FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「睡眠の質を高める寝る姿勢」 姿勢に加えて睡眠の質を向上させるための一工夫とは

「睡眠の質を高める寝る姿勢」 姿勢に加えて睡眠の質を向上させるための一工夫とは

 公開日:2024/11/25

「アンポ接骨院」院長の安保先生によると、寝るときの姿勢は仰向けが良いそうですが、落ち着く寝方は人それぞれです。仰向け以外でも睡眠の質を高められる方法はあるのでしょうか。さらに良い睡眠をとるためのポイントをお聞きしました。

安保 純一

監修柔道整復師
安保 純一(アンポ接骨院)

プロフィールをもっと見る
アンポ接骨院院長。スパイラル・テーピング協会理事。柔道部に所属していた中学校時代に、ケガをすることが多く、地域の接骨院に通院したときに東洋医学を用いた施術に感銘を受け、柔道整復師になることを決意。柔道整復師の専門学校を卒業後、インターンを経て、地元の神奈川県横浜市金沢区に「アンポ接骨院」を開院(現在の所在地とは異なる)。スパイラルテーピングを用いて、患者が悩んでいる痛みやそのほかの症状を緩和する施術を行っている。

編集部編集部

仰向けが一番体に良いそうですが、「仰向けだと寝づらい」という人もいると思います。

安保 純一先生安保先生

確かに、そういう人もいます。たとえば、「仰向けだといびきをかく」という人もいるでしょう。これは、重力で舌が落ち込み、気道の一部が塞がれてしまうから。この場合は無理に仰向けで寝る必要はありません。横向きに寝ることで、いびきをかきにくくなるでしょう。

編集部編集部

「腰痛がひどくて仰向けで眠れない」という人もいますね。

安保 純一先生安保先生

その場合は腰の下に枕やクッションを入れて高くし、膝を折り曲げて寝ると腰の痛みを緩和できます。あるいは、無理に仰向けで眠ろうとせず、横向きで眠るのもよいでしょう。横向きの姿勢になり、脚の間に枕やクッションを挟むと、腰の痛みが軽減されるので、ぜひ試してみてください。

編集部編集部

安定して仰向けで眠るためには、どのような環境を整えれば良いでしょうか?

安保 純一先生安保先生

マットレスや敷布団の硬さや反発力に気をつけましょう。反発力が強すぎると、自然な寝返りを妨げてしまいます。また柔らかすぎると、腰が沈み込んでS字カーブを保つことができなくなったり、頭や腰が落ち込んでしまったりします。

編集部編集部

枕はどのような高さが良いのでしょうか?

安保 純一先生安保先生

私が考えるベストな高さは、厚手のタオルを四つ折りにしたくらいの高さです。実際にタオルを四つ折りにしてその上に後頭部を乗せてみると、イメージがつきやすいでしょう。間違えてはいけないのは、タオルや枕を首に当てないということです。

編集部編集部

なぜ、首に当ててはいけないのですか?

安保 純一先生安保先生

枕を首に当てると全身の筋肉が硬くなり、緊張してしまうから。本来、寝るときには首に何も当てない方が良いのです。習慣的に、首に枕を当てていた人は、いきなり何も当てないと寝づらいと思うので、少しずつ高さを減らしていきましょう。枕やタオルを首に当てたときと、当てていないときで、自分の腕やふくらはぎ自身で圧迫して比較してみてください。はっきりと違いがわかるはずです。

編集部編集部

そのほか、睡眠の質について寝るときの注意点はありますか?

安保 純一先生安保先生

あとは、室温も気をつけましょう。冷え過ぎは禁物です。窓を開けて寝ている人は、できれば閉じて寝るようにしましょう。どうしても息苦しいという場合は、ベッドから遠く離れた窓を少し開けるようにしましょう。

編集部編集部

ほかに、睡眠の質をあげるためにできることはありますか?

安保 純一先生安保先生

お勧めしたいのは呼吸法です。真向(まっこう)法という呼吸法で内臓を整えると自然と睡眠が深くなります。具体的なやり方としては、まず、仰向けで横になります。そして両手をおへそのところに置き、鼻から吸って口から吐く呼吸を繰り返します。できれば7回、難しければ3回行いましょう。次に、両手をおへそと恥骨の間へずらして、同じ呼吸を繰り返します。次は恥骨の上へ両手を置いてまた呼吸。こうすることで筋肉が緩み、仰向けで質の良い睡眠を取ることができるでしょう。

編集部編集部

呼吸によって内臓が整い、睡眠が深くなるのですね。

安保 純一先生安保先生

大事なことは、ゆっくり呼吸をすること。これによって全身の筋肉が弛緩し、内臓も本来あるべき場所へ整います。できればこの呼吸法を習慣化し、毎日続けてみましょう。「仰向けでは寝られない」という人でも、次第に仰向けでも心地よく眠れるようになると思います。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

安保 純一先生安保先生

不眠は生活の質を左右する大きな問題。日本では多くの人が不眠症など、睡眠に関するトラブルに悩んでいます。自己流にあれこれ試してみるのではなく、治療院やクリニックなどの医療機関に通うと、スムーズに問題が改善されることもあります。ひとりで悩まず、専門機関に相談することをお勧めします。

※この記事はMedical DOCにて【寝るときの姿勢が体に与える影響は? 「仰向け・うつ伏せ・横向き」どれがいい?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修柔道整復師