「血圧の下が高くなりやすい人の5つの特徴」はご存知ですか?医師が徹底解説!

血圧の下が高くなりやすい人の特徴とは?メディカルドック監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「血圧の下が高い」原因はご存知ですか?男女別の原因・血圧の下の基準値も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
血圧とは?
血圧とは心臓から送り出された血液が血管の内側にかかる圧力のことです。心臓から押し出される血液の量(心拍出量)と血管の太さや弾力性が影響します。
いくつから高血圧と診断されるか、血圧が高いと考えられる病気や対策について解説します。
血圧の数値で体の何がわかる?
血圧が異常値であっても症状が現れない場合がほとんどですが、血圧が高ければ高血圧の可能性があり、動脈硬化が進行するリスクになります。
血液検査など、血圧測定以外の検査も行うことで、腎臓病・心臓病など他の病気の発見にもつながります。
血圧の測定方法
家庭での血圧測定方法は、上腕式の血圧計を使用し2回測定した平均値を測定値とします。
家庭血圧を朝と晩の2回、それぞれ7日間測定した平均値が家庭測定値の高血圧の判断基準です。
朝の血圧は起床後1時間以内、排尿後、朝食前、座って1〜2分安静後に測定し、晩の血圧は座って1〜2分安静後に測定します。
寒さ・会話・カフェインの摂取・喫煙などは血圧上昇に、入浴や飲酒は血圧の低下に影響を与えます。環境を整えて測定しましょう。
血圧の上とは?
心臓が収縮して血液を送り出す時の血圧が収縮期血圧で、一般的に上の血圧と呼びます。
血圧の上の基準値
正常血圧は診察室で120mmHg未満、家庭で115mmHg未満です。
血圧の上はいくつから高いと判断できる?
診察室で140mmHg以上、家庭で135mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。
収縮期血圧の分類(mmHg)
| 診察室血圧 | 家庭血圧 | |
|---|---|---|
| 正常血圧 | 120未満 | 115未満 |
| 正常高値血圧 | 120~129 | 115~124 |
| 高値血圧 | 130~139 | 125~134 |
| I 度高血圧 | 140~159 | 135~144 |
| II 度高血圧 | 160~179 | 145~159 |
| III 度高血圧 | 180以上 | 160以上 |
血圧の下とは?
血液が心臓に戻ってきて拡張している時の血圧が拡張期血圧で、一般的に下の血圧と呼びます。
血圧の下の基準値
正常血圧は診察室で80mmHg未満、家庭で75mmHg未満です。
血圧の下はいくつから高いと判断できる?
診察室で90mmHg以上、家庭で85mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。
拡張期血圧の分類(mmHg)
| 診察室血圧 | 家庭血圧 | |
|---|---|---|
| 正常血圧 | 80未満 | 75未満 |
| 正常高値血圧 | 80未満 | 75未満 |
| 高値血圧 | 80~89 | 75~84 |
| I 度高血圧 | 90~99 | 85~89 |
| II 度高血圧 | 100~109 | 90~99 |
| III 度高血圧 | 110以上 | 100以上 |
血圧の下が高くなりやすい人の特徴
血圧の下が高くなりやすい人は、先に解説したように動脈硬化が末梢血管におよび、大動脈はまだ弾力性が残っている状態です。動脈硬化が始まっている状態が血圧の下が高くなりやすい人の特徴として考えられます。つまり、動脈硬化の原因となる食塩の過剰摂取・肥満・過剰飲酒・喫煙・運動不足などの生活習慣があることが特徴として挙げられます。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームは、内臓肥満蓄積が中心的な役割を果たしています。内臓脂肪蓄積型の肥満は、インスリンというホルモンの働きが弱くなり、インスリンが過剰に分泌されることで血圧が上がりやすくなります。
食事や運動で内臓脂肪を減らすことが改善につながります。
健康診断で高血圧や肥満を指摘されたら、一般内科を受診しましょう。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は交感神経の亢進・昇圧作用のあるホルモン分泌の活性化・酸化ストレスなどの影響で血圧が上がりやすくなります。睡眠時無呼吸症候群の治療をすることが高血圧の改善につながります。
健康診断などで高血圧を指摘され、いびき・日中の眠気・夜間尿などの症状があれば、耳鼻科や呼吸器内科を受診しましょう。
飲酒量が多い
少量の飲酒は血圧を一時的に下げる作用がありますが、長期に多量な飲酒の習慣があると血圧が上がり、脳や心臓の病気を起こすリスクになります。飲酒制限により1~2週間のうちに降圧が認められると報告されています。日本酒1合程度の適量の飲酒にとどめることが重要です。
飲酒の習慣があり、健康診断で高血圧を指摘された場合は循環器科や一般内科を受診しましょう。
運動不足
運動不足や座位時間が長いなど活動量が少ないと、消費エネルギーが少なくなり肥満を招き、血圧が上がる原因になります。
運動習慣がなく、すぐに始めるのが難しい場合は、階段を使う・ストレッチをする・座っている時間を減らすなど、日常生活の中で活動量を増やすことがおすすめです。
運動不足の自覚があり、健康診断で高血圧を指摘されたら一般内科を受診しましょう。
腎臓病
高血圧と腎臓は相互に影響します。腎臓の機能が低下すると、血液量が増加し、血圧を調節する機能も低下するため血圧が上がりやすくなります。
健康診断などで高血圧や腎機能の低下を指摘されたら、早めに腎臓内科を受診しましょう。
水分をたくさん飲むと血圧の下は下がる?
脱水・脳梗塞・心筋梗塞の予防のために水分補給は大切です。腎臓や心臓の機能が問題なければ通常水分を多く摂っても血圧が変動することはありません。しかし、食塩の過剰摂取の食習慣や腎機能が低下していると、体に水分がたまり血液の量が増え、血圧を上げる原因になります。
水分摂取は適量にしましょう。
「血圧の下が高い」についてよくある質問
ここまで血圧の下が高いことについて紹介しました。ここでは「血圧の下が高い」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
血圧の下が90以上だと体にどんな影響を与えますか?
伊藤 陽子(医師)
血圧の下が90以上は高血圧と診断されます。高血圧が持続することは、動脈硬化進行のリスクになります。動脈硬化が進行すると心臓病や脳卒中などの病気の発症の原因となります。下の血圧が上がり始めたら、生活習慣を見直し注意しましょう。
編集部まとめ 血圧の下が高いのは動脈硬化のサイン!
下の血圧は、食塩の過剰摂取・肥満・過剰飲酒の習慣・喫煙など生活習慣が原因で高くなります。高血圧が続くと動脈硬化が進行し、腎臓病や脳卒中や心臓病を起こしやすくなります。
家庭測定の血圧が高い・健康診断で高血圧を指摘されたら医療機関の受診と生活習慣の改善に取り組みましょう。
「血圧」で考えられる病気と特徴
「血圧」から医師が考えられる病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
循環器科の病気
- 心不全
- 冠動脈疾患
腎臓科の病気
- 慢性腎臓病
- 糖尿病性腎症
呼吸器科の病気
眼科の病気
血圧は肥満や過剰飲酒や喫煙などの生活習慣や脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症などの生活習慣病が原因で高くなります。血圧を上げる原因となる病気を発症している場合もあるので、健康診断などで血圧の異常を指摘されたら早めに医療機関を受診しましょう。