「できるだけ歯を削らない・抜かない」精密的な歯科治療のススメ【千葉県市川市 なかがわ歯科医院】

なかがわ歯科医院
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自分の歯の状態に不安を感じている人、あるいは現在歯科医院に通っている人のなかでも、「精密的な歯科治療」という言葉を知っている、よく理解しているという人はほとんどいないのではないだろうか。精密的な歯科治療は「できるだけ歯を削らない・歯を抜かない」治療とも評される。その詳細について、「なかがわ歯科医院」の中川兼佑副院長に説明していただいた。

Doctor’s Profile
中川 兼佑(なかがわ・けんすけ)
なかがわ歯科医院 副院長

1979年、千葉県市川市生まれ。2005年3月東京歯科大学卒業後、同大学・老年歯科補綴学講座を卒業。2009年3月に同講座で歯学博士取得。同年7月から「なかがわ歯科医院」勤務。日本補綴歯科学会、日本口腔インプラント学会会員。

「精密的な歯科治療」のメリットとは

「精密的な歯科治療」のメリットとは

「精密的な歯科治療」という言葉にはあまりなじみがありません。どんな治療方法なのでしょうか?

ごく簡単にいうと、歯科用CT(コンピュータ断層撮影)やマイクロスコープ(歯科顕微鏡)などの機器を使用して、より精密に診査・診断・治療を行なうことです。

どんな症例で行なわれる治療なのでしょうか。

重度の虫歯や根管治療において有効と考えられています。「根管」とは歯の根の中にある、神経や血管などが通っている管のことですね。また、歯周病の治療でも、歯肉を切開する歯周外科治療ではマイクロスコープを使用することがあります。

それらを使用しない、いわば一般的な治療と比べてどんなメリットがあるのですか?

治療以前に、正確な診査・診断ができるということが大きな利点だと思います。レントゲンでは歯の状態を平面的にしか撮影できませんが、歯科用CTで撮れば立体的に見ることが可能なので、疾患の原因を特定するのが容易になります。たとえば3つの根がある歯の、どの根に問題があるかということは、歯科用CTを使うことで正確にわかります。

マイクロスコープも診査・診断に使用するのですか?

マイクロスコープは、肉眼で見られない場所を拡大して見ることが可能です。根管の中は肉眼では確認できないので、かつては、ある意味手探りで状態を把握していたのですが、マイクロスコープによってはっきり目で確認することが可能になります。根管以外では、初期段階の小さな虫歯や、被せもの(クラウン)との境目のトラブルなど、細かい部分を見落とすこともなくなります。

治療をする上でのメリットはどんなところにあるのでしょう?

マイクロスコープを使って、目で確認しながら治療することで、より正確で確実な治療が可能になります。たとえば根管治療では、菌に感染した部分が確実に除去できているかどうかを正確に把握できます。さらに、処置のスピードが速くなるので、治療回数を減らせるというメリットもありますね。どれくらい減らせるかは状態にもよりますが、根管治療の場合でいえば、体感的には半分で済むという感じです。

「精密的な歯科治療」のメリットとは

「できるだけ歯を削らない・歯を抜かなない」治療を実現する

精密的な歯科治療のメリットのひとつに「できるだけ歯を削らない」ということがあると聞きました。

マイクロスコープで確認しながら歯を削ることで、削る量を必要最小限で済ませることができるわけです。自分の歯が多く残せるということは将来虫歯が再発した時にまだ治療できるだけ歯が残っているということです。つまりその歯の寿命につながります。たとえば、神経に達する直前まで侵された虫歯を削る場合、誤って神経まで傷つけてしまうようなトラブルを防ぎやすいというのも、目で確認して削ることのメリットだといえます。

「できるだけ歯を削らない・歯を抜かなない」治療を実現する

「できるだけ歯を抜かない」治療というのは、どういう意味なのでしょうか?

どうしても抜歯しなければならないケースは、もちろんありますが、たとえば歯科医院で抜歯をすすめられた場合でも、歯科用CTやマイクロスコープで診査・診断すると、抜かずに済むケースがある、ということです。

実際にそういう事例はあるのですか?

他院で抜歯やインプラント治療をすすめられた方から相談を受けたことがあります。私自身も、CTやマイクロスコープがなければ抜歯の診断をしたと思われる難しい症例でしたが、診査・診断したところ原因が把握できたので、数回の根管治療で歯を残すことができました。

インプラント治療より、自分の歯を残したほうがいいということですか?

私もインプラント治療を行なっていますし、インプラント治療は素晴らしいものだと思っています。ただインプラント治療をする前にまだご自身の歯を救える可能性があるという事は事実としあります。

「できるだけ歯を削らない・歯を抜かなない」治療を実現する

抜歯するかしないかは、あくまでケースバイケースということですね。

歯が残せるかどうかの診査・診断はとても大切です。歯を残せる可能性があるのなら、まずはその治療を行なうことが第一優先でしょう。治療期間や費用、外科治療のリスクの面でも患者さんの負担が小さくて済みますからね。もちろん、良好な予後(治療後の状態)が期待できるかどうかは重要な判断基準です。無理に歯を残そうとして、何度も症状が再発したのでは意味がありませんから。

精密的な歯科治療に必要な器具とは

精密的な歯科治療に必要な器具についてお伺いします。まず歯科用CTですが、これはどんなものですか?

口腔内の状態を立体的に把握するための器具です。従来のレントゲン写真の検査より、より多くの情報が正確にわかります。精密的な歯科治療に限らず、インプラント治療のシミュレーション歯周病の進行状態の把握などにも使われます。医院内に設置していなくとも、近隣の大学病院などで患者さんに撮影してきてもらうことは可能ですが、治療期間を短縮するためには、医院内にあったほうがいいと考えています。

精密的な歯科治療に必要な器具とは

マイクロスコープについても、少し詳しく教えてください。

患部を拡大して見るための歯科用の顕微鏡です。主に口腔内診査や虫歯治療、根管治療で使いますが、歯周病の治療、とくに進行した歯周病の治療でも活躍します。根管治療同様、細菌の塊を正確・確実に取り除くことができますし、患部の状態がわかりやすいことで切開する範囲も最小限に抑えることが可能になります。どの治療においても最小の侵襲で最大の効果が得られやすいです。
マイクロスコープにはさまざまなメーカー、グレードがあり、私は10種類ほどのマイクロスコープを実際に使ってみた経験から、使い勝手がいいものを選んでいます。選択した理由のひとつとして、動画撮影が可能なことが挙げられます。診査・診断、治療の映像を録画して、あとで患者さんに見ていただくことで、どんな状態で、どんな治療をしたのかを説明しやすいからです。これは患者さんの安心感にもつながると考えていますし、患者さんと共に治療を選択していく私の診療方針でもあります。

それ以外の機材や資材についてはいかがでしょうか?

マイクロスコープを用いた治療は精密で高いレベルの治療になりますので使用する機材も精度の高いものとなります。こうした機材や資材を使用することで、予後を良好に保つことが可能になってきます。

大きなメリットがある精密的な歯科治療ですが、あまり一般的に知られていないのはなぜだとお考えですか?

ひとつには、精密的な歯科治療に必要な器具を設置している歯科医院が少ないことが理由に挙げられると思います。歯科用CTは、近年開業している歯科医院の多くが設置していますが、マイクロスコープの普及率はまだ低いのが現状です。正確な数字はわかりませんが、10%に満たないのではないでしょうか。また精度の高い機材を使用すには相応の経験と技術も必要だからだと思います。

マイクロスコープを使うと保険の適用が受けられないという話を聞いたことがあるのですが

それは誤解ですね。マイクロスコープを使うかどうかは医師の判断です。自費診療の患者さんには、ほぼ100%、マイクロスコープを使った診査・診断を行なっていますが、保険適用範囲内の治療でも、私が必要だと思えばマイクロスコープを使用します。
ただ、マイクロスコープを使うレベルの治療では、根管を埋める充填材や被せもの(クラウンなど)も、品質・精度の高いものを使うのが普通です。逆にいうと、せっかくマイクロスコープを使って治療しても、充填材や被せものを保険適用の範囲内で選ぶと、材料や材質の限界があるため再発を抑えるなどのメリットがあまり期待できなくなってしまいます。

自費診療となると、経済的な面で躊躇してしまう患者さんが多いのではないでしょうか?

確かに自費診療はイニシャルコスト(初期費用)はかかりますが口腔内全体で考えた場合ランニングコスト(維持費用)は抑えることが出来ます。歯はどうしても一本単位で考えてしまいがちですが良好な口腔内を長い目で維持することを考えると初期の虫歯の段階で良い治療や材料を選択することが大切だと思っています。

歯科用CTやマイクロスコープで口腔内を徹底的に診査したい、という要望にも応えていただけるのですか?

まずは日頃から定期的に歯科医院に通って、医師に口腔内の状態を把握してもらうことが一番ですね。そうしていれば、何か明確なトラブルがない限り、マイクロスコープなどを使った診査は不要だと思います。
一方で、普段、歯科医院に通っておられない方のなかには、ご自身の口腔内の状態が気になってきたというケースもあるでしょう。すべてのケースで、歯科用CTやマイクロスコープを使った検査が必要とは限りませんが、患者さんのご要望に応じて行なうことは、もちろん可能ですよ。

精密的な歯科治療に必要な器具とは

最後に、この記事を読まれている方にメッセージをお願いします。

先ほどお話しした事例につながりますが、「抜歯が必要」という医師の判断に不安を感じるのであれば、まずはその医師に詳しい説明を求めるのが第一ですね。それでも納得できないようなら、セカンドオピニオンとして他の歯科医院で意見を聞かれるといいと思います。そんなとき、当院をはじめ、歯科用CTやマイクロスコープを使用した正確な診査・診断を行なえる歯科医院が、患者さんの助けになれば幸いです。

編集部まとめ

重度の虫歯や根管治療において、精密的な歯科治療がいかにメリットの大きい治療方法であるかがわかりました。また、マイクロスコープで詳細に診査・診断することで、抜歯を避けられるケースがあるというのも大きな発見。もちろんそれがなければ正しい診査・診断ができないというわけではありませんが、より精密な歯科治療が可能かどうかという点で、設備の充実度は歯科医院選びの目安のひとつといえそうです。

医院情報

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