「肋間神経痛」を発症した際にしてはいけないことはご存知ですか?【医師監修】

肋間神経痛という言葉を多くの方が耳にしたことがあるでしょう。
肋間神経痛は、脇腹や背中から胸の前面までに痛みを生じることを一般的に指します。
しかし、肋間神経痛というのは疾患名ではなく、肋間神経に沿って痛みを伴う症状の総称です。
今回は知っているようであまり知られていない肋間神経痛について、原因や対処法・ケア方法をわかりやすく解説します。
原因がわからない脇腹や背中などの痛みにお悩みの方の不安が、少しでも和らぐようにお役立ていただけると幸いです。

監修医師:
眞鍋 憲正(医師)
目次 -INDEX-
肋間神経痛でしてはいけないこと・原因
肋間神経痛とはどのような症状ですか?
- 刺すような痛み
- ピリピリとした痛み
- 痺れたような痛み
- 灼熱感
このような訴えがよく聞かれますが、肋間神経のデルマトーム(皮膚文節)から大きくかけ離れている場合はほかの疾患が疑われる可能性があり、注意が必要です。また、肋間神経痛による痛みが長期化することもあり、慢性痛に移行することもあるため早めに医療機関を受診しましょう。
肋間神経痛でしてはいけないことはありますか?
- 過度な運動
- 悪い姿勢
- 無理な体勢
- 過度なマッサージやストレッチ
肋間神経痛がある場合は、症状を悪化させてしまう可能性があるため、これらの行動や習慣を避けるようにしましょう。自己判断せず、症状に対して適切な対応をとることが大切です。
肋間神経痛を発症する原因は何ですか?
肋間神経痛は放置しても治りますか?
- 前触れもなく肋骨や脇腹に強い痛みを感じる
- 少し身体を動かしただけでも激しい痛みが生じる
肋間神経痛を放置すると日常生活に支障をきたすような痛みを引き起こす可能性があります。できるだけ早めに、医療機関を受診しましょう。
肋間神経痛の対処法
肋間神経痛に対処法はありますか?
肋間神経痛は何科を受診すべきですか?
肋間神経痛の治療法を教えてください
- 理学療法
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)
- セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)
- 環系抗うつ薬(TCA)
これら以外にも、神経切除術・高周波アブレーション・脊髄刺激療法(SCS)などがあります。
肋間神経痛による痛みは心理的な影響を受けている場合もあり、抗うつ薬のような心療内科などで使用される薬も有効となる可能性があります。また、理学療法も有効です。姿勢の修正や疼痛が生じにくい身体の使い方や生活習慣などを、理学療法士の個別の指導で習得します。リハビリテーションは薬などを使う必要がないため、副作用の懸念もなく、身体にかかる負担の少ない治療の一つです。
肋間神経痛の痛みはほかの痛み方と違いますか?
肋間神経痛のケア方法
肋間神経痛のケア方法はありますか?
肋間神経痛にかからないための予防策はありますか?
編集部まとめ
肋間神経痛とは疾患名ではなく、肋間神経の走行に沿った痛みを主体とする症状のことを指します。
多くの場合、脇腹や胸から背中にかけての強い痛みを伴います。痛みはチクチクした痛みや灼熱感などと表現され、ほかの疾患の痛みとはことなる痛みが特徴です。
原因としては、不良姿勢や心理的なストレスが挙げられます。その他、帯状疱疹後や開胸術後の医療的な処置によって生じることもあります。
治療法としては、理学療法といったリハビリテーションが有効でその他には薬物療法が治療に用いられます。
痛みが長期化し、慢性痛となった場合にはリハビリテーションや薬物療法のほかに心理的側面にアプローチすることも大切です。
日常的にストレッチなどの軽い運動を行ったり、入浴や読書をしたりして身体や心にストレスをかけないように心がけることで肋間神経痛を予防することが可能です。
また、帯状疱疹後に肋間神経痛を生じることもあるため、帯状疱疹ワクチンを接種して帯状疱疹を予防することも大切になります。
原因不明の脇腹や胸の痛みが気になる場合には、早めに整形外科や痛みを治療する外来などの医療機関を受診しましょう。