「狭心症」の放置は“心筋梗塞”への落とし穴?なりやすい人の原因と前兆【医師監修】

狭心症は、心臓に血液を届ける「冠動脈」が狭くなることで、心筋が一時的な酸素不足に陥る病気です。突然起こるものではなく、生活習慣の積み重ねや年齢的な変化が背景にあることが多いとされています。この記事では、心臓と冠動脈の関係から狭心症の仕組み、種類ごとの特徴まで、基本的な知識をわかりやすく解説します。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
目次 -INDEX-
狭心症とはどのような病気か
狭心症を正しく理解するためには、まず心臓のはたらきと、それを支える血管の役割を把握することが大切です。狭心症は突然起こる病気ではなく、多くの場合は生活習慣や年齢的な変化が積み重なった結果として現れます。
心臓と冠動脈の関係
心臓は身体全体に血液を送り出すポンプとして、休むことなく動き続けています。このポンプ自体にも酸素や栄養を含んだ血液を供給する血管が必要であり、その役割を担うのが「冠動脈(かんどうみゃく)」です。冠動脈は心臓の表面を冠のように取り巻いており、右冠動脈と左冠動脈の2本が主要な幹として走っています。さらに、左冠動脈はさらに2つの枝に分かれます。
冠動脈が正常に機能している状態では、心臓の筋肉(心筋)は常に十分な酸素を受け取ることができます。しかし、動脈硬化などの原因で冠動脈の内側が狭くなると、血液の流れが滞りやすくなります。運動時や精神的なストレスがかかった際には心臓の酸素需要が高まるため、供給が需要に追いつかなくなり、心筋が一時的な酸素不足(虚血)の状態に陥ります。これが狭心症の発症メカニズムです。
狭心症の主な種類
狭心症はその発症のパターンによっていくつかの種類に分けられます。運動や労作(身体を動かすこと)をきっかけに発症する「労作性狭心症」は、安静にしていると症状が治まりやすいという特徴があります。一方、安静時や夜間・早朝に発症する「安静時狭心症」は、冠動脈が一時的にけいれんすることで起こる「冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症」と関連していることが多く、労作性とは発症のメカニズムが異なります。
また、症状が急に悪化したり、安静時にも頻繁に発作が起こったりする場合は「不安定狭心症」と呼ばれ、心筋梗塞に移行するリスクが高いため、緊急の対応が求められます。狭心症の種類を把握することは、治療方針を決める際の重要な手がかりとなります。
まとめ
狭心症は胸の圧迫感・放散痛・さまざまな初期サインとして現れる病気です。「胸が締め付けられる」「肩や顎に痛みが広がる」「運動後に胸が苦しくなる」といった症状は、日常のちょっとした不調と混同されがちですが、繰り返し起こる場合は心臓からの重要なサインかもしれません。動脈硬化の危険因子を持つ方は特に注意が必要であり、気になる症状を感じたら早めに循環器内科などへ相談することが、重篤な合併症を防ぐ第一歩となります。
参考文献




