで前処置を行える半個室の専用スペースが用意されており、プライバシーに配慮された環境で準備できます。検査終了後には、検査画像を見ながら医師からわかりやすく結果説明が行われるため、自分の身体の状態をしっかり把握することができるでしょう。
内視鏡検査を初めて受ける方や、過去の検査で強い不快感を覚えた方、検査に対して強い不安を抱いている方は、筑波胃腸病院に相談してみてはいかがでしょうか。
筑波胃腸病院の基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用
JR 牛久駅 車で5分
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00〜12:00 | ● | ● | - | ● | ● | ● | ● | - |
| 15:00〜17:00 | ● | ● | - | ● | ● | - | ● | - |
【費用(税込)】
胃カメラ検査(上部消化管内視鏡)
保険診療(3割負担の場合): 観察のみで約6,000円
病理検査(生検)を行った場合は約9,000~12,000円
大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡)
保険診療(3割負担の場合): 観察のみで約7,500円
内視鏡検査中にポリープ切除や病理検査を行った場合は約15,000~21,000円
(切除ポリープの個数・サイズにより最大約30,000円)
参考文献




