1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「胃ポリープ」ができる原因・できやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!

「胃ポリープ」ができる原因・できやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!

 公開日:2025/01/30

胃ポリープとは胃の粘膜がいぼのように膨らんだもので、自覚症状がないまま進行し、胃カメラやバリウムによる検査によって発見されます。

発生しても多くの場合は問題がなく経過観察となりますが、中にはがん化するケースもあるるため、定期検診などで状態を確認しておくことが重要です。

ここでは胃ポリープの症状・検査・治療方法から、放置した場合の症状の進行について詳しく解説しています。

胃ポリープが発見された際の対応や、見つかっても慌てないための参考にしてください。

※この記事はMedical DOCにて『「胃ポリープ」ができる原因・できやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

プロフィールをもっと見る
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

胃ポリープの症状や原因

胃のあたりを抑えている男性

胃ポリープが発見されたらどうすればよいですか?

胃ポリープは基本的に心配するような病気ではありませんが、発見された場合はポリープの大きさと種類 を確認することが重要です。
胃ポリープには良性と悪性(がん)があり、ほとんどの場合が良性です。また良性のポリープには胃底腺ポリープと過形成性ポリープがあります。
このうち過形成性ポリープはピロリ菌のいる胃で発生しやすく、出血やがん化のリスクも伴うため注意が必要です。胃ポリープは大きさと種類によって身体への影響や治療方法が異なってきます。
状態を確認するには胃カメラによる検査が必要なため、バリウム検査などで胃ポリープが見つかった場合は、胃カメラ検査を受けましょう。

胃ポリープの症状は?

ほとんどの場合胃ポリープ自体は無症状ですが、慢性胃炎を併発していると、胃痛・胃もたれ・食欲不振といった症状を伴うことがあるので注意が必要です。
また、胃ポリープが大きくなると出血を伴い、貧血を起こすことがあり、めまい・動悸・息切れ・下血・吐血といった貧血の症状を引き起こします。
過形成性ポリープのほうが出血のリスクが高く、特に一部にがん化がみられる場合などは、がん化した部位から出血する可能性が高まります。
また、抗血栓薬を内服していると出血のリスクが高くなるといわれているので、該当する場合は医師に伝えましょう。

胃ポリープの原因はなんですか?

胃底腺ポリープ・過形成性ポリープでそれぞれ原因が異なり、過形成性ポリープの原因の一つにはピロリ菌が挙げられます。
ピロリ菌は乳幼児期に口から感染した後、消えずに胃の中に棲み続け、胃炎や潰瘍、最悪の場合は胃がんの原因となります。
現在でも日本人の2000~3500万人、30~50歳の方だと約30%が感染していると考えられており、比較的身近な菌であるといえるでしょう。
過形成性ポリープはピロリ菌に感染している荒れた胃に生じやすい傾向にあります。
胃の粘膜の修復と再生が繰り返されるうちに、細胞が異常に増殖したものと考えられ、がん化するおそれもあるため注意が必要です。
一方、胃底腺ポリープはピロリ菌に感染していないきれいな胃に生じやすく、胃粘膜中の胃底腺が隆起してポリープが形成されますが、がん化するおそれはほぼありません。

胃ポリープががん化することはありますか?

胃底腺ポリープは基本的にがん化することはありませんが、過形成性ポリープについては、放置しているとがん化する可能性があります。
バリウム検査などでポリープが見つかった時点で胃カメラによる検査を受けておくとよいでしょう。また、その時点では問題がなくても状態が悪化する可能性があるので、定期的に検査を受けることをお勧めします。
検査の結果、がん化する疑いがある場合や1センチ以上に成長したものについては、治療も検討しましょう。

編集部まとめ

ハートを持つ手
胃ポリープは健康診断などで見つかることがあっても、自覚症状がないためそのまま放置してしまいがちです。

毎年定期検診を受ける方は経過観察ができますが、そのまま放置していると自覚症状がないままポリープが成長したり、胃がんになったりするリスクを伴います。

胃ポリープの悪化を予防するためには定期検診を受け、診断結果をもとに医師の指示に従うことが大切です。

また、胃炎を患っている人は胃ポリープができやすいので、普段から食生活に気をつけ、ストレスを溜め過ぎないように心がけるとよいでしょう。

この記事の監修医師

S