大腸がん・胃がんを早期に見つける「内視鏡検査」の種類はご存じですか?【医師解説】
大腸がんや胃がんを早期発見するためには、内視鏡検査が有効です。内視鏡は細長い管の先端にカメラを内蔵し、食道や胃、大腸などを観察します。胃カメラや大腸カメラのほか、膵臓や胆道、小腸を調べる検査や、飲み込むだけで撮影できる「カプセル内視鏡」などもあります。今回は「末木内科医院」の末木先生に、内視鏡検査の種類とそれぞれの役割について解説していただきました。定期的な検査で病気の早期発見を目指しましょう。
監修医師:
末木 良太(末木内科医院)
編集部
内視鏡検査とはどのような検査のことを言うのですか?
末木先生
内視鏡とは細長い管の先端に小型カメラを内蔵した医療機器のことで、鼻や口、肛門から挿入して病気を発見する検査のことを指します。さらに、一部組織を採取して診断する、内視鏡の先端からいろいろな処置具をだしてポリープや早期がんなどを組織診断することもあります。
編集部
内視鏡検査は胃カメラや大腸カメラと同じものですか?
末木先生
胃カメラや大腸カメラと内視鏡検査は、厳密にいうと違います。胃カメラは1950年に日本で開発されたもので、管の先端にスチルカメラと照明用ランプがついています。通常のカメラと同じように写真を撮り、あとで画像を確認するという仕組みでした。
編集部
内視鏡はどのような違いがありますか?
末木先生
内視鏡は光を伝送する光ファイバーを用いた機器です。胃カメラと違いリアルタイムで観察や記録ができるもので、1960~1970年代周辺から普及してきました。このように厳密にいえば両者は違いますが、現在ではわかりやすくいうために上部内視鏡検査は「胃カメラ」、下部内視鏡検査は「大腸カメラ」という言葉が用いられるようになっています。
編集部
胃や大腸のほかにも、内視鏡検査には種類があるのですか?
末木先生
内視鏡検査にはいろいろな種類があります。一般に「胃カメラ」という言葉が意味するのは主に食道、胃、十二指腸を観察する「上部消化管内視鏡検査」で、「大腸カメラ」が意味するのは大腸を観察する「下部消化管内視鏡検査」です。そのほかにも膵臓や胆道を調べる「膵臓・胆道内視鏡検査」、小腸を調べる「小腸内視鏡検査」、それから消化管のなかから超音波検査を行う「超音波内視鏡検査」などがあります。また小さなカプセルにカメラがついており、それを飲み込んで撮影する「カプセル内視鏡」などもあります。
※この記事はMedical DOCにて<【医師解説】大腸がんの早期発見にもつながる「内視鏡検査」とは? 自覚症状がなくても受けるべき?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。