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「プリン体の多い食品」はご存知ですか?【管理栄養士監修】

 公開日:2025/02/14

Medical DOC監修医がプリン体の多い食べ物などを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「プリン体の多い食べ物」はご存知ですか?過剰摂取すると現れる病気・症状も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

武井 香七

監修管理栄養士
武井 香七(管理栄養士)

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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

保有免許・資格
管理栄養士資格

「プリン体」とは?

「プリン体」とは?

プリン体とは、プリン環という化学構造を持つ物質の総称です。細胞中の核酸の主成分で、ほとんどの食品に含まれています。特に、レバーや魚卵など細胞数の多い食品・細胞分裂の盛んな組織を含む食品には含有量が多い物質です。プリン体は肝臓で代謝され、尿酸となって尿や便から排泄されます。尿酸が過剰に産生されたり、尿酸を排泄する機能が低下したりして、血液中の尿酸が異常に増えると高尿酸血症を起こします。

プリン体の多い食品

プリン体の多い食品

レバー

食品100gあたりのプリン体含有量が200mg以上の食品は、高プリン食と位置づけられています。なかでも、鶏レバーの100gあたりのプリン体含有量は312mgです。豚レバーは284mg、牛レバーは219mgとなっています。

白子

イサキ白子のプリン体含有量は、100gあたり305mgです。白子とは魚類の精巣で、古くからタラやサケなどの白子を味噌汁や鍋に入れて食する習慣がありました。小鉢料理一皿分・味噌汁一杯分に使われる白子は、約50gです。

魚の干物

水分量が減っている乾物や魚の干物は、100gあたりで計算するとプリン体含有量が多くなります。マイワシ干物のプリン体含有量は100gあたり305mg、マアジ干物は100gあたり245mgです。1尾85g〜70gのマイワシの丸干しには、プリン体が260mg〜213mg程度含まれていると考えられます。

あんこう肝酒蒸し

あんこうは、身だけでなく胃袋・卵巣・肝など、ほとんどの部位を食べることができる魚です。産卵期に肥大するあんこうの肝の味を楽しみにしている方もいらっしゃるでしょう。あんこう肝酒蒸しには、100gあたり399mgのプリン体が含まれます。生の肝のプリン体含有量は100gあたり104mg、白身のプリン体含有量は100gあたり70mgです。

カツオ

カツオには100gあたり211mgのプリン体が含まれます。カツオのたたきは、高知県を中心に全国的に親しまれているメニューです。生節を使った小鉢料理やたたき一人前に使われるカツオは、70〜80g程度が一般的です。100gあたりのプリン体含有量が150mg以下の魚類のなかでも、プリン体が多い食品として意識しておきましょう。

「プリン体の多い食べ物」についてよくある質問

「プリン体の多い食べ物」についてよくある質問

ここまでプリン体の多い食べ物などを紹介しました。ここでは「プリン体の多い食べ物」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

プリン体が一番多い食品を教えてください。

武井 香七武井 香七 医師

日本痛風・核酸代謝学会が作成した高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインでは、食品をプリン体含有量に応じて分類しています。高プリン食のなかでもプリン体含有量が豊富な食品は、以下のとおりです。
鶏レバー(100gあたり312mg)
豚レバー(284mg)
イサキの白子(305mg)
あんこう肝(399mg)
マイワシ干物(305mg)
プリン体の大部分は、細胞に含まれる核酸に由来するものです。精巣である白子、内臓であるレバーにはプリン体が多く含まれます。

プリン体が多い野菜について教えてください。

武井 香七武井 香七 医師

野菜類で100gあたりのプリン体含有量が50mg以上のものを、プリンリッチ野菜と呼びます。プリンリッチ野菜の多くは、細胞分裂が盛んな花芽を食する野菜や成長段階にある野菜です。プリン体が多い野菜は、以下のとおりです。
ブロッコリースプラウト
ほうれん草の芽
パセリ
アスパラガスの穂先
カリフラワー
ブロッコリー
しかし、プリンリッチ野菜のプリン体含有量は、肉類や魚類の半分以下にすぎません。したがって、プリンリッチ野菜の摂取は高尿酸血症のリスクとは関連がないと報告されています。

編集部まとめ

編集部まとめ

ほとんどの食品に含まれているプリン体を過剰に摂取しないためには、プリン体の多い食べ物を意識しつつ、野菜・果物・豆類などをバランスのよく摂取する食習慣が大切です。
食べすぎやアルコール類の飲みすぎは、高尿酸血症をはじめとした生活習慣病につながり、脳血管障害や心疾患を発症するリスクが高くなります。
尿酸が高い状態を放置すると、痛風関節炎や尿路結石、腎臓障害などを起こすおそれもあります。健康診断で血液中の尿酸値が高いと指摘された場合は、自覚症状がなくても内科への受診を検討しましょう。

「プリン体」と関連する病気

「プリン体」と関連する病気は10個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

内科の病気

循環器科の病気

脳神経科の病気

腎臓内科の病気

  • 腎臓障害

泌尿器科の病気

プリン体の代謝産物は尿酸です。血液中の尿酸が高い高尿酸血症は、生活習慣病に関与し、心血管障害や脳血管障害のリスクを高めるとされています。

「プリン体」と関連する症状

「プリン体」と関連している、似ている症状は7個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 肥満
  • 関節が痛い
  • 片側の背中が痛い
  • 片側の腰が痛い
  • 尿の回数が多い
  • 排尿後も尿が出きっていないように感じる
  • 排尿時に尿道や膀胱周辺が痛い

高尿酸血症の患者さんには、肥満を合併している方が少なくありません。また、尿路結石が生じると背中や腰の痛みを感じたり、排尿に関する症状がみられたりします。

この記事の監修管理栄養士

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