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歯並びの美しさだけではない、矯正治療が求められる理由とは?【京都府亀岡市 おぎの矯正歯科】

 更新日:2023/03/31

歯並びの美しさだけではない、矯正治療が求められる理由とは?
歯並びの美しさだけではない、矯正治療が求められる理由とは?

矯正治療で歯並びを美しくしたい」と考える人は年々増えてきているようだ。たしかに歯並びが美しく整えば笑顔に自信が持てるようになり、行動も明るく積極的になれることだろう。しかし、矯正治療の効果はそればかりではない。審美の面以外にも、人の健康に関わる重要な意味合いが矯正治療にはあるという。長年矯正治療に携わり、豊富な経験と技術力を持つおぎの矯正歯科の荻野茂院長に、矯正治療の本質的な役割についてお話をうかがった。

Doctor’s Profile
監修医師:荻野 茂
おぎの矯正歯科 院長

1987年に東北大学歯学部を卒業後、大阪歯科大学歯科矯正学講座研修医となり、1989年研修医修了。1993年に大阪歯科大学歯科矯正学講座大学院を修了し、大学院修了博士(歯学)取得。1994年におぎの矯正歯科を開院し、1999年に医療法人社団おぎの矯正歯科開設。京都矯正歯科医会、近畿北陸矯正歯科学会評議員、亀岡市歯科医師会、日本矯正歯科学会、日本矯正歯科学会臨床指導医、日本矯正歯科学会認定医。

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矯正治療の大きな目的は、健康寿命を延ばすこと

先生のお考えになる理想的な矯正治療とは、どういうものでしょうか?

私が矯正治療において理想としているのは、「健康寿命を伸ばす」ということです。そのためには、ご自分の歯を一生残す必要があります。高齢になったときに歯がなくなってしまっていては、健康寿命を保つことはできません。

矯正治療の大きな目的は、健康寿命を延ばすこと

健康な歯を一生残すために、歯並びを整える必要があるということですか?

そうです。歯並びを整え、まずは歯を磨きやすい環境をつくっておくということ。そして、噛む力が全体に分散できる噛み合わせをつくることも重要です。

矯正治療というと、やはり「歯並びの見た目をよくするための治療」と考える人が多いのではないでしょうか?

もちろんそれも大切ですが、矯正治療の本来の目的は、健康を保つことにあります。その上で、見た目も美しくなる方法を考えるので、きちんとした検査・診断を行い、治療のゴールを決めなければなりません。そのゴールをどこに設定するかが、矯正治療の中で最も難しく、知識と経験が求められる分野です。十分な知識と経験がないと、ゴールを正しく設定できませんし、設定してもゴールにたどり着くことができません。
また、歯だけでなく、気道の問題も考える必要があります。歯並びがよくなっても、うまく呼吸できなければよい矯正治療とはいえません。私が診断をするときに最初に診るのは、歯並びではなく気道です。健康と審美、その両方を兼ね備えた治療を行うことが、理想的な矯正治療だと考えています。

先生はワイヤーを用いた矯正治療を実践されているそうですが、いま主流となりつつあるマウスピース型矯正は行っていますか?

当院はワイヤー矯正を基本としていますが、必要に応じてマウスピース型矯正も行っています。患者さんの状況によっては、マウスピース型矯正が非常に有効な場合もあります。
ただし、マウスピース型矯正だけでは難しい部分もあり、マウスピースの弱いところをワイヤーで補っていくという、ハイブリッド矯正を行っています。
ワイヤー矯正については、見た目を気にする方も多いかもしれません。その点では、裏側矯正(舌側矯正)を行うことで、見た目を気にせずに治療を続けられます。当院の患者さんの半数ほどは、裏側矯正(舌側矯正)を行っています。

ワイヤー矯正は虫歯になりやすいと思っている人もいるようですが、その点はどうなのでしょうか?

ワイヤー矯正が虫歯になりやすいということは、基本的にありません。きちんとデンタルケアをしていれば、防ぐことができます。
マウスピース型矯正は取り外しができるので、虫歯になりにくいと思っている人も多いのですが、実際はそうでもないのです。食べた後に必ず歯を磨いてからマウスピースを装着しないと、逆に虫歯になりやすいということもあります。マウスピースを外して食事をし、歯を磨いてまたマウスピースを着けるという作業が面倒だと思う人は意外に多いようです。

それ以外にもマウスピース型矯正の問題点はありますか?

マウスピース型矯正の大きな問題点は、ワイヤー矯正と違って取り外しができるので、本人の協力がないと難しいということです。食事以外はきちんとマウスピースを装着していないと歯を動かせません。そのため、ご本人の意識の高さがかなり重要になってきます。

長期にわたる矯正治療。医師と患者のよい関係性も重要

長期にわたる矯正治療。医師と患者のよい関係性も重要

矯正治療は、どのぐらいの年齢から始めるのが理想とお考えですか?

ひと昔前まで、大人になると矯正治療ができないといわれていましたが、今は違います。むしろ大人になってから矯正をしたほうが、すでに成長し終わっているので、治療のゴールが見つけやすいという利点もあります。70代以上でも、矯正治療に臨んでいる方はおられます。

矯正治療にはどのぐらいの期間が必要でしょうか?

当院の昨年の平均治療期間は、1年8カ月でした。10年前は2年8カ月だったのですが、できるだけ治療期間を短くしたかったので、私の矯正の技術力を高めるとともに、デジタル矯正システムを導入しました。
ワイヤー矯正の難しいところは最終調整の部分です。上下の噛み合わせを非常に細かく調整していくのですが、現在はその調整にロボットが介入することで、無駄なく着実に治療のゴールに近づいていきます。人間の弱いところをロボットにまかせることで、歯科治療のDX化が進み、患者さんも短い期間で矯正治療を受けることができます。

それでは、貴院の設備について教えてください

矯正治療に必要な装置は、ほぼすべて揃っています。口腔内スキャナー、歯科用CTのほかにも、筋力や舌圧を測る機器など、矯正の検査や治療に必要な設備はかなりたくさんあります。
検査を行う際は、歯だけでなく、歯の根がどのように埋まっているかを確認する必要があります。歯科用CTと口腔内スキャナーのデータによってそれを確認し、シミュレーションモデルを作成します。そのときに、歯と同時に根も移動させて、骨に対して根がどの位置関係にあるのが理想的かを分析していきます。
歯は家と同じで、土台がとても大切です。歯の土台となる根がしっかりとしていて、メンテナンスをきちんと行っていれば、何年でも丈夫な歯を保たせることができます。
また、歯の根を移動させることで、重度の歯周病をある程度改善させることも可能です。当院では、できるだけ歯周病も改善していく方向で、矯正治療を行っています。「矯正治療をすると歯周病になりやすい」と思っている方もいるようですが、しっかりとした分析を行うことによって、逆に改善させていくことができます。

治療に際して、先生が大切にされているのはどのようなことでしょうか?

最も大切にしているのは、ホスピタリティです。矯正治療は長期間にわたるので、患者さんに気持ちよく通っていただくために、スタッフの教育もしっかり行っています。
また、患者さんがひとつの医院ですべての治療を完結できるよう、インハウスシステムも導入しています。矯正治療からメンテナンスまで、すべて当院で行うことができます。

医院選びは、医師の経験や資格などを確認した上で慎重に!

医院選びは、医師の経験や資格などを確認した上で慎重に!

矯正後のアフターケアについて教えてください

矯正治療が終わった後は、6カ月後、1年後、2年後、3年後、5年後にご来院いただき、状態を確認させていただきます。その後は5年間隔でご来院いただき、きちんとメンテナンスができているか、矯正した歯が戻っていないかなどを確認させていただきます。

貴院の矯正治療の料金や支払い方法を教えてください

矯正治療の基本料金は、大人の歯がすべて生えている場合で86万9,000円です。裏側矯正(舌側矯正)(12歳以上)は、上顎のみ裏側で101万2,000円、上下顎とも裏側で115万5,000円です(料金はすべて税込)。お支払いについては、矯正治療が始まった時点で一括払い、または2年以内の分割払い(無金利)でお支払いいただきます。

矯正治療を行うにあたって、どんな歯科医院を選んだらよいでしょうか? 先生の見解をお聞かせください

歯科医院を選ぶ上でひとつの目安となるのが、「日本矯正歯科学会臨床指導医」と「日本矯正歯科学会認定医」の資格を有する医師がいることです。また、マウスピース型矯正をお考えの方は、ワイヤー矯正もできる医院を選んだ方がいいと思います。
ワイヤーは矯正の基本になるので、矯正治療を行うには必須の技術です。マウスピース型矯正だけをやっている医院は避けた方が賢明です。
ワイヤーの裏側矯正(舌側矯正)については、高度な技術が必要なので、確かな技術力で裏側矯正(舌側矯正)ができる医師の数はけっして多くありません。経験や実績などを確認した上で、慎重に医院を選んだほうがいいでしょう。

最後にこれから矯正治療を受けようと考えている方、またMedical DOCのサイトを訪問している読者に何かメッセージをお願いします。

矯正治療は、人の一生を変えることができる治療です。信頼できる医院を選んで、しっかりとした矯正治療を受けることで、今までよりも人生をずっと豊かにすることができると私は確信しています。

編集部まとめ

矯正治療というと、やはり審美的な面ばかりに目がいきがちです。しかし、実は健康を維持増進する上で非常に重要な役割を果たしていることが荻野先生のお話でよく理解できました。また、近年はマウスピース型矯正が主流になりつつありますが、矯正治療の基本はあくまでもワイヤー矯正にあるとのこと。それを踏まえた上で、治療法を選ぶことも大切でなのでしょう。裏側矯正(舌側矯正)なら見た目の問題もなく、2年弱という年月で治療を終えることも可能です。矯正治療をお考えの人は、検討してみることをおすすめします。

おぎの矯正歯科

医院名

医療法人社団おぎの矯正歯科

診療内容

矯正歯科 予防治療 顎関節症治療 など

所在地

京都府亀岡市追分町大堀17-1

アクセス

JR山陰本線「亀岡」駅より徒歩2分

この記事の監修歯科医師