「血液検査の前にやってはいけないこと」は何?前夜の食事についても医師が解説!
血液検査の前に避けるべきNG項目とは?Medical DOC監修医が採血を控えた前日&当日の食事やお酒・水分・運動などの注意点を解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「血液検査の前にやってはいけないこと」は何?前夜の食事・当日のNG行動も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
血液検査の前日にやってはいけないこと・前夜の食事のNGとは?
健康診断や普段の診察の際に血液検査を行う機会があると思います。この血液検査の前にやってはいけない事は、ご存じでしょうか?前日の食事や直前の水分摂取は大丈夫なのかなど、血液検査に関する注意点をまとめました。
血液検査の前日の食事・夕食は何時まで?
血液検査の項目にもよりますが、空腹で採血を行う必要がある場合には、一般的に採血の10時間前からは食事を摂ってはいけません。食事以外にもカロリーのあるような飲み物をとることも禁止です。例えば、朝の10時に採血であれば、当日の深夜0時以降は絶食となります。
血液検査の前日におすすめの食事メニューは?
血液検査の項目にもよりますが、こってりとした脂質を多く含む料理ではコレステロール値が上昇しやすいですし、アルコールを多く飲むと肝機能に影響します。基本的には暴飲暴食を避けて通常の食事が望ましいです。前日のみ気を付けていつもと違う食事を摂ったとしてもあまり意味はなく、血液検査で知るべき事は通常の状態であると考えられるからです。
採血がある健康診断の前日のお酒・飲酒は良いの?
健康診断の前日のお酒・飲酒は、血液検査での肝機能障害や高中性脂肪血症を起こす可能性があります。これらの影響を出さないためには、飲酒しない方が良いと思われます。
血液検査の前にコーヒーは飲んでいいの?
コーヒーに含まれるカフェインには利尿作用があります。コーヒーを飲むことで利尿作用が働き、尿が多く出ます。ここでしっかり水分を摂取しないと、脱水傾向となる可能性があります。脱水となると、赤血球の値が上昇し多血となったり、腎機能を示すクレアチニンなどが上昇して正確な値を示さなくなります。このため、血液検査の前にコーヒーを飲むことはお勧めできません。
また、糖分や乳分を含むコーヒーですと、血糖値や中性脂肪が上昇してしまいます。血液検査前にコーヒーを飲むのはやめましょう。
血液検査がある健康診断の前日に運動はして良いの?
健康診断の前日に適度な運動であれば問題ありませんが、筋トレなど過度な運動を行うと血液中のクレアチニンキナーゼ(CK)の値が上昇する可能性があります。また、筋トレなどのレジスタンス運動を過度に行うと尿酸値も上昇する可能性があります。軽いウォーキングなどの運動であれば良いですが、激しい運動は避けましょう。
血液検査の前日に喫煙はして良いの?
普段から喫煙をしている方では、前日の喫煙の有無は血液検査に影響を及ぼさないと考えられます。しかし、喫煙者は非喫煙者と比較し脂質異常が起こりやすく、慢性炎症が起きているため白血球増加やCRP上昇、血小板増加がみられます。この結果、動脈硬化が進行しやすいのです。また、喫煙は様々ながんや呼吸器疾患の危険因子ともなり、禁煙することをお勧めします。
「血液検査の前にやってはいけないこと」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血液検査の前にやってはいけないこと」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
前日の睡眠不足は血液検査に影響しますか?
伊藤 陽子(医師)
睡眠不足のみでは血液検査に影響することはありません。しかし、健康診断などでは体調を整えて臨む方か良いでしょう。
血液検査の朝は水を飲んでも大丈夫ですか?
伊藤 陽子(医師)
水分摂取は問題ありません。しかし、糖質や乳分が入っているジュースやコーヒーなどを摂取すると血液検査に影響するため、水もしくはカフェインのない麦茶などの摂取がお勧めです。
血液検査の前に食事をしてしまった場合検査は受けられませんか?
伊藤 陽子(医師)
血液検査の項目によります。食事をすることで、血糖値や中性脂肪は高い値が出てしまいます。しかし、食事摂取が関係ない項目もありますので病院へ問い合わせてみましょう。
血液検査前日の飲酒はNGでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
血液検査前日の飲酒が絶対にいけないわけではありませんが、飲酒をすることで肝機能の異常、中性脂肪が上がる可能性があります。
健康診断の空腹時採血は血液検査の何時間前までなら食事可能ですか?
伊藤 陽子(医師)
健康診断で空腹を指示された場合には一般的に採血より10時間以上の絶食をするように言われています。10時間以上前に食事を食べ終わるようにしましょう。
採血・血液検査の前に煙草を吸っても良いですか?
伊藤 陽子(医師)
普段から喫煙している人では、血液検査の前の喫煙によって急激に検査結果が変わることはありません。しかし、健康のために禁煙をお勧めします。
まとめ 血液検査の前・前日は暴飲暴食、過度な運動に注意
血液検査を受ける前には、普段と違う行動はなるべく控えましょう。現在の状態を把握するために検査を行っているからです。検査前だけ日常と違う行動で異常が出た場合には、病気の診断がつけにくくなります。検査の前には暴飲暴食、飲酒、激しい運動などは控えた方が良いでしょう。また、水分をとらないことで脱水になり、検査結果が異常となることもあるため、検査前には水やお茶などカロリーがない水分を充分摂取しましょう。そして異常値が出た場合には医療機関を受診しましょう。
「血液検査」の異常で考えられる病気
「血液検査の異常」から医師が考えられる病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
腎・泌尿器系の病気
- 腎臓病
血液系の病気
- 貧血
- 血液疾患(白血病など)
消化器系の病気
- 肝臓病
- 膵炎
血液検査でわかる疾患は色々とあります。中には自覚症状があまりない病気もありますが、症状がなくとも放置せず、異常が出た場合には再検査をすることが重要です。血液検査で異常がある場合には医療機関を受診しましょう。