「総ビリルビン」が”基準値より高い”と現れやすい症状は?年齢別の基準値を医師が解説!

総ビリルビンの基準値はどれくらい?メディカルドック監修医が総ビリルビンの年齢別の基準値などを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『血液検査「総ビリルビン」が基準値より高いとどうなる?原因や発見できる病気も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)
目次 -INDEX-
ビリルビンとは?
健康診断などを受けた時、「ビリルビン」というものを見たことはないでしょうか。ビリルビンとは、もとは赤血球の中にある物質であり、肝臓から作られる胆汁という消化液の中に含まれる成分です。
ここではビリルビンがどのようなものか、ビリルビンが高いとどんな病気を疑うのかなどを解説していきます。
血液検査の総ビリルビンの基準値
実際に血液検査を行った時、ビリルビンの値はどの程度になるのでしょうか。
一般的には血液検査でビリルビンを測定するときは総ビリルビン(T-Bil)を測定します。総ビリルビンの値は一般的に0.2-1.2mg/dLを基準値としているところが多く、総ビリルビンの値が2.0mg/dLをこえてくると徐々に白眼の部分が黄色くなってきます(眼球黄染)。また、総ビリルビンの値が3.0~3.5mg/dLをこえてくると、皮膚が徐々に黄色くなってきます(黄疸)。黄疸が出てくると身体のあちこちに痒みが出現することもあります。ビリルビンが高くなる場合、消化管にビリルビンがうまく排泄できなくなるためビリルビンが尿に出てくる(ビリルビン尿)ため、尿が黄色くなる、濃くなると感じることもあります。
ビリルビンは年齢により基準値が異なることもあります。ここでは年齢別の総ビリルビンの値について解説します。
ビリルビン基準値一覧(成人)
| 下限 | 上限 | 単位 | |
|---|---|---|---|
| 総ビリルビン | 0.2 | 1.2 | mg/dL |
| 直接ビリルビン | 0 | 0.4以下 | mg/dL |
新生児の総ビリルビンの基準値
新生児の時期、総ビリルビンは高めで推移します。胎児では出生後と異なるタイプの赤血球を使っているため、新生児は出生後に赤血球を入れ替えます。それにより、一時的にビリルビンが増加してしまいます。また、新生児の赤血球は寿命が短く、成人に比べて壊れやすいこと、代謝も十分でないことなども理由の一つです。新生児のビリルビンの数値については何週で出生したか、何グラムで出生したかなどにより基準も異なります。一般的には出生後徐々にビリルビンが増加し、生後2、3日で黄疸が出現、生後4、5日ごろにピークを迎え、その後は徐々に低下してきます。ビリルビンが高すぎると脳に影響を与える(核黄疸)ことがあるため、治療(光光線療法、交換輸血など)が必要となることもあります。一般的に正期産児の場合、生後4、5日目のピーク時に18mg/dL以上であれば注意が必要と言われています。
乳児の総ビリルビンの基準値
総ビリルビンの値は新生児期にビリルビンが上昇し、その後減少、数か月~1年程度で成人と同じ値まで落ち着いてきます。母乳での育児を行っている場合、母乳性黄疸が数か月にわたり続くこともあります。この場合は母乳育児を中止する必要はないのですが、黄疸が長引く場合は他の病気が原因であることもあります。一度病院で検査を受けましょう。
高齢者の総ビリルビンの基準値
総ビリルビンの基準値は、高齢になったからと言って変わるわけではありません。成人の基準値である0.2~1.2mg/dLです。これよりビリルビンの数値が高くなるようであれば、何らかの異常が起こっている可能性が高いと判断されます。
総ビリルビンの基準値についてよくある質問
血液検査で総ビリルビンの数値が上がる原因は何ですか?
岡本 彩那 医師
総ビリルビンの数値が上がる原因としては、赤血球が多く壊れてしまうなど血液の病気であったり、肝臓がビリルビンを処理できない状態であるなど肝臓の病気であることがあります。また、胆汁をうまく腸に排泄できない状態(胆道系の病気)であることもあります。
総ビリルビンの危険な数値はいくつですか?
岡本 彩那 医師
新生児の場合、総ビリルビンが18mg/dLより高いと治療検討になります。成人の場合は総ビリルビンの数値が上昇すると何らかの病気を示唆します。しかしながら総ビリルビンがかなり高い場合でも、ビリルビンが高いこと自体で危険になるというよりも、ビリルビンの数値が高くなる原因により命の危険が起こります。例えば胆道閉塞によるものであれば数値が高くても感染を起こさなければ緊急ではない場合もありますが、数値が低くても胆管炎などを発症してしまうと緊急処置が必要となることもあります。
総ビリルビンの数値が高い場合、何科を受診すればよろしいでしょうか?
岡本 彩那 医師
ビリルビンが高くなる原因としては肝臓や胆道の病気が多くを占めてきます。他にも血液の病気などがありますが、明らかに血液に異常があるとわかっている場合以外であれば、まずは消化器内科を受診しましょう。
健診結果で総ビリルビンが3mg/dl以上だとどんな健康リスクがありますか?
岡本 彩那 医師
ビリルビンが3.0mg/dL以上になってくると高ビリルビンということによって眼球横線や黄疸が出てくることがあります。また、それに伴い全身の痒み(掻痒感)も出てくることがあります。一方、ビリルビンが高いこと自体での症状だけでなく、ビリルビンが高くなる原因となる病気での症状も出てきます。早めに病院受診をしましょう。
健康診断で総ビリルビンが基準値より高い人はどんな治療が必要ですか?
岡本 彩那 医師
ビリルビンが高い方については何らかの病気を発症している可能性があります。赤血球が壊れやすくなっているのであればそれに対する治療、肝炎を起こしているのであれば栄養価の高い食事や点滴での保存的加療とそれ以上ひどくならないかを慎重に観察する必要があります。また、胆道系の病気であれば内視鏡治療を含めた治療が必要となることもあります。
まとめ 総ビリルビンの基準値1.2より高いときは消化器内科を受診!
成人でビリルビンの数値が高いと何らかの病気にかかっていることが示唆されます。そのため、ビリルビンの数値が高いと言われた場合は一度病院受診、特に消化器内科を受診するようにしましょう。
「総ビリルビン」の異常で考えられる病気
「総ビリルビン」から医師が考えられる病気は17個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
血液系の病気
- サラセミア
- 溶血性貧血
循環器系の病気
- 門脈大循環シャント
- 心不全
遺伝性、体質性の病気
- Gilbert症候群
- Crigler-Najjar症候群
- Dubin-Johnson症候群
- Rotor症候群
ビリルビンは、人間ドックや内科受診の際の血液検査で測定する検査項目の一つです。異常値を指摘されたら、医療機関を受診して相談することをお勧めいたします。