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「よく涙目になる」と思っていたら、それは涙道の病気だったということ?【東京都港区 涙道内視鏡東京品川】

 公開日:2026/03/30

「よく涙目になる」と思っていたら、それは涙道の病気だったということ?
「よく涙目になる」と思っていたら、それは涙道の病気だったということ?

涙道の病気と聞いて、「ああ、あの病気ね」と思い出す人はそう多くはないだろう。だが、「涙がよく出る」と聞くと、思い当たるフシもあるのではないか。涙に関連する病気としてはドライアイがよく知られているが、涙の量が少ないだけでなく、多過ぎるのもまた病気の一種なのだ。東京都港区の「涙道内視鏡東京品川」は、日本でも数少ない涙道内視鏡による治療を専門としている。同クリニックの岩崎明美医師に、まだ全国的に認知度の低い「流涙症(りゅうるいしょう)」という病気について詳しく話を伺った。

Doctor’s Profile
岩崎 明美(いわさき あけみ)
涙道内視鏡東京品川 執刀医

1998年に群馬大学医学部を卒業後、同大学医学部眼科学教室入局。2005年から2019年まで群馬大学眼科で涙道外来を担当するとともに、宮久保眼科で経験を積み、2019年に大多喜眼科院長に就任。2024年に日本涙道・涙液学会理事となり、現在は涙道内視鏡東京品川を含め全国12か所で涙道の手術および指導を行っている。

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涙の流れる管が詰まってしまうのが“流涙症”と呼ばれる疾患

はじめに「流涙症」そのものについて伺います。これはどのような病気なのでしょうか?

涙は上瞼の外側(耳側)にある涙腺でつくられるのですが、まばたきをすることによって目の表面が潤され、涙は目頭のところにある涙点に入って涙道を通り、鼻の内側にある下鼻道につながっていきます。この涙の通り道は、場所によっては1mmほどしかないので、詰まってしまうことがあるのです。涙道が詰まると涙が目にたまってあふれてしまいます。それが「流涙症(りゅうるいしょう)」です。

涙の流れる管が詰まってしまうのが“流涙症”と呼ばれる疾患

流涙症という名称は、あまり聞きなれませんね

そうですね。涙道のあたりは耳鼻科の領域なのか眼科の領域なのか微妙な場所なので、専門家でも詳しい人が少なく、流涙症のことを知らない人も多いのが現状です。
涙に関する病気としてはドライアイが有名ですが、「涙が出ないのは大変だけれど、涙が多いのは別に問題ないのでは?」と思っている人も多いかもしれません。
ただ、実際には涙が出過ぎると、車の運転中に前が見えづらくなったり、一日に涙を20回も30回も拭かなければならなかったり、結構生活に支障をきたすものです。薄い色を見るときの視力も、落ちることがわかっています。
一方で「何となく涙っぽくて見づらい」とおっしゃる方が涙道内視鏡手術の治療をうけると、視界がスッキリして、車の運転も安心してできるようになったりします。

流涙症は何歳ぐらいの方がかかりやすいのですか?

昔は高齢者が多いといわれていましたが、内視鏡手術で治せるようになってから、30代・40代の若い方の受診も増えてきました。
涙道の中の粘膜が傷ついたり、狭くなってしまったりするのが主な原因ですが、なかには抗がん剤の副作用で発症することもあります。男女別では女性が非常に多く、8割ほどの患者さんが女性です。

どのような症状がある場合に、流涙症を疑ったらいいのでしょうか?

家でテレビを見ているときや車の運転中に、いつも涙が出ているような場合は、一度診察を受けてみるとよいでしょう。抗がん剤の副作用かもしれないと思う方も、早めの受診をおすすめします。
「そのうち治るだろう」と思って眼科に行かないでいると、治療しづらくなってしまうこともあります。膿がたくさん出てくる慢性の涙嚢炎(るいのうえん)などになってしまうと大変なので、とにかく眼科を受診することが大切です。

眼科に行かずに放置しておくと、どのようになる可能性がありますか?

早期であれば、内視鏡カメラで見ながら元の涙道の状態に戻していくこともできますが、何年も放置してしまうと涙道の中の粘膜が傷んで、使えなくなってしまうこともあります。その場合は顔の骨を開けて目頭と鼻をバイパスでつなぐ手術を行うことになります。
この手術は高い成功率が期待できますが、骨を切ったりすることによる侵襲もあるので、内視鏡手術で済めばそれに越したことはありません。

涙の流れる管が詰まってしまうのが“流涙症”と呼ばれる疾患

花粉症で涙目になる人も多いですが、それとは関係ないと思っていいですか?

はい。花粉症で涙目になったからといって、流涙症と関係があるということではありません。でも、花粉症はアレルギーで、アレルギーは涙道が閉塞するひとつの原因になるので、気を付けることは必要です。花粉症の時期が終わっても涙目が継続している場合は、眼科を受診した方がいいでしょう。
また、白内障手術を受けるとしばらくの間涙目になるのですが、手術から2~3か月経っても涙目が続くような場合は、眼科で相談する必要があります。

治療は30分の日帰り手術。翌日から仕事も入浴も可能

治療は30分の日帰り手術。翌日から仕事も入浴も可能

流涙症になると、日常生活でどんな不都合が起きますか?

いつも涙を拭いていなければいけないので、タオルで拭いている部分が黒っぽくただれてきて、色素沈着を起こしてしまうようなケースもあります。
目やにも出るので、朝目が覚めたときに目が開かなかったり、目やにで前が見づらくなったりする人もいます。

貴クリニックの診察の流れについて教えてください

初診のときに涙の量を測定し、瞼の状態を診て、ドライアイが隠れていないかどうかなどもチェックします。また、当院でCT撮影をして、涙道内の評価を行います。このCT撮影が実はとても大事で、涙道閉塞の方の1,000人に1人ぐらいは腫瘍の方もおられるので、診察の時点でしっかりと診ておくことが重要です。
これらの診察によって、涙道内視鏡手術が必要と診断された場合には、涙道内視鏡手術を行います。

涙道内視鏡手術とは、どのような手術なのでしょうか?

内視鏡の先の細い部分を涙道に入れて、動かしながら詰まりや狭窄を確認して涙道を開け、チューブを留置して開通させる手術です。内視鏡も現在はかなり進歩していて、新しい内視鏡はカメラで体の内部を鮮明に確認することができます。
手術中は麻酔をするので、チューブが入っていくときに何となく感覚はありますが、痛み自体はほとんどありません。歯医者さんで麻酔をして治療をするのと同じような感覚です。
手術後にチューブが涙道に入っているときも、目頭に少しだけチューブの先が見える程度で、ほとんど目立ちません。
費用:片目/10万円〜20万円程度(税込)
デメリット:チューブを入れる際に違和感が生じることがある。
治療期間:2~3か月程度
治療回数:6回~12回程度※手術後、週1回~2週間に1回の目安で通院

手術時間はどのくらいですか?

手術そのものは30分程度の日帰り手術です。翌日から仕事にも行けますし、入浴もできます。手術から2~3か月後にチューブを抜くと、すでに涙道が広がっていて、治療完了となります。

貴クリニックは涙道内視鏡手術を自費診療で行っていますが、保険診療との違いは何なのでしょうか?

保険診療の場合は、診察を受けた後に涙道専門の医師のところに行き、また別のところでCT撮影を行うなど、何回も違う医療機関に通う必要があります。診察の際の待ち時間も長く、かなり時間を取られます。が、その反面、保険診療の医療機関ではどうしても一人の患者さんにかけられる時間は短くなってしまいます。
白内障や緑内障といった有名な眼の病気とは異なり、まわりの人に相談してもなかなか理解してもらえなかったり、良い病院の紹介やアドバイスをもらえないことも多くあります。こういったことから、涙道の疾患をお持ちの患者さんには、長い間解決できずに悩みを抱えてこられている方が多くいらっしゃる印象があります。
当クリニックの場合は、初診のときにCT撮影まで行い、手術希望があればその日に手術まで行うこともできます。待ち時間も全くないので、仕事で忙しい方や、介護などの事情がある方にとってはとても楽ではないかと思います。診察から検査、手術まで私が一人で担当するので、患者さんのことをすべて把握でき、安心して診療を受けていただけるというのもメリットのひとつです。
涙道外来のみも可能です。診察やCT検査を行い、症状や状態だけでなく、お気持ちにも寄り添って、その方にとって、適切な治療方法を1時間ほどかけてご相談にのることができます。相談の上、通常の保険診療での治療をご希望の場合は、ほかの施設をご紹介させていただくことも可能です。
また、価格が高くて保険の場合は使えないような薬なども、自費診療なら扱うことができます。私自身、涙道内視鏡手術を受けられる方を理想的な形で治して差し上げたいという気持ちがあり、自費診療で利便性に優れたクリニックを立ち上げました。内視鏡や検査機器なども新しいものを用い、チューブもその方に合わせていろいろな種類の中から選ぶことができます。

治療は30分の日帰り手術。翌日から仕事も入浴も可能

「涙目が止まらない」状況が3か月続いたら、流涙症が疑える

「涙目が止まらない」状況が3か月続いたら、流涙症が疑える

涙道内視鏡手術を受けるにあたって、患者さんが準備しておくことはありますか?

手術後は眼帯をするのですが、両目の場合は両方眼帯をするわけにもいかないので、片目だけは眼帯をせずに帰っていただきますが、目のまわりの筋肉に麻酔をしているので、ズレて見えることがあり、お一人で帰るのは危ない状態です。片目の手術の方も、片目に眼帯を付けることで立体感がなくなり、転びやすくなります。
そのため、手術の日は付き添いの方と一緒に帰るとか、近くのホテルに泊まるとか、タクシーで帰るとか、何か帰る手段を考えておいていただけたらと思います。

手術後はどのように過ごしたらよいでしょうか?

手術後は5時間程度、眼帯を付けていただきますが、その間は安静にし、手術当日だけはお風呂に入ってもシャンプーはせず、湯船に入っても首から上はお湯がかからないようにしましょう。手術の翌日からは洗顔もシャンプーも大丈夫ですし、筋トレをしてもかまいません。

先生は日本涙道・涙液学会の理事でいらして、貴クリニックを含め全国12か所で涙道手術および指導を行っておられるそうですね

はい。手術だけやっているところもありますし、手術指導をしている場所もあります。涙道内視鏡手術ができる医師を全国にもっと増やしたいと思っています。
涙道は眼科の中でも専門的に扱う医師が少ない分野ですが、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう、日々手術に注力することにやりがいを感じています。

流涙症にならないために、私たちは何に気を付けたらよいでしょうか?

アレルギーになりやすい人は、普段からアレルギーが起きないように気を付けていただくことが大切です。プロアクティブ療法といって、前もって目薬をしたり、内服をしたりして、アレルギーが起きるのを防ぐ方法もあります。
また、プールによく行かれる方は、たとえゴーグルをしていても流涙症になる確率が高くなるので、ご自分で涙が出ると思ったときは早めに眼科を受診しましょう。涙が出て気になったらすぐ眼科受診でもよいですが、花粉症などでも3か月も涙が多いことはまずありませんので、涙が出てから3か月経っても涙が続いていたら、眼科に受診した方がよいと思います。
また、抗がん剤の一部には流涙症を引き起こすものがあります。そのような抗がん剤を使用される場合は、使用開始したら、最初の3か月くらいは毎月眼科を受診して副作用が起きていないか確認してもらうとよいでしょう。

「涙目が止まらない」状況が3か月続いたら、流涙症が疑える

先生が治療に際して一番大切にされていることは、どんなことでしょうか?

患者さんのお話を聞くことです。その方がどんな風に困っていて、どうなりたいのか、ご要望やお気持ちをよくお聞きするようにしています。
保険診療でやっているときは、15分に1人手術をするような忙しさなので、こちらのクリニックではじっくりとお話を伺えるのがよい点ですね。

ありがとうございました。最後に、涙道内視鏡手術を受けようと考えている方や、Medical DOCのサイトを訪れている読者に対してメッセージをお願いします

涙道内視鏡手術によってすべての流涙症が治るわけではありませんが、現在の医療では治るケースも数多くあります。放っておくと治しづらくなってしまうため、ぜひ早めに眼科を受診していただけたらと思います。

編集部まとめ

涙が止まらなくなる「流涙症」という病気があり、それは内視鏡手術によって30分程度の短時間で治療できることを知り、とても驚きました。涙道内視鏡手術というものがあること自体、初耳だった方も多いのではないでしょうか?「この頃涙が止まらない」「目やにが多い」といった症状は、意外に日常生活に支障をきたすものです。そんな悩みをお持ちの方は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

涙道内視鏡東京品川

医院名

涙道内視鏡東京品川

診療内容

涙道内視鏡手術 など

所在地

東京都港区港南2丁目6-11 
品川82ビル6階

アクセス

各線「品川」駅より徒歩3分

この記事の監修医師