血液検査の「総ビリルビンが高い」と”内臓のどこが悪い”?4つの原因を医師が解説!

総ビリルビンとは?メディカルドック監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『血液検査「総ビリルビン」が基準値より高いとどうなる?原因や発見できる病気も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)
目次 -INDEX-
ビリルビンとは?
健康診断などを受けた時、「ビリルビン」というものを見たことはないでしょうか。ビリルビンとは、もとは赤血球の中にある物質であり、肝臓から作られる胆汁という消化液の中に含まれる成分です。
ここではビリルビンがどのようなものか、ビリルビンが高いとどんな病気を疑うのかなどを解説していきます。
胆汁の色素成分、ビリルビンとは?
胆汁は黄色い色をしていますが、この色はこの「ビリルビン」という成分の色で、血液の赤血球という血球が壊れることによって出てきます。通常は肝臓に取り込まれ、胆汁という消化液の中に排出されます。ちなみに便の色が茶色~黄色になるのは、この胆汁の色によるものです。
そのため、ビリルビンが高いということは
- 赤血球が何らかの原因で壊れすぎている⇒血液系の異常
- ・肝臓でうまくビリルビンを処理できていない⇒肝臓の異常
- ・肝臓からうまく胆汁が排出できていない⇒胆道系の異常
- ・元々何らかの原因で生まれつきビリルビンが高い⇒体質性
などが考えられます。
総ビリルビンの直接ビリルビンと間接ビリルビンの違いは?
ビリルビンには、「総ビリルビン」「直接ビリルビン」「関節ビリルビン」という値があります。ビリルビンは肝臓で取り込まれ、処理された後で胆汁中に排泄されます。
この肝臓で処理される前のビリルビンを「間接ビリルビン」、処理された後のビリルビンを「直接ビリルビン」と言います。そしてそれらの合計を「総ビリルビン」と言います。通常血液検査では総ビリルビンを確認しますが、それぞれの値を知りたいときは直接ビリルビンの値を測定し、総ビリルビンから直接ビリルビンの数値を引いたものを関節ビリルビンとして計算します。
総ビリルビン-直接ビリルビン=間接ビリルビン
となります。
総ビリルビンの基準値についてよくある質問
血液検査で総ビリルビンの数値が上がる原因は何ですか?
岡本 彩那 医師
総ビリルビンの数値が上がる原因としては、赤血球が多く壊れてしまうなど血液の病気であったり、肝臓がビリルビンを処理できない状態であるなど肝臓の病気であることがあります。また、胆汁をうまく腸に排泄できない状態(胆道系の病気)であることもあります。
総ビリルビンの危険な数値はいくつですか?
岡本 彩那 医師
新生児の場合、総ビリルビンが18mg/dLより高いと治療検討になります。成人の場合は総ビリルビンの数値が上昇すると何らかの病気を示唆します。しかしながら総ビリルビンがかなり高い場合でも、ビリルビンが高いこと自体で危険になるというよりも、ビリルビンの数値が高くなる原因により命の危険が起こります。例えば胆道閉塞によるものであれば数値が高くても感染を起こさなければ緊急ではない場合もありますが、数値が低くても胆管炎などを発症してしまうと緊急処置が必要となることもあります。
総ビリルビンの数値が高い場合、何科を受診すればよろしいでしょうか?
岡本 彩那 医師
ビリルビンが高くなる原因としては肝臓や胆道の病気が多くを占めてきます。他にも血液の病気などがありますが、明らかに血液に異常があるとわかっている場合以外であれば、まずは消化器内科を受診しましょう。
健診結果で総ビリルビンが3mg/dl以上だとどんな健康リスクがありますか?
岡本 彩那 医師
ビリルビンが3.0mg/dL以上になってくると高ビリルビンということによって眼球横線や黄疸が出てくることがあります。また、それに伴い全身の痒み(掻痒感)も出てくることがあります。一方、ビリルビンが高いこと自体での症状だけでなく、ビリルビンが高くなる原因となる病気での症状も出てきます。早めに病院受診をしましょう。
健康診断で総ビリルビンが基準値より高い人はどんな治療が必要ですか?
岡本 彩那 医師
ビリルビンが高い方については何らかの病気を発症している可能性があります。赤血球が壊れやすくなっているのであればそれに対する治療、肝炎を起こしているのであれば栄養価の高い食事や点滴での保存的加療とそれ以上ひどくならないかを慎重に観察する必要があります。また、胆道系の病気であれば内視鏡治療を含めた治療が必要となることもあります。
まとめ 総ビリルビンの基準値1.2より高いときは消化器内科を受診!
成人でビリルビンの数値が高いと何らかの病気にかかっていることが示唆されます。そのため、ビリルビンの数値が高いと言われた場合は一度病院受診、特に消化器内科を受診するようにしましょう。
「総ビリルビン」の異常で考えられる病気
「総ビリルビン」から医師が考えられる病気は17個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
血液系の病気
- サラセミア
- 溶血性貧血
循環器系の病気
- 門脈大循環シャント
- 心不全
遺伝性、体質性の病気
- Gilbert症候群
- Crigler-Najjar症候群
- Dubin-Johnson症候群
- Rotor症候群
ビリルビンは、人間ドックや内科受診の際の血液検査で測定する検査項目の一つです。異常値を指摘されたら、医療機関を受診して相談することをお勧めいたします。