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「心不全を疑う咳」の特徴はご存知ですか?咳が出る原因も医師が解説!

 公開日:2026/03/04
心不全を疑う咳

心不全を疑う咳にはどんな特徴がある?Medical DOC監修医が解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「心不全を疑う咳」の特徴はご存知ですか?進行すると現れる症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

佐藤 浩樹

監修医師
佐藤 浩樹(医師)

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北海道大学医学部卒業。北海道大学大学院医学研究科(循環病態内科学)卒業。循環器専門医・総合内科専門医として各地の総合病院にて臨床経験を積み、現在は大学で臨床医学を教えている。大学では保健センター長を兼務。医学博士。日本内科学会総合専門医、日本循環器学会専門医、産業医、労働衛生コンサルタントの資格を有する。

「心不全」とは?

心不全とは、心臓に何らかの異常が生じ、ポンプ機能が低下し心機能が悪化した結果、全身に必要な血液を十分に送り出せなくなった状態をいいます。それに伴い、さまざまな症状が起こります。増悪と寛解を繰り返し、徐々に悪化していくのが特徴です。

心不全を疑う咳にはどんな特徴がある?

心不全を疑う咳は、心臓の働きが弱まり肺にうっ血が生じることで起こるもので、感冒などに伴う咳とは異なります。主な特徴を3つあげて解説いたします。

体位で症状が変化する咳

心不全では、心臓機能低下により肺に血液が滞りやすくなるので、咳が出やすくなります。横になると、さらに血液がたまるため、咳が強くなるのが特徴と言えます。座ると楽になることが多いです。

労作により症状が変化する咳

心不全の咳は、階段を上る、歩くなどの労作によって増悪することが多いです。心臓が十分に血液を送り出せず、軽い動作でも肺のうっ血が悪化するためと考えられます。安静になると改善することが多いです。

咳に伴う痰の色が異なる

心不全では、肺に水分が溜まることで、水っぽい薄いピンク色の痰が出ることが多いです。これに対し、肺がんでは、気道が腫瘍で傷つきやすいため、出血に伴う鮮やかな血痰や茶色い痰がみられることが多く、痰の性状が異なります。

心不全を発症すると咳が出る原因

心不全による咳は、日常生活で経験することの多い、風邪をはじめとする感染症による咳とは原因が異なります。主な原因を3つあげて解説いたします。

肺うっ血による気道刺激

心不全では、心臓のポンプ機能が低下するため、心臓に溜まった血液は送り出せなくなります。その結果、送り出せなかった血液が肺に溜まりやすくなります。この状態が「肺うっ血」です。肺うっ血になると、肺の血管から水分が染み出しやすくなるため、肺の中が水っぽい状態になります。そのため、気道が常に刺激された状態のため、軽い刺激でも咳が起こりやすくなります。

左心系の機能低下による肺内圧の上昇

左心系とは、心臓の左心房と左心室をさします。左心不全を起こすと、肺から左心房に戻る血液が滞るようになり、肺の血管内圧が高まります。そのため、血管からしみ出た水分が肺の組織に広がり、肺が拡張しづらくなる事が多いです。その結果、肺が固くなった状態となり、気道内のわずかな刺激でも気道が反応しやすくなり、咳を誘発する要因になります。

肺水腫

心不全が進行すると、肺に溜まった水分がさらに増えて「肺水腫」になり、肺の内部が液体で満たされた状態になります。この液体が気管に流れ込むことで、泡状の痰が生じ、咳が止まりにくくなります。ピンク色の痰が出ることも少なくありません。

「心不全と咳」についてよくある質問

ここまで心不全と咳の特徴などを紹介しました。ここでは「心不全と咳の特徴」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

心不全が悪化するとどんな症状が現れますか?

佐藤 浩樹佐藤 浩樹 医師

心不全が悪化すると、心臓のポンプ機能がさらに低下し、全身への血液供給が不十分になります。そのため、さまざまな症状が起ります。呼吸苦、むくみ、全身倦怠感などが代表的な症状です。末期状態に進展すると、活動に著しい障害が出るため、日常生活を送ることが難しくなってきます。

まとめ

心不全は、日常の生活管理や基礎疾患の治療をしっかり行うことで予防できる病気です。高血圧、糖尿病、腎機能低下などの背景がある場合は、早い段階から適切な治療を続けることが重要です。また、息切れやむくみといった小さな体調の変化にも注意し、気になる場合は早めに医療機関を受診しましょう。普段の体調管理と医療との連携が、心不全を予防するための最も確実な方法です。

「心不全」と関連する病気

「心不全」と関連する病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系

呼吸器系

内分泌系

列記した疾患はいずれも心不全のリスクとなります。医療機関を受診し、これらの疾患の適切な治療により心不全の予防は可能です。

「心不全」と関連する症状

「心不全」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 呼吸困難
  • 全身倦怠感
  • 起坐呼吸
  • 胸部圧迫感
  • むくみ

今後、高齢化がさらに進み、心不全の患者さんの増加が予想されています。このような症状に気づいた場合は、放置せずに医療機関を受診ください。早期の適切な対応が、心不全の発症や進行を防ぎます。

この記事の監修医師