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「黄色いあざ」ができる原因はご存知ですか?医師が解説!

 公開日:2025/03/12

黄色いあざで、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「黄色いあざ」ができる原因はご存知ですか?医師が考えられる病気も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

「黄色いあざ」の症状で考えられる病気と対処法

身体に黄色いあざができる場合には、さまざまな病気が考えられます。
自然に治癒するタイプもあれば、命に関わる疾患まで様々あります。
今回は、黄色いあざの症状で考えられる病気とその対処法などについて解説していきます。

黄色いあざの症状で考えられる原因と治し方

黄色いあざの症状で考えられる原因疾患として、「打撲」が挙げられます。
スポーツなどによって打撲すると、特定の場所が痛み、内出血や黄色いあざが見られます。
痛みの程度に個人差はありますが、痛みが大きい場合は患部を動かすことが困難になります。打撲をした際には、安静にして打撲した部位を冷却すると良いでしょう。
患部を冷やすと楽になる場合や動かせる場合は打撲の可能性が高いですが、万が一痛みが続く、あるいは痺れや目まいなどがあれば、すみやかに整形外科など医療機関で診察を受けることが重要です。

黄色いあざがあるが痛くない症状で考えられる原因と治し方

黄色いあざがあるが痛くない症状で考えられる原因疾患として、「黄疸」が挙げられます。
黄疸自体はあまり自覚的な症状を引き起こしませんが、患者さん自身は黄疸に気付かずにしばしば家族や職場の同僚から黄色いあざができたなどと指摘されることもあります。
ビリルビンの血中濃度が高くなると、痛み症状はほぼありませんが、胆汁が分解されたときにできる物質が体内に蓄積することで、全身にかゆみが生じることがあります。
黄疸を引き起こす肝疾患など多くの病気は、他の症状や深刻な問題を引き起こして、嘔気、嘔吐、腹痛、くも状血管腫(皮膚にみられる小さなクモのような形をした血管)などの症状が合併することがあります。
心配であれば、消化器内科など専門医療機関を受診しましょう。

ぶつけてないのに黄色いあざがある症状で考えられる原因と治し方

ぶつけていないのに黄色いあざがある症状で考えられる原因疾患として、「肝機能障害」が挙げられます。
肝機能障害は、肝細胞が何らかの原因で障害を受けて、肝機能が低下して血液を凝固させるたんぱく質の合成機能が低下する病気です。
発症原因には、B型肝炎やC型肝炎などウイルス感染、長期の過剰なアルコール摂取、脂肪肝の悪化、薬の副作用などさまざまです。
肝機能障害に伴って、自覚症状がほとんどないため、非常にわかりづらく、気づいたときは進行している場合もあります。
肝機能障害の代表的な症状として黄疸が現れることが知られており、外傷などぶつけた記憶がないにもかかわらず皮膚に黄色いあざが出現することがあります。
少しでも早く肝機能障害を発見できるように、定期的に健康診断を受けるなど対策を講じて、心配であれば、消化器内科など専門医療機関を受診しましょう。

黄色いあざが消えない症状で考えられる原因と治し方

黄色いあざが1週間以上たっても消えない症状の場合は、「血管炎」という病気も検討されます。
血管炎は、血管が炎症を起こす病気で、腎臓や心臓、肺などの血管障害を起こすと腎不全や高血圧、肺炎など含めて多彩な症状が現れます。
ほとんどのタイプの血管炎に対して、自己免疫に関連した炎症所見を抑えるために、通常であればコルチコステロイドや免疫抑制剤を治療場面で使用します。
皮膚の黄色いあざだけでなく、発熱や倦怠感、体重減少などの症状が合併している場合は膠原病内科など専門医療機関を受診しましょう。

足や腕の黄色いあざの症状で考えられる原因と治し方

足や腕の黄色いあざの症状で考えられる原因疾患として、「老人性紫斑」が挙げられます。
老人性紫斑は、真皮組織が萎縮して血管が脆弱化した主に高齢の方に発生する病気であり、手や前腕の伸側に限局して濃紫色で斑状の出血やあざが現れる特徴があります。
老人性紫斑で見られるあざは、擦れた刺激だけで出現することもしばしばみられますが、時間経過とともに自然に消失することが期待できます。
老人性紫斑であることが判明した際には、内出血なので塗り薬は特に効果なく、特別な治療は実施せずに経過観察することになります。
心配であれば、皮膚科など専門医療機関を受診しましょう。

胸の黄色いあざの症状で考えられる原因と治し方

胸の黄色いあざの症状がある場合は、「白血病」という病気も検討されます。
白血病は、血液のがんの一種で、正常な血液が作られなくなる病気であり、血液中にある止血作用のある血小板が減ることにより、出血しやすくなり痣ができたり消えなかったりする症状が認められることがあります。
白血病に対して適切な治療が行われないと、感染症や出血により命に関わる注意の必要な病気ですので、疑わしい症状があればすぐに血液内科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「黄色いあざ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

立ち眩みの症状がある場合は、血液内科へ

黄色いあざが出現する以外にも、立ちくらみがする、感染症に罹患しやすくなる、鼻や歯肉から出血しやすくなるなどの症状が認められる際には、急性白血病を発症している可能性があります。早急に血液内科など専門医療機関を受診して、適切に治療しないと生命に直結するリスクがありますので留意しておきましょう。

受診・予防の目安となる「黄色いあざ」があるときのセルフチェック法

  • ・黄色いあざ以外に発熱症状がある場合
  • ・黄色いあざ以外に立ちくらみ症状がある場合
  • ・黄色いあざ以外に出血症状がある場合

「黄色いあざ」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「黄色いあざ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

黄色いあざを早く治す方法はありますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

黄色いあざの対処方法としては、安静にすることが第一であり、より早い回復を目指して、ヘパリン類似物質などの市販薬を用いると効果的に働く場合もあります。

体にできた黄色いアザは通常どのくらいの期間で治りますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

打撲などが原因で身体に黄色いあざが出現している場合には、早ければ1週間~数週間程度であざは自然に吸収されていくでしょう。

黄疸とはどんな症状ですか?黄色っぽい痣ができるのも黄疸ですか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

黄色っぽいあざが出来る際にも黄疸の可能性があります。黄疸では、血中にビリルビン(黄色の色素)が過剰になって高ビリルビン血症を発症することで、一般的に皮膚や眼球粘膜が黄色くなる症状が現れます。

ぶつけていないのに黄色いあざがあるのですが白血病なのでしょうか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

ぶつけた記憶がないのに、身体に黄色いあざが認められる際には、白血病も検討する必要があります。白血病は、血液を作り出す造血幹細胞に異常が生じ、正常な血液を作る細胞が作られなくなる病気ですので、心配であれば専門病院で検査を受けましょう。

まとめ 黄色いあざが気になったら専門医療機関を受診しましょう

黄色いあざが出来る原因は、何かに体をぶつけて打撲するなどの外部からの衝撃が体内に入ることによって、皮膚や皮下組織を壊してしまい、出血が体の中にとどまることで起きます。
また、高齢者は老人性紫斑など弱い外力でも内出血を起こしてしまいますし、肝臓が悪い方の場合には黄疸が出現して身体の皮膚などに黄色いあざ所見が認められることがあります。
心配であれば、整形外科や皮膚科、消化器内科、血液内科、膠原病内科など専門医療機関を受診して相談するように努めましょう。
今回の情報が参考になれば幸いです。

「黄色いあざ」症状で考えられる病気

「黄色いあざ」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

  • 老人性紫斑

整形外科の病気

消化器内科の病気

  • 黄疸
  • 肝機能障害

膠原病内科の病気

血液内科の病気

何かに体をぶつけて打撲するなどの外部からの衝撃を受けると、皮膚や皮下組織を壊れて出血することが原因で黄色いあざは起こりえます。そのようなケガのエピソードがない場合には、何らかの病気が潜んでいることがあります。

「黄色いあざ」に似ている症状・関連する症状

「黄色いあざ」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「黄色いあざ」症状の他にこれらの症状がある場合でも「老人性紫斑」「打撲」「黄疸」「肝機能障害」「血管炎」「白血病」などの疾患の可能性が考えられます。発熱や立ち眩み、出血症状がある場合には、早めの医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師

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