骨粗しょう症になってしまったときの治療法や薬の副作用を医師が解説
骨粗しょう症になったとき、どのような治療が受けられるのか、運動療法ではなにをするのか、そのほかに、使用する薬の副作用などについて、矢吹整形外科の矢吹先生にくわしく教えてもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【「骨粗鬆症」の予防法や「なりやすい人の特徴」を医師が解説 骨が脆い人におすすめの食べ物とは?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
矢吹 尚彦(矢吹整形外科)
編集部
では、骨粗しょう症の治療について教えてください。
矢吹先生
骨粗しょう症の治療は薬物治療がメインで、治療目的は骨折の予防と、変形による疼痛の予防です。まずは内服薬が選択されますが、経過や状態により注射薬も考慮されます。注射薬はとても効果的ですが、内服薬で効果が薄い場合やすでに著しく骨密度が低下している場合や、過去に骨折したことがあるといった場合などに検討されます。
編集部
運動療法なども行うのですか?
矢吹先生
そうですね。例えば当院のように、リハビリテーション室を併設しているクリニックでは、患者さんの希望に合わせ、医師による診察と並行しながら運動療法や自主トレーニングメニューの提案なども行っています。
編集部
薬の副作用についても教えてください。
矢吹先生
基本的には、骨粗しょう症の薬に副作用はほとんどありません。ごくまれに胃腸障害の報告があるほか、「ビスホスホネート系薬剤」に代表される骨吸収薬の使用に際しては顎骨の炎症・壊死も懸念されていますが、発現率はかなり低く、0.01~0.04%と報告されています。
編集部
最後に、Medical DOC読者へのメッセージをお願いします。
矢吹先生
「骨粗しょう症」は、予防が可能です。「歳だから骨も弱くなってくるのは仕方ない」と諦めず、まずは食習慣や運動習慣の見直しと、ご自身の骨密度を知ることから始めましょう。お近くのクリニックやかかりつけ医で骨密度の測定を行っているか、インターネットなどで確認してみてください。きっと、親身になって相談に乗ってくれるドクターがみつかるはずです。