白内障手術の「多焦点眼内レンズ」のメリットとデメリットとは?費用とリスク【医師解説】

多焦点眼内レンズは、白内障手術の際に挿入されるレンズの一種で、遠近両方の視力を補正することが可能です。そこで今回は多焦点眼内レンズのメリット、デメリットについて医師の中原将光先生(中原眼科)に話を聞きました。

監修医師:
中原 将光(中原眼科)
編集部
多焦点眼内レンズのメリットは何ですか?
中原先生
最大のメリットは、遠近両方の視力を補正できて、眼鏡への依存を減らせることです。これにより、日常生活の質の大幅な改善が期待できます。このことを叶えるためには通常の白内障手術に比べて、医師の技量がより必要になりますが、上手におこわれた手術であれば基本的に一生ものになりますのでメリットは大きいといえます。
編集部
では、デメリットや注意点はありますか?
中原先生
デメリットとして、「ハロー・グレア」という光のにじみを感じることがあります。これは単焦点眼内レンズでも発生しますが、多焦点眼内レンズでは症状が強く出るものもあります。また、前述のとおり保険適用が限定的であり、費用が単焦点眼内レンズに比べて高額となる場合がほとんどです。最近ではハロー・グレアがほとんど出ないものも開発されていますが、やはり高額です。そうなると最終的なデメリットは費用ということになると思います。また高性能なレンズは扱っている眼科施設が限られていることと、手術技術が高くなければレンズの機能が発揮されないので、病院をしっかり選ばなければいけないということも逆にデメリットになります。
編集部
手術に伴うリスクはありますか?
中原先生
前提として、すべての手術にはリスクが伴います。白内障手術においても、単焦点眼内レンズ・多焦点眼内レンズにかかわらず、感染症や炎症、視力の低下などのリスクがありますが、これらは非常に稀と報告されています。ただし、こういったリスクは医師の技量と手術機器の性能で最小限にすることができます。
編集部
手術の内容について教えてください。
中原先生
手術は通常、局所麻酔下でおこないます。水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入します。手術時間は多くの場合、約15分で、日帰りでおこなわれています。これらの流れは、どのレンズであっても大きな変わりはありませんが、医院によってはフェムトセカンドレーザーを使用したレーザー白内障手術をおこなえる施設があり、こういった医院ではそちらを選択したほうが安全性と正確性が上がることもわかっています。
※この記事はメディカルドックにて<「白内障手術」の多焦点眼内レンズを入れるデメリットをご存じですか? メリットだけで選ばない!【医師解説】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




