噛める機能が長く維持されるインプラントの本質的な価値とは?【石川県金沢市 Nデンタルクリニック】



歯を失ってしまった場合、その審美性・機能性を高いレベルで取り戻せるのがインプラント。だが、自費診療であること、手術が必要であることなどから敬遠する人が少なくない。そういったデメリットを上回る価値が本当にインプラントにあるのか、あるとすればどのような価値なのか、十分な価値を感じ満足できる治療を受けるためにはどうすればいいのだろうか? 金沢市直江南に開院しているNデンタルクリニックの名倉功院長に、詳しく話を伺った。
名倉 功(なぐら・いさお)
医療法人社団Nデンタルクリニック(院長)
2001年、明海大学歯学部歯学科卒業。山梨医科大学(現・山梨大学医学部)歯科口腔外科学講座研修医、明海大学歯学部口腔外科学第2講座(現・病態診断治療学講座口腔顎顔面外科学第2分野)専攻。2003年より石川県立中央病院歯科口腔外科で勤務し、2008年から2018年まで医長を務める。2018年7月、Nデンタルクリニック開院。日本小児口腔外科学会・代議員。患者様ファーストを掲げながら、口腔外科で積み重ねた経験、知識・技術を活かしたインプラント治療を提供する。
目次 -INDEX-
- 安心して受けられる治療のひとつになったインプラント
- 歯を失ったときの治療として、インプラントを選ぶ人は増えていますか?
- 入れ歯・ブリッジを「普通の治療」、逆にインプラントを「特別な治療」と捉えてしまうのはなぜでしょうか?
- インプラントの機能的・審美的に優れた点とは、具体的にどのようなことでしょうか。まず機能的な魅力について、教えてください
- まわりの歯の健康を守るメリットもあるんですね。部分入れ歯やブリッジを選んだ場合、まわりの歯の寿命が短くなる、ということも考えられますか?
- 患者さんが何を求めるかによって、適切な治療は変わってきそうですね。インプラントの審美的な魅力について教えてください
- 保険の入れ歯やブリッジでも、白いレジンの人工歯を使用することがあると思います。同じ白い人工歯ですが、セラミックとレジンではやはり違いが出ますか?
- インプラントを埋入する手術の際の痛みは、どれくらいのものでしょうか?
- 痛み、恐怖心が心配な方も安心ですね。笑気麻酔にも対応されていると伺いました
- 歯科医院ごとの治療の質を知ることで、高いか安いかが変わってくる
- 治療を検討する中で、気になるのが費用だと思います。決して安くないインプラントの値段について、どのようなお考えをお持ちでしょうか?
- インプラントの費用対効果を考える場合は、機能的・審美的な面を見ればよいでしょうか?
- 確かに、長く使用できればそれだけ“お得”になりますね。インプラントの耐用年数は、どれくらいですか?
- ただ、自費診療であるインプラントは、クリニックによって価格が大きく異なります。なぜ、この差が出るのでしょうか?
- インプラントの種類によっても値段は変わってくるんですね。貴院では、どのメーカーのインプラントを使用していますか?
- 治療の安全性を高めるため、長く使うためには、インプラントの種類も重要なんですね。その他、長く快適にインプラントを使用するために大切なことはありますか?
- インプラント治療後は、メンテナンスが必須と聞きました。どれくらいの頻度で通院し、どのようなことを行うのでしょうか?
- メンテナンスに通うことが難しい場合には、インプラント治療は受けられませんか?
- 設備面については、歯科医院によってどのような違いがありますか?
- 口腔外科の知識・技術が生かされることで、より安全・確実な治療へ
安心して受けられる治療のひとつになったインプラント
歯を失ったときの治療として、インプラントを選ぶ人は増えていますか?
入れ歯・ブリッジを「普通の治療」、逆にインプラントを「特別な治療」と捉えてしまうのはなぜでしょうか?
インプラントの機能的・審美的に優れた点とは、具体的にどのようなことでしょうか。まず機能的な魅力について、教えてください
まわりの歯の健康を守るメリットもあるんですね。部分入れ歯やブリッジを選んだ場合、まわりの歯の寿命が短くなる、ということも考えられますか?
はい。特にブリッジでは、両隣の歯を大きく削るため、長期的に考えるとそれらの歯の寿命はほぼ確実に短くなってしまいます。ただ、ブリッジにも、「保険が効く」「インプラントに次いで強く噛める」といった短期的なメリットはあります。
患者さんが何を求めるかによって、適切な治療は変わってきそうですね。インプラントの審美的な魅力について教えてください
保険の入れ歯やブリッジでも、白いレジンの人工歯を使用することがあると思います。同じ白い人工歯ですが、セラミックとレジンではやはり違いが出ますか?
天然歯をよく観察すると、透明感や艶、グラデーションがあるのがわかります。レジンの白さはどちらかというとのっぺりしており、「本物の歯じゃないな」と見分けがつきます。セラミックの人工歯では、透明感・艶・グラデーションのいずれの点においても、天然歯と変わらないレベルで再現できます。
歯科医院ごとの治療の質を知ることで、高いか安いかが変わってくる
インプラントの費用対効果を考える場合は、機能的・審美的な面を見ればよいでしょうか?
より正確にいうと、その機能的・審美的な強みが長期にわたって持続するということです。入れ歯やブリッジは、一般に数年でつくり替えが必要になります。これは、患者さんが意外と見落としがちなポイントだと思います。
確かに、長く使用できればそれだけ“お得”になりますね。インプラントの耐用年数は、どれくらいですか?
平均10~15年といわれていますが、20年、30年以上使用されている方もいます。毎日の歯磨きを丁寧にすること、定期的なメンテナンスに通うこと、確かな技術と知識のある歯科医師の治療を受けることが、長持ちさせる上で特に大切になります。
ただ、自費診療であるインプラントは、クリニックによって価格が大きく異なります。なぜ、この差が出るのでしょうか?
さまざまな理由があるかと思いますが、特に使用しているインプラントの種類、設備面のレベルなどが価格の差に反映されていると考えられます。高いほどよくて安いほど悪いとは言い切れませんが、安すぎる場合には、少し慎重になった方がいいかもしれません。
インプラントの種類によっても値段は変わってくるんですね。貴院では、どのメーカーのインプラントを使用していますか?
治療の安全性を高めるため、長く使うためには、インプラントの種類も重要なんですね。その他、長く快適にインプラントを使用するために大切なことはありますか?
インプラント治療後は、メンテナンスが必須と聞きました。どれくらいの頻度で通院し、どのようなことを行うのでしょうか?
メンテナンスに通うことが難しい場合には、インプラント治療は受けられませんか?
短期間で脱落してしまう可能性があるので、メンテナンスに通えない場合、インプラントはおすすめしません。
ただ、むし歯や歯周病の予防・早期発見のために通う歯科検診と同じようなものなので、定期的に通う意志があり、指導された歯磨きを実践する気持ちがあれば、過度に不安になる必要はありません。
設備面については、歯科医院によってどのような違いがありますか?
顎の骨の厚み、神経・血管の位置を正確に把握できる歯科用CTは、外科処置を伴うインプラントにおいて必須だと私は考えます。また、当院では生体モニターを導入しており、手術中の心拍数・体温・血圧・酸素飽和度・心電図を常に測定・記録しています。万が一の体調の異常にすぐに気づき、対応ができます。
口腔外科の知識・技術が生かされることで、より安全・確実な治療へ
先生は長く口腔外科の道を歩まれてきたわけですが、口腔外科を専門とする歯科医師のインプラント治療を受けるメリットは、具体的にどのようなところにありますか?
ほかの口腔外科の先生にもいえることだと思いますが、感染予防に対する意識は総じて高いと感じます。清潔・不潔を明確にするドレープの使用、抗生剤の投与などにおいて、より基準の高い予防がなされていると思います。もちろん、各先生によって考え方には違いがあり、一概には言い切れませんが。