「カリウムが高くなると現れる症状」はご存知ですか?【管理栄養士監修】

Medical DOC監修医がカリウムが高くなると現れる症状などを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「カリウムを下げる食べ物」はご存知ですか?カリウム値が高くなると現れる症状も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
目次 -INDEX-
「カリウム」とは?
カリウムとは、体内の水分調節に重要な役割を担うミネラルの一種です。
体内に摂り込まれたカリウムのほとんどが細胞内に存在し、ナトリウムとの相互作用によって浸透圧を調節しています。
また、ナトリウムの再吸収を抑制し、尿として体外に排泄することで血圧をコントロールしています。
カリウム値は高くても低くても身体に悪い影響を与えますが、特に注意が必要なのが高カリウム血症です。
進行すると脱力感や呼吸困難感、不整脈などを引き起こし、重症例では命に関わるため早急に治療が必要です。
カリウムが高くなると現れる症状
カリウム値は正常範囲が狭く、過不足があると全身にさまざまな症状があらわれます。ここでは、カリウムが高い場合に起こりうる症状を解説します。
悪心・嘔吐
カリウム値が高くなると吐き気や嘔吐、腹痛などの消化器症状がみられることがあります。逆流性食道炎や胃腸炎などと見分けることは難しいため、気になる症状があれば早めにかかりつけの病院を受診しましょう。血液検査によってカリウム値の異常が見つかった場合、早急に治療が必要です。
だるい・疲れやすい
高カリウム血症では、筋肉の興奮に必要なナトリウムイオンの移動が遅く、もしくは不十分になることで筋緊張が低下します。具体的には、身体のだるさや疲れやすさです。また、手足の痺れや知覚異常がみられることもあります。内服治療中の方は、病院受診の際にお薬手帳を持参しましょう。症状の原因究明につながるはずです。
不整脈
不整脈とは、心拍数やリズムに異常が見られる状態です。心拍数が増えるタイプ・減るタイプ・リズムが乱れるタイプの大きく3種類に分けられます。主な自覚症状は動悸や息切れ、めまいなどです。高カリウム血症が重症化すると死に至ることもあるため、検査で異常がみとめられた場合は早急に治療が必要です。
「カリウムを下げる食べ物」についてよくある質問
ここまでカリウムを下げる食べ物を紹介しました。ここでは「カリウムを下げる食べ物」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
カリウムが高くなると、どのような病気を発症しやすいですか?
武井 香七 医師
カリウムが高くなると心筋の興奮にも影響を及ぼし、不整脈を発症します。さらに高カリウム血症が進行すると、心臓から全身に血液を送り出す心室の興奮が抑制され、致死性不整脈とも呼ばれる心室細動を引き起こします。数分で意識を消失し、数十分で死に至る可能性がある危険な状態です。カリウム値の異常を指摘された方は、医師の指示のもと正しく治療を進めましょう。
カリウムの量が少ない飲料水を教えて下さい。
武井 香七 医師
水や白湯にはカリウムが含まれていないため、カリウムの含有量を気にせずに飲めます。コップ一杯200mlの麦茶に含まれるカリウムの量は、12mgです。日本茶の一種である玉露200mlにはカリウムが5,600mg、抹茶には5,400mgも含まれています。日常的な摂取は避け、日々の水分補給には麦茶を選ぶとよいでしょう。また、コーヒー150mlには100mgのカリウムが含まれていますが、紅茶150mlのカリウム含有量は12mgです。嗜好飲料にはコーヒーよりも紅茶がおすすめです。
編集部まとめ
カリウムは筋肉の興奮や体内の水分調節、血圧コントロールに重要なミネラルの一種です。
腎機能の低下や薬剤の影響などによって高カリウム血症になると、消化器症状や神経症状、知覚異常などの症状を引き起こします。
さらに悪化すると、心室細動という命に関わる不整脈を引き起こす危険があるため、健診で異常値を指摘された場合は早急に病院を受診しましょう。
血中のカリウム濃度を下げるには、日々の食事を見直しカリウム摂取量を減らすことが重要です。
カリウムの多い食品を全て排除するのではなく、頻度や量を減らすなど、ご自身に合った継続可能な方法でカリウム摂取量を減らしていきましょう。
「カリウムを下げる食べ物」と関連する病気
「カリウムを下げる食べ物」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
高カリウム血症の治療中は、カリウム値が下がりすぎることで起こる低カリウム血症にも注意が必要です。内服治療を受けている場合は用法・用量を守って内服し、定期的に診察や血液検査を受けましょう。
「カリウムを下げる食べ物」と関連する症状
「カリウムを下げる食べ物」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
高カリウム血症や低カリウム血症では、骨格筋の興奮に影響を及ぼすため、手足の痺れや動かしにくさを感じることがあります。また、不整脈によって動悸や息切れ、めまいなどの症状がみられることもあるため、心当たりがあれば早めに病院を受診しましょう。