目立たず、取り外し可能。成功率の高い新しいマウスピース型矯正とは? 【札幌市手稲区 つちだ矯正歯科クリニック】
歯列矯正には、ブラケット(ワイヤー)矯正とマウスピース型矯正の、二通りの方法がある。それぞれに長所や短所があるけれど、近年注目されているのはマウスピース型矯正。取り外し可能なアライナー(マウスピース)を装着する治療法だ。今回は歯科矯正専門の歯科医師である「つちだ矯正歯科クリニック」の土田院長に、マウスピース型矯正の実際と、そのメリットを詳しく解説していただいた。
土田 康人(つちだ・やすひと)
つちだ矯正歯科クリニック 院長
1965年・北海道静内町生まれ。東日本学園大学(現・北海道医療大学)歯学部を卒業後、同大学で助手として6年間勤務。開業医での約1年の勤務を経て、1996年、北海道札幌市手稲区に「つちだ矯正歯科クリニック」を設立。2005年、同区内の現在の所在地に移転する。
日本矯正歯科学会認定医、日本成人矯正歯科学会会員、日本口蓋裂学会会員、日本顎変形症学会会員。
歯列矯正で心も体も元気になる!
歯並びが悪いことによって、どんな影響が出てくるのでしょうか?
もっとも懸念されるのは、虫歯や歯周病になりやすくなるということですね。歯並びが悪いと、ブラッシングがしっかりできないこともあり、歯垢が溜まりやすくなるのです。
また、多くの患者さんが抱えている悩みとして、やはり見た目の問題があります。歯並びが悪いというコンプレックスのために大きく口を開けて笑えないなど、精神的に悪い影響を及ぼすことがあると思います。
にも関わらず、なかなか矯正治療に踏み切れない患者さんは多いようですね。
歯列矯正治療は一部を除き保険適用外ですから、ひと昔前と比べて安くなっているとはいえ、治療費を気にされる方は多いと思います。また、治療期間が長くなることや、患者さんの歯や顎の状態によっては抜歯が必要になるということも、治療に踏み切れない理由になっていると思います。
そうした患者さんの不安に、どう対応されていますか?
一度来院していただいて詳しい説明を受ければ、ほとんどの不安や疑問は解消されると思います。同時に、歯列矯正を行う必要性やメリットについてご理解いただくことで、一歩踏み出す勇気が生まれてくるのではないでしょうか。
メリットの多い新しいマウスピース型矯正
矯正治療にはブラケット矯正とマウスピース型矯正がありますが、どんな違いがあるのでしょうか?
ブラケット矯正は、金属製のブラケットを1本1本の歯に装着し、そこに通したワイヤーで引っ張ることで歯並びを整えていく治療法です。対してマウスピース型矯正は、求める歯並びをかたどったマウスピースを歯全体に装着して、歯並びを整えていきます。
それぞれのメリット・デメリットを教えてください。
まずブラケット矯正ですが、治療費が抑えられることが一番の利点です。また、ほぼすべての症例に対応できることも長所ですね。
デメリットとしては、矯正装置が目立ってしまうことが挙げられます。できるだけ目立たないよう、セラミックやコンポジット(プラスチック)製のブラケットを使ったり、白いワイヤーにしたり、あるいは歯の裏側にブラケットを装着する矯正装置を使ったりすることは可能ですが、治療費は高くなります。
また、ブラケットやワイヤーが常時装着されているため、ブラッシングがしにくいのもデメリットといえます。
それでは次に、マウスピース型矯正のメリット・デメリットを教えてください。
マウスピース型矯正とひと口にいっても、いくつかの矯正装置があり、それぞれのメリット・デメリットの度合いに差があります。当院が導入しているのは「インビザライン(Invisalign)®︎」(※1)という矯正装置です。これは、厚さわずか0.5mmのアライナー(マウスピース)を装着するもので、ほぼ透明であるため目立ちません。また、取り外しが可能なので食事に制限がなく、ブラッシングも容易です。金属アレルギーがある方にも安心していただけますね。
(※1)は、完成物薬機法対象外(薬機法未承認)の矯正歯科装置(医薬品)であり、承認医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。」
「インビザライン®︎」(※1)はほかのマウスピース型矯正とどこが異なるのでしょうか?
歯を大きく動かせるのが利点です。長い実績によって蓄積された膨大なデータによって、どうすれば歯を効率よく、大きく動かすことができるかを理解した上でアライナーを作製しているからです。
(※1)は、完成物薬機法対象外(薬機法未承認)の矯正歯科装置(医薬品)であり、承認医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
治療期間にも違いが出てきますか?
実感として、ブラケット矯正よりも治療期間が短くなると感じています。
矯正中の痛みについてはいかがでしょうか?
装着して2、3日は、歯が浮くような痛みを感じることがありますが、1週間もすれば慣れてきます。痛みの感じ方は個々人で差がありますが、ブラケット矯正より少ないと思います。
抜歯をしなければならないケースはマウスピース型矯正でも同様にありますか?
抜歯が必要になるのは、顎に歯がきれいに並ぶための十分なスペースがない場合です。ですから、患者さんの歯や顎の状態によっては、抜歯が必要になることはあります。
ただ、「インビザライン®︎」(※1)であれば、抜歯を避けられるケースが増えると考えています。ブラケット矯正ではワイヤーで引っ張る方向にしか歯を動かせませんが、「インビザライン®︎」(※1)では歯の間を広げながら動かすことが可能だからです。
(※1)は、完成物薬機法対象外(薬機法未承認)の矯正歯科装置(医薬品)であり、承認医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
マウスピース型矯正にデメリットはありますか?
ブラケット矯正と比べて治療費が高くなります。自由診療なので歯科医院によって差はありますが、当院でいうと、ブラケット矯正の装置料は450,000円、上下の顎とも歯の裏側に装着する場合は650,000円に設定しています。対してマウスピース型矯正の装置料は750,000円です。症例に関わらず一律の料金ですし、他院と比べると安い設定なのではないかと思いますよ。
とはいえ、患者さんにとってはかなりの治療費アップですね。
そうですね。まずは一度ご来院いただいて、治療法や費用について相談していただくことが第一かと思います。
当院では、患者さんが無理なく治療費を支払えるよう、デンタルローンのほか、当院独自の分割払いを用意しています。半年間の期限内なら、1回払いでも6回払いでも利息はかかりません。実際、多くの患者さんがこの分割払いを利用されています。
「インビザライン®︎」(※1)による矯正の実際
アライナーはどうやって作製するのですか?
治療計画のデータを「インビザライン®︎」(※1)の提供元である米国アライン・テクノロジー社にインターネット経由で送ります。同社が作製したアライナーは2週間ほどで当院に届きます。
(※1)は、完成物薬機法対象外(薬機法未承認)の矯正歯科装置(医薬品)であり、承認医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
海外なのに思ったより早くできるのですね。
通常の方法ですと、歯科医院が作製したシリコン印象(型)を米国アライン・テクノロジーに送り、同社がそのシリコン印象をスキャニングしてアライナーを作製するという流れになります。この工程ですと、輸送だけで2~3週間長くかかってしまいます。
しかし当院では、専用の3Dスキャニング装置「iTero(アイテロ)エレメント」を導入することで、その手間と時間を省いています。同時に、シリコン印象が輸送中に変形するようなこともないので、より精度の高いアライナーが作製できます。
治療はどのように行なわれるのでしょうか?
アライナーは36~48個作製されるのですが、治療の段階に合わせて1~2週間ごとに新しいアライナーに変えていきます。当院では患者さんにひと月ごとに来院していただき、その月に装着するアライナーをお渡ししています。アライナーはできるだけ長い時間、装着していただくほうが、効率よく歯を動かすことができます。
途中で治療計画が変更されるようなことはありますか?
ひと月ごとに来院された際に歯の動きをチェックして、必要があればシミュレーションし直します。それに基づいて、再度、アライナーの作製を依頼するわけですが、当院では「iTeroエレメント」を導入しているので、ここでも時間的なロスを極力抑えることが可能です。
患者さんが気をつけておきたい点として何かありますか?
マウスピース型矯正の場合、患者さんご自身の努力が必要です。具体的には「噛む」動作を行うこと。アライナーを装着した状態で「チューイ」と呼ばれる専用のチューインガムのようなものを一定時間噛むことで、歯が動いてくれるのです。ここがとても大切なところなので、患者さんが来院される度に、きちんと噛んでもらえているかどうかを確認しています。
1日にどれくらい噛む必要があるのでしょうか?
1日5分間、というのが開発元の推奨時間です。しかし、5分間といえども連続してしっかり噛み続けるというのはなかなか大変です。当院では、患者さんに「30分くらいのテレビドラマを見ながら噛んでください」と伝えています。噛むだけの時間を5分とるより、このほうが楽に実践できますからね。
治療期間はどれくらいですか?
患者さんの歯並びの状態によって変わりますが、早い方で半年、長くて1年半といったところでしょうか。先ほどお話しした通り、治療期間に関しては、治療計画の段階でおおまかな予測を立てることができます。
マウスピース型矯正治療を受けるには
編集部まとめ
「歯列矯正はブラケットやワイヤーが目立つ」という先入観をお持ちの方も多いと思います。しかし、マウスピース型矯正であれば、そうした問題はありません。加えて、この記事を最後まで読まれた方なら、新しい治療装置「インビザライン®︎」(※1)のメリットも理解していただけたのではないでしょうか。
「患者さんには気軽に来院していただきたい」とおっしゃる土田院長。その言葉を実現できるよう、「つちだ矯正歯科クリニック」は、パッと見では歯科医院とは思えないウッディな雰囲気に包まれていました。患者さんの笑顔が見られるのは、医院内の雰囲気と土田院長の人柄によるものなのでしょう。通いやすい矯正歯科を探すことは、とても大事なことですね。
(※1)は、完成物薬機法対象外(薬機法未承認)の矯正歯科装置(医薬品)であり、承認医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。