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「心筋梗塞」発症後の「寿命」はどれくらいかご存知ですか?発症後の注意点も解説!

 公開日:2025/12/19
「心筋梗塞」発症後の「寿命」はどれくらいかご存知ですか?発症後の注意点も解説!

心筋梗塞発症後の寿命とは?メディカルドック監修医が症状・原因なども解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「心筋梗塞」発症後の「寿命」はどれくらいかご存知ですか?発症後の注意点も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

佐藤 浩樹

監修医師
佐藤 浩樹(医師)

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北海道大学医学部卒業。北海道大学大学院医学研究科(循環病態内科学)卒業。循環器専門医・総合内科専門医として各地の総合病院にて臨床経験を積み、現在は大学で臨床医学を教えている。大学では保健センター長を兼務。医学博士。日本内科学会総合専門医、日本循環器学会専門医、産業医、労働衛生コンサルタントの資格を有する。

「心筋梗塞」とは?

急性心筋梗塞とは、心臓の筋肉(心筋)に栄養や酸素を送る冠動脈が閉塞し、心筋に血液が途絶える疾患です。そのため、心筋が壊死してさまざまな合併症を起こします。死に至ることもある危険な病気です。

心筋梗塞後の寿命

心筋梗塞の寿命は、重症度、初期治療、合併症の有無によって左右されるため、一概に回答はできません。急性心筋梗塞患者患者さんは心不全や不整脈の合併症を抱えやすいため、寿命は一般集団より不良であるといえるでしょう。

心筋梗塞発症後の注意点

心筋梗塞の再発を防ぐためには、生活習慣の見直しが最も大切です。禁煙、減塩、バランスのとれた食事、適度な運動、ストレス管理などが重要です。加えて、処方された薬をきちんと継続することが大切です。気をつける点について、3つご紹介いたします。

生活習慣の改善

禁煙や節酒を徹底し、食事は塩分や脂質を控えたバランスのよいものを心がけましょう。有酸素運動も無理のない範囲で取り入れて継続しましょう。健康診断結果を参考に、血圧、血糖、脂質などの生活習慣病因子が適切に管理されているか確認することも大事です。

処方された薬は必ず継続

心筋梗塞後の薬物治療は再発を防ぐ大切な柱です。特に、抗血小板薬、高脂血症薬(スタチンなど)、降圧薬などが重要です。自己判断で中止すると再発のリスクが高まります。医師のアドバイスに従い、指示通りに薬を飲み続けましょう。

運動の実践

心筋梗塞後の運動療法は心臓の機能回復と再発予防に有効です。ただし、過度の運動は危険です。医師や専門スタッフから提示される適切な運動メニューを守り行いましょう。

食生活の見直し

塩分や脂質の過剰摂取は動脈硬化の進行を招き、心筋梗塞の再発リスクを高めます。野菜や魚を中心とした食事は、心血管疾患の予防に効果的です。外食時は塩分や脂質に注意し、成分表示を確認する習慣を身につけことが大切です。

禁煙

喫煙は、心筋梗塞をはじめとする血管疾患の大きなリスク要因です。心筋梗塞を起こした患者さんにとって、再発を防ぐために禁煙は絶対条件です。本数を減らしても、リスクは完全にはなくなりません。禁煙が必須です。しかし、禁煙はなかなか難しいこともあります。必要に応じて、禁煙補助薬の使用や禁煙外来の受診などを検討しましょう。

心筋梗塞の代表的な症状や特徴

緊急性の高い疾患のため、症状を早期発見することは極めて重要です。代表的な症状や特徴を3つあげて詳しく説明いたします。

胸痛や胸部圧迫感

前胸部に締め付けられるような痛みや圧迫感が起こります。安静にしても改善しないことが特徴です。痛みは胸部が中心ですが、腕、首、顎に広がることもあります。こういった症状が起きた場合は、早急に救急車を呼び、循環器科や救急科を受診してください。

冷や汗

誘因も無く突然出る場合や、胸痛や胸部圧迫感などの症状に合併する場合は要注意です。すぐに安静にしてください。心臓の負荷を軽減するためです。これらの症状は急性心筋梗塞の初発症状である可能性が極めて高いため、早急に救急車を呼び、循環器科や救急科を受診して下さい。

歯の痛み

心筋梗塞は胸の痛みが典型ですが、歯の痛みで起こる場合があります。放散痛といいます。
心臓に関連した症状とは考えにくいため見逃されることも多いです。継続する場合は、循環器科を受診して下さい。

心筋梗塞の主な原因

主な原因は動脈硬化によるものです。動脈硬化が進む代表的な要因を3つあげて、詳しく説明いたします。

高血圧

高血圧が長期間継続すると、血管の壁が傷むため、血管が固くなったり、プラークとよばれるかたまりができやすくなったりします。また、血のかたまりである血栓ができやすくなります。これらが誘因となり、心筋梗塞が発症します。高血圧の管理は最も重要です。しかし、自覚症状を伴う高血圧のケースは少ないため、放置している方が多いです。血圧が高い場合は、内科や循環器科を受診して適切な指示を受けましょう。

高LDL-コレステロール血症

過剰なLDL-コレステロールは、血管の内側の壁に溜まり、プラークというかたまりを作ります。心筋梗塞はこのプラークが破れることが原因です。したがって、LDLコレステロールの適切な管理が重要です。高い場合は、内科や循環器を受診しましょう。食事指導とともに内服治療の有無について相談ができます。

喫煙

喫煙は、血管を収縮させ、血圧を上昇させます。また、タバコに含まれている有害物質は、血管の壁を傷つけるため、動脈硬化を早めます。そのため、喫煙は心筋梗塞のリスクを高めます。喫煙は百害あって一利なしです。禁煙しましょう。禁煙を自分で達成することはなかなか難しいです。禁煙外来を利用することも効果的です。

「心筋梗塞後の寿命」についてよくある質問

ここまで心筋梗塞後の寿命などを紹介しました。ここでは「心筋梗塞後の寿命」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

心筋梗塞の10年生存率はどれくらいでしょうか?

佐藤 浩樹佐藤 浩樹 医師

患者さんの重症度や合併症の有無によって異なるため、一概に回答はできません。ある報告では、心筋梗塞後10年での累積死亡率は46.8%と報告されています。つまり、10年後にも約半数の方は生存していたということになります。

心筋梗塞のカテーテル治療後の生存率はどれくらいでしょうか?

佐藤 浩樹佐藤 浩樹 医師

心筋梗塞の重症度によって違いがあり、統一的な回答はできません。一方で、カテーテル治療施行後の3年生存率は約89.6% であり、治療成績は良好であるという報告もあります。

編集部まとめ

急性心筋梗塞は、心臓を栄養する冠動脈が突然つまる病気です。結果、心臓の筋肉が壊死を起こし動かなくなるため、命に関わることも多々あります。発症から治療までの時間が短いほど心臓の筋肉のダメージが少なくなり、予後が良くなります。心筋梗塞を疑う兆候を認めた場合は、できるだけ速やかに医療機関を受診してください。

「心筋梗塞」と関連する病気

「心筋梗塞」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

  • 解離性大動脈瘤
  • 急性心外膜炎

呼吸器科の病気

消化器科の病気

その他の病気

心筋梗塞のように胸の痛みを起こす疾患は多く、命に関わる疾患もあります。早期に医療機関を受診して診断とともに適切な治療を受けることが重要です。

「心筋梗塞」と関連する症状

「心筋梗塞」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 胸部圧迫感
  • 息切れ
  • 冷や汗
  • 胃痛
  • 歯の痛み

心筋梗塞は胸の痛みを伴う代表的な疾患です。でも、胸の痛み以外の症状もあります。こういった症状が続く時は、早めに医療機関を受診してください。

この記事の監修医師