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マッサージは意味がない!? 理想的な肩こりの改善方法とは?

 更新日:2023/03/27
マッサージは意味がない!? 理想的な肩こりの改善方法とは?

多くの日本人が抱えている「肩こり」。マッサージで良くなったと思ってもまたすぐ肩がこる。そんな経験がある方は多いのではないでしょうか。なぜ肩こりは治りにくいのか? うまくケアできないのか? 運動は肩こりに効くのか? 実は肩こりの多くは、生活習慣に原因があるのです。姿勢や生活習慣を変えることで症状の緩和につながるかもしれません。そんな肩こりについて筋肉骨格の専門家である柔道整復師の小森さんを取材しました。

小森 崚司

監修柔道整復師
小森 崚司(柔道整復師)

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柔道整復師/ボディメイクインストラクター/臨床経験10年以上。施術経験3万人以上。特養老人ホームで寝たきりの方のリハビリ経験から、最期まで歩ける身体を維持するには生活習慣を変える必要があるという考えに至り、社会貢献していくことを決意し起業。日常生活に活かせる身体の使い方や今すぐできる身体のケア方法を発信している。

肩こりの3つの分類と原因

肩こりの3つの分類と原因

編集部編集部

肩こりとはどのような状態を言うのですか?

小森 崚司さん小森さん

肩が重苦しく、こわばった状態である状態」です。実は医学的に明確な肩こりの定義はありません。特に背骨から肩甲骨についている筋肉(僧帽筋、肩甲挙筋などの筋肉)で肩こりを生じやすく、首から肩、肩甲骨あたりにかけての重だるさが大多数だと思います。

編集部編集部

肩こりの原因にはどのようなものがありますか?

小森 崚司さん小森さん

肩こりの原因は、大きく3つに分けることができます。1つ目は一般的な肩こりです。主な原因として姿勢が悪い(デスクワークなどで肩が前に出た姿勢でいる時間が長い)、筋力低下、不適切な運動、過労、寒冷、ストレス、加齢などが挙げられます。2つ目は頚椎ヘルニアや頚椎捻挫、頚椎症などの「首」の疾患、四十肩・五十肩のような「肩」の疾患に伴う肩こりです。これら疾患が原因で起こる肩こりは、原因の疾患を解決しない限り治りません。3つ目は心因性の肩こりです。特に心身症、うつ病やパニック障害でも肩こりを訴えるという報告があります。

編集部編集部

普段の生活で肩こりの予防はできるのでしょうか?

小森 崚司さん小森さん

原因が大きく3つに分けられるとお話しましたが、これらに共通することは、姿勢と筋力、体の動きが関係しているということです。近年では、スマホやパソコン作業が多く、非常に肩こりを起こしやすい時代になっていると思います。そんな時代だからこそ、今まで以上に自分の身体に向き合う必要があり、今まで以上に姿勢を気にかけ、運動をすることが重要です。しかし、肩こりの原因に首や背骨の疾患が隠されている場合もありますので、普段の生活に支障が出るほど辛い場合には柔道整復師のような専門家に一度相談してみてください。

肩こりが良くならない3つの真実

肩こりが良くならない3つの真実

編集部編集部

肩こりにマッサージは効果的なのでしょうか?

小森 崚司さん小森さん

肩こりのある部位だけをマッサージするだけでは肩こりを根本から改善することはできません。なぜなら、硬くなっている筋肉を押してその場では症状が緩和したように感じても、筋肉はまたすぐに硬くなってしまうからです。筋肉が硬くなるのは原因があり、その原因を取り除かない限り、肩こりは治りません。「次の日に戻ってしまう」という肩こりはまさにこの状態です。ですので、その人の生活習慣に目を向ける必要があるのです。

編集部編集部

肩こりの原因は生活習慣によって変わるのでしょうか?

小森 崚司さん小森さん

その通りです。肩こりになってしまう原因はその人の生活習慣によって異なります。スマホを見る時間が長くて頭の位置が前にでる、デスクワークが多く猫背の姿勢になってしまう、肩を大きく動かす機会が少なく肩甲骨の動きが硬い(肩周りの筋肉が硬い)、運動不足による全身の血流が悪いなど、人それぞれです。原因が異なれば、対処法も異なります。だからこそ専門家のチェックやアドバイスが必要になります。

編集部編集部

生活習慣を変えずに肩こりは治りますか?

小森 崚司さん小森さん

整体を受けたり、運動をしたりすることで一時的に症状が緩和することはあっても、肩こりになってしまうような生活習慣が変わっていない場合は、すぐに再発してしまいます。運動習慣がないなら帰宅する際に1駅分歩く、デスクワークが多いならスタンディングデスクを使ってみる、長時間座ったままが多い→1時間に1回はストレッチを行うなど、今からできる簡単なことから始めてみると良いと思います。

理想的な肩こり改善の3ステップとは?

理想的な肩こり改善の3ステップとは?

編集部編集部

柔道整復師の方はどのように肩こりの方を施術するのですか?

小森 崚司さん小森さん

筋肉を柔らかくする必要はありますが、硬くなっている筋肉を上から押すだけでは不十分です。その方の普段の生活で過度に負担がかかっている筋肉をマッサージ・ストレッチしていきます。肩こりを引き起こしやすい筋肉は主に、大胸筋、小胸筋、上腕二頭筋、烏口腕筋(うこうわんきん)、三角筋前部繊維、肩甲下筋、広背筋です。これら一つひとつの筋肉の硬さをチェックし、施術していきます。これは触診技術に長けている理学療法士や柔道整復師等の国家資格を持った専門家が得意としている技術です。

編集部編集部

筋肉をほぐした後は何をするのですか?

小森 崚司さん小森さん

肩周りの筋肉を動かして血流を良くしていきます。普段使う機会の少ない筋肉は、筋力が弱くなりやすいので、個別に動かして全体のバランスを取れるように筋力の弱い筋肉のトレーニングをしていくことが効果的です。

編集部編集部

肩周りの弱い筋肉と強い筋肉の差をなくしていくことが肩こり改善につながるのですね。

小森 崚司さん小森さん

施術としてはそのように行なっています。弱い筋肉と強い筋肉のバランスを整えた後、最後に肩こりの原因になりやすい「姿勢」「生活習慣」を整えていきます。例えば、猫背姿勢の特徴は①頭が前に出やすい。巻き肩。背骨が丸まってしまう。骨盤が寝てしまう。の4つです。この状態を、身体を伸ばしていくエクササイズで整えて、肩こりになりにくい姿勢が定着するように身体全体のバランスを診ながら施術をしていきます。併せて、施術時間だけでは足りない部分は、個別に「生活習慣」やトレーニング方法などの指導も行います。

編集部まとめ

肩こりは、肩周りの気になる箇所をただマッサージするのでは、改善しない場合が多いようです。肩こりを根本的に治すためには、生活習慣や日々の姿勢、使い過ぎている筋肉と使えていない筋肉を正確に評価してもらえる理学療法士や柔道整復師など専門家の意見を一度聞いてみても良いかもしれません。ご自身に合った治療法を見つけていきましょう。

この記事の監修柔道整復師