目の周りのできものが「がん」の可能性はある? 悪性腫瘍の症状を医師が解説
目の周りのできものが、がんである場合もあるのでしょうか? 特に「基底細胞がん」などは、見た目がほくろに似ていることもあり、見た目だけでは判断が難しいこともあるそうです。今回は中村眼科の中村先生に、目にできる悪性腫瘍の症状についてお話いただきました。
監修医師:
中村 裕(中村眼科)
編集部
目のまわりのできものが「がん」である場合もあるのですか?
中村先生
がんの場合もあります。まぶたが黒く盛り上がったようなできものは、ほくろの場合もありますが「基底細胞がん」というがんである場合も稀にあります。「基底細胞がん」の場合、転移することは殆どありませんが、浸潤性に大きくなるので手術による切除が必要です。
編集部
がんではない場合どういうことが考えられますか?
中村先生
例えば、いわゆる「ものもらい」の一種である「麦粒腫」は、まぶたにある脂腺に油成分が貯留したところに細菌などが入り、感染をおこして腫れたものです。まぶたが腫れて痛みや痒みが出ますが、これは感染症であって、がんではありません。
編集部
「がん」かそうでないか、見た目ではわからないのですね?
中村先生
そうですね。熟練した眼科医でも、判断に迷うくらい似ていることもあります。ただし、傾向としては、イボやほくろは大きさがあまり変化しないのに対し、悪性腫瘍は数週間〜数ヶ月の間に急激に大きくなるという特徴があります。また、良性の場合は表面が平滑ですが、悪性の場合は表面がごつごつしていて、細い血管が不規則に入っています。いずれにせよ、見た目はただのほくろやイボでも、類似した外見でがんである可能性もありますので、目の周りにできものができた場合は、眼科専門医の受診をお薦めします。
※この記事はメディカルドックにて【眼腫瘍・目の周りの「がん」を眼科医が解説 悪性が疑われるできものの症状や治療法とは?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。