肩こり、腰痛から交通事故のケガまで。医師が原因を見極め、適切な治療とリハビリに対応【大阪市平野区 みかわ整形外科クリニック】

「少し痛いだけだから…」と自己判断して整骨院や整体に通い続けてしまうと、背後にある骨や関節の病気を見逃してしまう可能性がある。まずは正確な検査と診断が必須であり、それは医師でなければ行えない医療行為なのだ。大阪市の「みかわ整形外科クリニック」では、肩こりや腰痛、膝・股関節痛から骨粗しょう症、スポーツ障害、交通事故のケガまで、画像検査と診察で原因を丁寧に確認。そのうえで薬物療法とリハビリなどを組み合わせ、一人ひとりに合った治療を提案している。今回は同クリニック院長の三河聡志先生に、日常の痛みとの向き合い方や検査・治療の考え方、交通事故後のケアなどについて幅広く話を伺った。
目次 -INDEX-
- 肩こりや腰痛の陰に潜む病気も検査と診断で見逃さない
- 「ちょっと肩が凝る、腰が痛い」といったような場合、整骨院や整体に行く人は多いかもしれません。また、ネットに書いてあることを信用して自己判断する人も多いと思います。先生はそのあたりをどのようにお考えですか?
- 貴クリニックには、どのようなことで悩んで来院される方が多いですか?
- 首や肩こりは、体の不調の代表例のひとつかと思います。原因には何が考えられますか?
- 腰痛で悩んでいる人も多いと思います。原因が深刻なケースもあるかと思いますが、どんなことが考えられますか?
- 慢性的な腰痛に対しては、どんな治療を行うのでしょうか?
- 膝や股関節の痛みについて、主な原因と治療について教えてください
- 骨粗しょう症も整形外科の領域と伺いました。治療としてはどのようなことを行うのですか?
- 筋肉の筋や身体の内部の神経などを痛めると元に戻りにくいものでしょうか?
- 交通事故後の不安に、確かな診断と継続サポート
- 次に、交通事故の傷害の治療について伺います。交通事故に遭うと、やはり多くの人は気が動転してしまうと思います。事故直後はあまり痛みを感じないといいますが、やはりこうした精神状態が影響しているのでしょうか?
- 交通事故治療を多く扱っている先生のご経験から、事故直後にまず行うべきこと、逆にやってはいけないことなどがあれば教えてください
- 軽微な事故の場合、よくある傷害にはどんなものがありますか?また、それを放置しているとどうなるでしょうか?
- 最初の質問と重なる部分がありますが、交通事故の治療というと、整骨院などの選択肢もあります。交通事故傷害の治療において、医療機関と整骨院はどう違うのでしょうか?
- 整形外科などの医療機関の場合、交通事故傷害の治療としてどのようなことを行うのでしょうか?
- 直接傷害を負った部位だけでなく、体のほかの部分に影響が及んでいるようなことはありますか?
- 交通事故の際の保険の申請には診断書が必要です。そうした手続きも行っていただけるのでしょうか?
- 検査設備を備え、将来を見据えた治療を提案
肩こりや腰痛の陰に潜む病気も検査と診断で見逃さない
「ちょっと肩が凝る、腰が痛い」といったような場合、整骨院や整体に行く人は多いかもしれません。また、ネットに書いてあることを信用して自己判断する人も多いと思います。先生はそのあたりをどのようにお考えですか?
少しの肩こりや腰痛でも、自己判断で整骨院や整体だけに通うのは望ましいとはいえません。骨や関節の異常など、見た目には分からない原因が隠れていることもあるため、まず整形外科で検査と診断を受け、そのうえで適切な治療やリハビリを選択していくことが大切です。

貴クリニックには、どのようなことで悩んで来院される方が多いですか?
ご高齢の方では、やはり首や肩こり、腰や背中の痛み、膝や股関節の痛み、手や肘の痛みなどを訴えて受診されるケースがよくみられますね。 若い世代では、腰痛や首の痛みが目立ちます。スマートフォンやパソコンの長時間使用で、首の骨のバランスが崩れるストレートネックになるケースが少なくありません。 腕をよく使う仕事では、関節や筋肉の使い過ぎによる痛みや疲労骨折、肘の外側が痛むテニス肘(上腕骨外側上顆炎)が生じることがあります。
首や肩こりは、体の不調の代表例のひとつかと思います。原因には何が考えられますか?
首や肩こりの多くは、同じ姿勢が続くことで筋肉が緊張し、血流が悪くなることが原因です。 治療ではまず、ストレッチや姿勢の工夫などの方法をお伝えし、リハビリで筋肉の柔軟性や筋力を高めます。こりが強く硬いしこり(硬結)がある場合は、その部位への注射を行い、必要に応じて内服薬や湿布も併用します。
腰痛で悩んでいる人も多いと思います。原因が深刻なケースもあるかと思いますが、どんなことが考えられますか?
腰痛は、腰椎椎間板ヘルニアや変形性脊椎症、腰部筋・筋膜症、腰部捻挫、脊椎分離症、腰部脊柱管狭窄症、突発性脊椎柱側湾症など、脊椎や周辺の筋肉・靱帯の病変が原因となることが多くみられます。 ほかにも、骨粗しょう症による背骨の圧迫骨折や、まれにがんの骨転移、尿路結石など内臓の病気が腰痛として現れる場合もあります。
慢性的な腰痛に対しては、どんな治療を行うのでしょうか?
まず、痛み止めや湿布などの薬物療法と、リハビリテーションを組み合わせて対応します。必要に応じて、短期間コルセットなどで腰を支える装具療法を行うこともあります。当クリニックでは、リハビリは医師の指示のもと理学療法士が担当し、院内での運動療法と併せて、ご自宅で行うストレッチや体操の方法をお伝えしています。
膝や股関節の痛みについて、主な原因と治療について教えてください
膝や股関節は加齢や負荷などにより軟骨がすり減り、変形性関節症などの変形から痛みが生じることがよくあります。当クリニックでは、痛みを抑える薬物療法と、膝・股関節まわりの筋力を高めるリハビリテーションを基本的に対応しています。
骨粗しょう症も整形外科の領域と伺いました。治療としてはどのようなことを行うのですか?
骨粗しょう症は、骨密度が低下して骨折しやすくなる病気です。特に女性では、閉経の時期を境に50代以降で骨密度が大きく落ちやすくなります。骨折しやすいのは、大腿骨頸部(股関節)や腰椎椎体(背骨)。こうした骨折は日常生活動作(ADL)の低下につながることがあるので注意が必要です。 治療としては、まずは運動や食事など日常生活の見直しから始めます。骨密度が低下している方には、状態に応じて内服薬や注射薬による治療も行います。食事ではカルシウムだけでなく、栄養バランスの取れた内容であることが重要です。また、ビタミンDは腸でカルシウムの吸収を助けるため、キノコ類や魚などを日々の食事に取り入れることをおすすめします。

筋肉の筋や身体の内部の神経などを痛めると元に戻りにくいものでしょうか?
筋肉では、階段で足を踏み外したり、準備運動が不十分なまま勢いよく走り出したりした際に、太ももの裏やふくらはぎに肉離れのような損傷が生じやすく、治癒までに数週間から数か月を要することも少なくありません。 神経を損傷した場合にはしびれが残ることがあります。とくに椎間板ヘルニアで長期間圧迫されていたケースでは、手術で圧迫を取っても症状が完全には消えず、しびれなどが残ることもあります。
交通事故後の不安に、確かな診断と継続サポート

次に、交通事故の傷害の治療について伺います。交通事故に遭うと、やはり多くの人は気が動転してしまうと思います。事故直後はあまり痛みを感じないといいますが、やはりこうした精神状態が影響しているのでしょうか?
交通事故の直後は、強い緊張や興奮状態になっているため、実際にはケガをしていても痛みを感じにくいことがあります。その場では自覚がなくても、数日から2週間ほどの間に首や腰などの痛みが出てくるケースが多く、このような精神的な興奮が痛みの感じ方に影響していると考えられます。
交通事故治療を多く扱っている先生のご経験から、事故直後にまず行うべきこと、逆にやってはいけないことなどがあれば教えてください
事故直後は自覚症状が乏しくても、まず医療機関で全身状態を確認することが重要です。受診が遅れると、症状と事故との関係がわかりにくくなります。また、激しい運動や熱い風呂、飲酒など、体を過度に温めることは痛みや腫れを強めるおそれがあるため、しばらくは控えて安静に過ごしましょう。
軽微な事故の場合、よくある傷害にはどんなものがありますか?また、それを放置しているとどうなるでしょうか?
軽い事故では、首のむち打ちや関節の捻挫、打撲が多くみられます。放置すると筋肉の緊張が強まり、痛みが増したり、回復が長引いたりすることもあります。交通事故による傷害は、早期に適切な治療を始めることが後の経過を大きく左右します。
最初の質問と重なる部分がありますが、交通事故の治療というと、整骨院などの選択肢もあります。交通事故傷害の治療において、医療機関と整骨院はどう違うのでしょうか?
医療機関では医師が診察・診断を行います。レントゲンなどの画像検査や診断書の作成が可能で、その結果にもとづき薬物療法や装具、リハビリを組み合わせて治療します。 一方、整骨院は柔道整復師による手技が中心になります。診断や画像検査はもとより、薬の処方や診断書の作成などの医療行為は整骨院では行えないのです。
整形外科などの医療機関の場合、交通事故傷害の治療としてどのようなことを行うのでしょうか?
診察とレントゲン検査などで原因を特定したうえで、治療方針を決定します。治療は、骨折・捻挫・肉離れなどの種類や障害の程度に応じて、安静や固定、薬物療法、リハビリを組み合わせて行うのが基本です。さらに、必要に応じて提携病院でのCT検査や手術も視野に入れながら、適切な治療につなげていきます。
直接傷害を負った部位だけでなく、体のほかの部分に影響が及んでいるようなことはありますか?
直接傷害を負った部位以外に痛みが出ることもあります。その場合は、どこがどのようい痛むのかを詳しくお話しいただき、診察・診断を行います。 事故直後は痛みがなくても、数日たってから筋肉痛のような症状や関節の動かしづらさが出てくることも多いため、診察やリハビリのたびにご相談いただくようにしています。
交通事故の際の保険の申請には診断書が必要です。そうした手続きも行っていただけるのでしょうか?
交通事故で受診された場合も、必要に応じて診断書を作成し、自賠責保険などへの提出書類に対応しています。保険会社から問い合わせがあった際には、そのやり取りにも応じているので、わからないことがあれば遠慮なくお申し出ください。

検査設備を備え、将来を見据えた治療を提案

そのほかの症例について、特に治療が難しい病気や状況などにはどんなものがありますか?
治療が難しい例として、腰椎分離症があります。背骨の一部に疲労骨折のような亀裂が入り、骨が治るまで安静が必要なため、その間は筋力低下を防ぐリハビリで支えていきます。 椎間板ヘルニアで来院される方も多く、長期間神経が圧迫されていた場合は、手術をしても足のしびれが残ることがあります。その場合は、痛みやしびれと付き合いながら、リハビリで日常生活の負担をできるだけ減らしていくことが大切です。
貴クリニックの治療の流れについて教えてください
まず症状をうかがいます。必要に応じてレントゲンやエコー、骨密度測定(DXA)などの検査を行い、その結果を踏まえて診断し、薬による治療とリハビリの方針を決めます。
貴クリニックで用いている器具について教えてください
レントゲン、エコー、骨密度測定装置を備え、リハビリ室には低周波・マイクロ波・牽引装置など多彩な機器を揃え、理学療法士が充実した環境でリハビリを行っています。自由診療としては、ご自身の血液から再生因子を抽出し関節内に戻す「リペアニーズ」にも対応しています。

先生が治療において一番大切にされていることは何でしょうか?
まずは患者さんの訴えに丁寧に耳を傾け、その方が何を求めておられるのかを十分に理解することを大切にしています。対話を重ねながら思いを汲み取り、痛みの軽減など最終的なゴールに近づける治療を心がけています。
最後に、貴クリニックで整形外科治療を受けようと考えている方、Medical DOCのサイトを訪れている読者に対してメッセージなどをお願いします
自己判断で様子を見るだけでなく、気になる症状があれば一度受診していただきたいと思います。検査で異常がなければ安心できますし、原因や病気が見つかった場合には、ご希望をうかがいながら一緒に治療方針を考えていきます。 私自身、学生時代にバドミントンでケガをしたことがあり、そのときの不安や戸惑いも踏まえて、患者さんの気持ちに寄り添うことを心がけています。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
編集部まとめ
取材を通じて強く感じたのは、「まず診断をきちんと行う」という三河院長の一貫した姿勢です。肩こりや腰痛から骨粗しょう症、スポーツ障害、交通事故によるケガまで、画像検査と診察によって原因を見極めたうえで、薬物療法とリハビリを組み合わせた治療を提案されています。患者さんの不安や希望にも丁寧に耳を傾ける診療スタイルは、とても心強い存在だと感じました。

医院名
みかわ整形外科クリニック
診療内容
整形外科 リハビリテーション科 スポーツ障害 など
所在地
大阪府大阪市平野区長吉六反4-6-13
長吉六反クリニックビル2階
アクセス
JR大和路線「八尾南」駅より徒歩16分 大阪メトロ谷町線「長原」駅より徒歩19分 大阪シティバス「六反東住宅前」停留所より徒歩4分 JR各線「久宝寺」駅より車で6分



