「オキシトシンの効果」はご存知ですか?男女別の効果を医師が徹底解説!

オキシトシンの効果とは?メディカルドック監修医がオキシトシンの男女別の効果などを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「白血病の原因」はご存知ですか?白血病の種類やなりやすい人の特徴も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
木村 香菜(医師)
目次 -INDEX-
「オキシトシン」とは?

オキシトシンは脳内で作られるホルモンの一つで、身体の働きだけでなく、感情や行動の調節にも関与しています。脳の視床下部で合成された後、下垂体後葉から分泌され、全身に作用します。分娩時の子宮収縮や授乳時の乳汁分泌を促す作用で知られていますが、近年では安心感や信頼感、社会的行動との関連も研究されています。そのため、対人関係や情動調節に関与するホルモンとしても位置づけられています。
オキシトシンはどこから分泌されるの?

オキシトシンは視床下部で生成され、下垂体後葉に貯蔵された後、必要に応じて血液中に放出されます。血中に分泌されたオキシトシンは子宮や乳腺などの末梢臓器に作用し、一方で脳内では神経伝達物質のように働き、感情や行動の調節に関与すると考えられています。
【男性】オキシトシンが分泌されるとどんな効果がある?

オキシトシンは男性の生殖機能や精神状態、対人関係にも影響を及ぼします。
射精に関与する
オキシトシンは性的興奮時に分泌が高まり、精管や前立腺の収縮を介して射精反射に関与するとされています。
精巣におけるテストステロンの産生に影響を与える
オキシトシンは精巣機能と関連し、テストステロン産生に間接的な影響を及ぼす可能性が示唆されています。これにより、性機能や気分の調整に関与すると考えられています。
他者との関係に影響を与える
研究では、オキシトシンが対人関係における感情反応に影響を与えることが示されています。独身男性では拒否的な評価に対する否定的反応が抑えられる一方、交際中の男性では状況により異なる反応がみられたという報告があります(Zhaoら、2018)。
パートナーとの絆を深める
パートナーとの親密な交流やスキンシップによりオキシトシンが分泌され、信頼感や愛着形成が促されると考えられています。
ストレスや不安を軽減する
オキシトシンはストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、心理的緊張や不安の軽減に関与します。
【女性】オキシトシンが分泌されるとどんな効果がある?

女性ではライフステージごとにオキシトシンの役割が大きく変化します。
陣痛を促進する
分娩時にオキシトシンが分泌されることで子宮が収縮し、出産が進行します。状況に応じて、合成オキシトシンを使用した医療的対応が検討されることがあります。
乳汁の分泌
授乳時の乳頭刺激によりオキシトシンが分泌され、乳腺が収縮して母乳が分泌されます。
母子間の絆を深める
産後の子宮収縮による出血予防に加え、オキシトシンは母子の愛着形成にも重要な役割を果たします。
友好的な社会関係を築くことができる
オキシトシンは共感性や信頼感を高め、周囲との社会的関係の形成を後押しすると考えられています。
不安やストレスに強くなる
ストレス時に分泌されるコルチゾールの働きに作用し、オキシトシンは心理的な緊張状態の緩和に関与するとされています。
「オキシトシンの効果」についてよくある質問

ここまでオキシトシンの効果について紹介しました。ここでは「オキシトシンの効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
性行為後にオキシトシンは分泌されるのでしょうか?
木村 香菜(医師)
オキシトシンは、性行為や親密なスキンシップを通じて分泌が促されるホルモンです。
女性が赤ちゃんに母乳を与えるとオキシトシンは分泌されるのでしょうか?
木村 香菜(医師)
はい。授乳時の刺激によりオキシトシンが分泌され、乳汁分泌と母子の愛着形成を促します。
まとめ
オキシトシンは、出産や授乳に関与するだけでなく、精神的安定や人間関係にも影響を及ぼすホルモンです。
男女や状況によって作用は異なりますが、日常生活の中で分泌を促す行動を取り入れることは可能です。心身の健康を考えるうえで、オキシトシンの働きを理解することは重要といえるでしょう。
「オキシトシン」と関連する病気
「オキシトシン」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
精神・神経系
- うつ病
- 不安障害
婦人科の病気
- 産後うつ
- 乳汁分泌不全
その他
これらの病気はオキシトシンのみが原因となるものではありませんが、情動調節やストレス反応との関連が研究されています。
「オキシトシン」と関連する症状
「オキシトシン」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 不安感が強い
- 気分の落ち込みが続く
- 孤独感を感じやすい
- ストレスに弱いと感じる
- 睡眠の質が低下する
- 人付き合いに疲れやすい
これらの症状はさまざまな要因が関与しており、オキシトシンはその一要素として関係している可能性があります。
参考文献
- Self-soothing behaviors with particular reference to oxytocin release induced by non-noxious sensory stimulation. Front Psychol. 2015
- Oxytocin: What It Is, Function & Effects-Clevelandclinic
- Oxytocin - StatPearls - NCBI Bookshelf
- Systemic effects of oxytocin on male sexual activity via the spinal ejaculation generator in rats. Commun Integr Biol. 2021
- Oxytocin biases men to be more or less tolerant of others' dislike dependent upon their relationship status. Psychoneuroendocrinology. 2018
- Oxytocin enhances brain reward system responses in men viewing the face of their female partner. PNAS. 2013
- Oxytocin: The love hormone - Harvard Health
- How to Increase Your “Feel-Good” Hormones and Neurochemicals | the University of Arizona




