パイプカット(精管結紮)とは? ほぼ100%避妊できる手術の仕組み【医師解説】

男性が受ける避妊手術「パイプカット」。女性の体に負担をかけずに高い確率で避妊できる方法ですが、日本ではあまり知名度がなく、手術の内容を知らない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、パイプカットについて、「木戸クリニック」の木戸先生に解説していただきました。

監修医師:
木戸 雅人(木戸クリニック)
編集部
パイプカットとはなんですか?
木戸先生
医学的には「精管結紮(けっさつ)」と言い、精子が通る管を切断することで精子が出てこないようにする手術のことを指します。女性に負担を一切かけず、ほぼ100%の確率で避妊ができる方法として、アメリカをはじめとする欧米では広くおこなわれています。
編集部
どういう理由でパイプカットをするのでしょうか?
木戸先生
パイプカットは、ほぼ確実に避妊ができる優れた方法です。そのため、夫婦やパートナーの間で、「これ以上の子どもを望まない」や、「子どもは作らない」と意思が一致し、経済的、あるいは年齢的な理由などからパイプカットをおこなうことが多いですね。
編集部
「もう子どもを望まない」と決めた夫婦などがおこなうことが多いのですね。
木戸先生
そのほかにも、「女性パートナーに避妊という身体的、精神的な負担をかけたくない」と思う男性が、エチケットとしておこなうこともあります。日本では馴染みが薄い治療法ですが、アメリカなどの欧米ではそのような考えからパイプカットをおこなう男性が珍しくありません。
編集部
パイプカットの避妊効果は100%なのでしょうか?
木戸先生
基本的に、手術が成功すれば100%と言われています。
編集部
パイプカットのデメリットはありますか?
木戸先生
「一度手術をしたら、元に戻すことは難しい」という点です。結紮した精管を吻合することは、非常に難易度が高い手術です。また、パイプカット手術をしても、避妊効果はあっても性感染症の予防効果はないので、感染症予防のためにはコンドームなどの避妊具を使うことが推奨されます。
※この記事はメディカルドックにて<「パイプカット」したら二度と元に戻せない? デメリット・手術の流れを医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。


