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「カリウムを多く含む食品」はご存知ですか?管理栄養士が解説!

 公開日:2025/11/12

カリウムが不足する原因とは?Medical DOC監修医がカリウムの一日の摂取量・効果などを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「「カリウムを摂りすぎると現れる症状」はご存知ですか?管理栄養士が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

衞藤 しおり

監修管理栄養士
衞藤 しおり(管理栄養士)

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料理教室で製菓・製パン・料理講師として大学在学中から、約10年ほど従事する。結婚と出産を機に、保育園栄養士、小学校栄養士を経験し、管理栄養士を取得する。家族や自身の体調不良をきっかけに、分子栄養学に興味を持つ。現在では、管理栄養士として特定保健指導や、子ども料理教室、子ども食堂に携わりながら、分子栄養学に関する学びや活動を続けている。

「カリウム」とは?

「カリウム」とは?

人体に必要なミネラルの一種で、成人の体内には約120gから200gが含まれています。遊離イオンやリン酸塩、たんぱく質との結合体としてそのほとんどが細胞内にありますが、ごく一部は血液やリンパ液などの体液(細胞外液)や骨にも含まれています。 細胞内液の浸透圧を調整して一定に保つ働きがあります。また神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たします。さらに体内の過剰なナトリウム(塩分)を尿として排出する働きがあるため、高血圧を予防する効果があるとされています。

カリウムの一日の摂取量

カリウムの一日の摂取量

必要なカリウムの量は、年齢や性別によって異なります。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
生活習慣病の予防を目的とした目標量
成人男性(18歳以上):3,000mg以上/日
成人女性(18歳以上):2,600mg以上/日
また2012年に公表されたWHOのガイドラインでは、生活習慣病予防のために男女とも3,500mg/日を推奨しています。

カリウムの効果

カリウムの効果

高血圧の予防

腎臓でのナトリウムの再吸収を抑え体内の余分なナトリウムの排泄を促すため、血圧を下げる効果があります。ナトリウム(食塩)の摂りすぎによって起こる高血圧や、高血圧によって起こる動脈硬化や心臓病、脳血管疾患などの予防・改善効果にもつながります。

むくみの予防・軽減

むくみは、体内の水分代謝が滞り、循環が悪くなることで引き起こされることがあります。水分の排出にはカリウムとナトリウムが密接に関係しており、特に塩分(ナトリウム)の過剰摂取は、体液濃度を一定に保つために体内に水分を溜め込み、むくみの原因となります。カリウムには、余分なナトリウムや水分を尿として排出する働きがあるため、むくみの予防や軽減に効果的です。この働きは腎臓を通じて行われるため、カリウムを適切に摂ることで体内の水分バランスを整えることが期待できます。

筋肉を正常に保つ

カリウムは筋肉の収縮にも関わっています。カリウムやナトリウムが細胞に出入りすることで電気信号が発生し、神経を伝って信号を伝達することで筋肉を収縮・弛緩させたりしています。このため、ナトリウムとカリウムをバランス良く摂ることは筋肉が正常に収縮することにつながります。

カリウムを多く含む食品

カリウムを多く含む食品

ほうれん草

カリウムは水溶性のため、蒸したり電子レンジで加熱することで、カリウムの流出を抑えることが出来ます。またスープにすることで、カリウムを余さず摂取することが出来ます。

干し柿

ドライフルーツは水分が抜けて栄養素が凝縮されているため、少量で多くのカリウムを摂取できます。干し柿はその中でも加工時に砂糖を加えず、自然な果糖を含むドライフルーツです。ただし、糖質が多く含まれるため、食べすぎには注意が必要です。

アボカド

アボカドは、森のバターとも呼ばれる栄養価の高い食品です。生でサラダでも、グラタンで焼いたりしてもいいですね。一価不飽和脂肪酸も豊富な為、悪玉コレステロールを減少させ、心血管の健康維持に役立ちます。

カリウム不足を解消する方法

カリウム不足を解消する方法

カリウムを多く含む食品の摂取

ほうれん草・春菊・トマトジュース・アボカド・バナナ・キウイ・干し柿・リンゴ・里芋・じゃが芋・納豆・ひじき・エリンギ・さわら・カツオ

カリウムと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

マグネシウムが豊富な食材:ナッツ類、穀類、豆類、海藻類、ほうれん草など
カルシウムが豊富な食材:乳製品、干しエビやしらす、豆類、葉物野菜など
アボカド、ナッツ、ほうれん草、チーズを使ったサラダ
ほうれん草、バナナなどの果実、牛乳やヨーグルトを使ったスムージー
干しエビ、じゃがいも、青のりのかき揚げ
しらす、海苔、ほうれん草の和え物など マグネシウムは、カリウムの細胞内への取り込みを助けます。カルシウムはカリウムと相互に作用し、血圧を安定させる効果があります。カリウムはカルシウムの排泄を抑制するので、骨の健康維持にも効果的です。ただし、マグネシウムやカルシウムを過剰に摂取すると、カリウムの働きを阻害し、バランスが乱れる可能性があります。特にサプリメントで摂取する場合は、適量を守りましょう。

カリウムの効果を高める摂取タイミング

体内のバランスを保つため、一日の食事を通じて均等に摂取することが理想的です。運動後には汗でカリウムが失われるため、水分とともに補給すると効果的です。健康な方は特に問題ありませんが、腎機能に問題がある場合は、就寝前の摂取を避けてください。高カリウム血症のリスクがあるため注意が必要です。

「カリウムを摂りすぎると現れる症状」についてよくある質問

「カリウムを摂りすぎると現れる症状」についてよくある質問

ここまでカリウムを摂りすぎると現れる症状について紹介しました。ここでは「カリウムを摂りすぎると現れる症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

カリウムを下げる食べ物について教えてください。

越川 愛子越川 愛子

カリウムの値を下げる食べ物はありません。ですが、カリウムの含有量が少ない食品としては、うどんやそばなどの麺類、米や春雨などがあります。

カリウムが高い人はどんな食べ物を摂取すればいいのでしょうか?

越川 愛子越川 愛子

カリウムは海藻類、果物、芋類、豆類、肉類、魚介類、野菜類など幅広い食べ物に豊富に含まれています。生鮮食品に多く、加工や精製が進むと含有量は減少します。さらにカリウムは水に溶けやすい性質があるため、調理法によってカリウムの含有量が変わります。例えば野菜をサラダなど生で食べるのではなく、茹でたり、水にさらしたりすることでカリウムの量を減らすことができます。その際茹で汁にはカリウムが溶け出しているので、茹で汁は捨てて調理することがポイントになります。果物では生の果物より、缶詰の方がカリウムの量が少ないです。ただしシロップにカリウムが溶け出しているので、シロップは飲まないようにしましょう。また100%果汁ジュースやドライフルーツにはカリウムが多く含まれますので注意が必要です。

まとめ

カリウムは健康や生命維持に欠かせないミネラルのひとつです。身近な食べ物に豊富に含まれているため、基本的に普段の食事で不足や摂りすぎることはないと言われています。摂りすぎても、余分なカリウムは腎臓で処理された後に尿中に排泄されるため、こまめに摂ることがおすすめです。ただし、サプリメントを利用している方や、腎機能が低下している方は血中のカリウム濃度が高くなる場合があります。特に腎機能が低下している方は重篤な症状が現れる可能性があるため、摂取量については医師の指示に従うようにしましょう。

「カリウム」と関連する病気

「カリウム」と関連する病気は5個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

内分泌系の病気

腎・泌尿器系の病気

  • 腎疾患

「カリウム」と関連する症状

「カリウム」と関連している、似ている症状は12個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

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この記事の監修管理栄養士

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