子どもの「メンタル不調」がどのような形で表れるかご存じですか?【医師解説】
実は、世界保健機関(WHO)の報告によれば、10~20%の子どもたちが何らかのメンタルヘルスの問題を抱えていると言われています。しかし、子どもは大人のように言葉で気持ちを表現することが難しいため、不調が見過ごされることも少なくありません。本記事では、医師の岡琢哉先生に、子どものメンタル不調がどのような形で表れるのか、そして具体的な症状や行動について詳しく解説してもらいました。
監修医師:
岡 琢哉(株式会社カケミチプロジェクト)
編集部
子どもでもメンタルヘルスの不調を来すことがあるのでしょうか?
岡先生
もちろんあります。大人とは表出の仕方が若干異なるため、気づかれないことも多いのですが、過去のWHO(世界保健機関)の報告では、10~20%の子ども達がメンタルヘルスの問題を抱えているとされています。
編集部
子どもはどんな形でメンタルヘルスの不調を表出するのでしょうか?
岡先生
年齢やその子の発達の状況によって、表出の仕方は異なります。大人のようにこころの不調が「言葉」で表出することはほとんどなく、心理的・身体的な症状あるいは行動として現れます。
編集部
具体的にはどんな症状や行動で現れるのでしょうか?
岡先生
心理的な症状としては、主に不安や抑うつといったものが挙げられます。強い不安は緊張感を高めるため、疲れやすくなったり、ソワソワと落ち着かない気持ちに駆られて動き回ったりしてしまいます。また、子どもの抑うつでは「自分を責めてしまう気持ち」が強くなることで、イライラしたり、感情的になりやすくなったりもします。身体的な症状としては、お腹の痛みや吐き気といった消化器症状、頭痛やめまい、胸がドキドキする、よく汗をかくといった自律神経症状などが現れます。そのほかのよく見られる行動として、両親に対する急な「赤ちゃんがえり」を起こしたり、強く甘える一方で反抗的な態度や暴言を発したりすることがあります。
※この記事はMedical DOCにて《【親必見】子どもの「不安症」の症状を精神科医が解説 じつはあなたも昔患っていたのかも?》と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。