赤いニキビ跡は保険で治せる? 塗り薬・漢方薬が効かない時の治療法とは【医師解説】

ニキビの治療は最初が肝心。治療開始が遅れたり、誤った治療を続けたりすると、ニキビ跡がクレーターや赤みとして残ってしまうこともあるからです。しかし、クレーターや赤みが残ってしまったとしても諦める必要はありません。今回は、重症化したニキビ跡の治療法について、「さおり皮ふ科クリニック」の山本先生に解説していただきました。

監修医師:
山本 佐織(さおり皮ふ科クリニック)
編集部
赤みが残ったニキビ跡は、どのようにして治療するのですか?
山本先生
クレーター治療と違ってニキビ跡の赤みには、保険治療で有効な塗り薬や漢方薬を使うことができます。ただし、これらの治療を3カ月ほど継続しても効果が実感できない場合には、先述したダーマペンやポテンツァ、IPLをおこなうことがあります。
編集部
IPLとはなんですか?
山本先生
肌にIPL(インテンス・パルス・ライト)と呼ばれる光を照射して、シミやしわ、赤みなどを改善して肌全体を若返らせる治療のことです。光治療やフォト治療とも呼ばれ、ニキビ跡の赤みのほか広範囲にわたるシミ、そばかす、顔全体のくすみなどにも有効です。
編集部
赤みを完全に綺麗にすることはできるのですか?
山本先生
保険治療と並行してポテンツァなどの治療をおこなうことで、だいぶ綺麗になると思います。ポテンツァは1回でも効果を感じることができますが、3回連続しておこなうことで満足度の高い結果が得られると思います。医師の指示に従って、継続するようにしましょう。
編集部
クレーターや赤みを残さないようにするためには、どのようなことに気をつければいいでしょうか?
山本先生
ニキビの後にクレーターや赤みができるのは、炎症がひどくなった証拠です。つまり、炎症がひどくなる前に適切な治療をおこなえばクレーターや赤みを残さずに済むのです。ニキビを予防するためには普段から適切なスキンケアをおこなったり、健康的な生活習慣を意識したりすることが大事です。万が一、ニキビができてしまった場合には自己流のセルフケアをおこなわず、できるだけ早めに専門医の診察を受けることが跡を残さず治療するための近道です。炎症があるニキビ治療には保険が適用になるので、困ったことがあれば早めに皮膚科医に相談しましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
山本先生
クレーターや赤みは、一度起きてしまうと治療が本当に大変です。満足のいく治療結果を得るまでには、お金も時間もかかります。特に思春期の場合には重症化しやすく、病院へ行こうか迷っているうちに、顔全体にクレーターや赤みが広がってしまい、治療が困難になったというケースは少なくありません。ニキビは、軽症のうちに対処すれば治療も比較的簡単です。もしニキビに悩んでいる場合には、早めに医師に相談してほしいと思います。
※この記事はメディカルドックにて<クレーター肌や赤みが残るニキビ跡ができる原因はご存じですか? 改善するための治療法も皮膚科医が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




