「血圧を下げる」可能性の高い「5つの飲み物」はご存知ですか?医師が徹底解説!

血圧を下げる飲み物とは?メディカルドック監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「血圧を下げる飲み物」はご存知ですか?血圧を下げる予防法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
血圧とは?
血圧とは心臓から送り出された血液が血管の内側にかかる圧力のことです。心臓は収縮と弛緩を繰り返し、血液を全身に巡らせて酸素や栄養素を届けています。
一般的に上の血圧と呼ばれる収縮期血圧(最高血圧)とは、心臓が収縮して血液を送り出す時の血圧です。下の血圧と呼ばれる拡張期血圧(最低血圧)は、血液が心臓に戻ってきて心臓が拡張している時の血圧です。
血圧を左右する要因として心拍出量(心臓から押し出される血液の量)や血管の弾力性などがあります。腎臓病・睡眠時無呼吸症候群などの病気や食塩の過剰摂取・過剰飲酒・肥満なども血圧に影響します。
血圧が高いとどうなる?
血圧が診察室で収縮期140mmHg以上、拡張期90mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。
血圧は、高くても多くの場合は、自覚症状は現れません。血圧が高い状態が続くと、動脈硬化が進行し、脳・心臓・腎臓・眼などの臓器に合併症が起こりやすくなります。
早朝の頭痛・夜間の頻尿・下肢の冷感などの症状が現れると、高血圧による合併症が進んでいる可能性が高いです。
急激な高血圧が起こり頭痛・吐き気・意識障害などの症状が現れた場合は、高血圧脳症の疑いがあるため、早急に治療が必要になります。
血圧の上昇を抑える、予防する飲み物
飲み物の降圧効果については解明されていない部分も多いですが、ポリフェノール・酢酸・カリウム・カルシウムなどを含む飲み物は血圧を下げる効果が期待できます。
しかし、ココア・牛乳・市販のドリンクなどの摂り過ぎはエネルギーの過剰摂取につながります。飲み物だけに頼らず、減塩・節酒・禁煙など生活習慣の改善にも取り組みましょう。
緑茶
緑茶に含まれるポリフェノールのカテキンは抗酸化作用があり、血管を拡張させて血圧を下げる効果が期待できます。
緑茶以外にも烏龍茶や紅茶など、カテキンを含む飲み物はありますが、緑茶と比べるとカテキンの含有量は少なくなります。
コーヒー
コーヒーに含まれるポリフェノールのクロロゲン酸は、抗酸化作用により血管を拡張させ、血圧を下げる効果が期待できます。
クロロゲン酸は焙煎により減少するため、焙煎度が濃いものより、浅いものの方がクロロゲン酸を多く含みます。
ココア
ココアに含まれるカカオポリフェノールは、血管を拡張させ血圧を下げる効果が期待できます。またココアはカリウム・マグネシウム・カルシウムなど血圧を下げるミネラルも含みます。
飲み過ぎはエネルギーの過剰摂取につながるため、大量に摂取しないようにしましょう。
食酢
黒酢やリンゴ酢などの食酢を含む飲み物は、主成分の酢酸が血管を拡張させ、血圧を下げる効果が期待できます。
刺激が強いため空腹時の摂取は避け、水などで希釈して摂取することをおすすめします。
市販の食酢を含む飲み物には糖を加えているものが多いため、大量に摂取しないようにしましょう。
牛乳
牛乳に含まれるカルシウムは血圧の上昇を抑制します。また、牛乳たんぱく質のカゼインなどは血圧を下げる働きを期待できます。
エネルギーがある飲み物のため、大量に摂取しないようにしましょう。
「血圧を下げる飲み物」についてよくある質問
ここまで血圧を下げる飲み物について紹介しました。ここでは「血圧を下げる飲み物」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
血圧を一番下げる飲み物について教えてください。
伊藤 陽子(医師)
緑茶・ココア・食酢などは血圧を下げる効果が期待できる飲み物とされています。飲み物の降圧効果についてはまだ解明されていないことが多いため、一番下げる飲み物については今のところわかりません。
高血圧の予防は食事や生活の改善を優先し、降圧効果のある飲み物は補助として摂取することをおすすめします。
トマトジュースを毎日飲み続けることで血圧を下げることはできますか?
伊藤 陽子(医師)
トマトジュースに多く含まれるGABAというアミノ酸の一種は交感神経の働きを抑制し、血管の収縮を抑制し、降圧作用を期待できるとされています。
市販のトマトジュースには食塩が添加されているものもあります。余分な食塩摂取にならないよう、食塩無添加を選ぶことをおすすめします。
コーヒーを飲むことで血圧を下げることはできますか?
伊藤 陽子(医師)
コーヒーに含まれるポリフェノールのクロロゲン酸は降圧効果が期待できます。
しかし、コーヒーに多く含まれるカフェインは一時的に血圧を上昇させる働きもあります。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸などのポリフェノールは動脈硬化の進行も抑制するという報告がありますが、カフェインの過剰摂取になる可能性があること、糖やミルク入りのコーヒーはエネルギーの過剰摂取につながりやすいことから飲み過ぎには注意が必要です。
編集部まとめ:血圧を下げるには食事や生活習慣を修正しましょう。降圧効果が期待できる飲み物は補助としての摂取がおすすめです
血圧を上げる要因は遺伝・病気・食事・生活などさまざまです。
減塩・節酒・禁煙・肥満の解消・運動不足の改善など食事や生活習慣の修正は降圧効果が期待できます。
降圧効果が期待される飲み物もありますが、解明されていないことが多く、摂取すれば必ずしも血圧が下がるとは言い切れません。例えば、コーヒーでは降圧効果に有効な成分もありますが、過剰摂取はカフェインや糖の摂りすぎを招き、他の弊害を招く可能性が考えられます。飲み物の降圧効果は補助として考え、過剰摂取には注意しましょう。
「血圧」の異常で考えられる病気
「血圧」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
腎臓科の病気
呼吸器科の病気
眼科の病気
血圧が慢性的に高いことが原因で合併症を招く可能性があります。病気が原因で高血圧を起こす場合もあるため、高血圧を指摘されたら、早めに医療機関を受診しましょう。