目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「赤血球が多い」ときは何を食べたらよい?医師が徹底解説!

「赤血球が多い」ときは何を食べたらよい?医師が徹底解説!

 公開日:2024/12/22

健康診断で赤血球が多いと言われたらどうすべき?Medical DOC監修医が血液検査の見方や基準値・主な原因と病気のリスク・対処法などを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『健康診断で「赤血球が多い」と診断される原因はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中川 龍太郎

監修医師
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)

プロフィールをもっと見る
奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。

健康診断・血液検査の「赤血球が多い」ときに気をつけたい病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「赤血球が多い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

多血症(赤血球増多症)

多血症とは、血液中の赤血球数、Hb濃度、Ht値が正常より高い状態を指します。
多血症は絶対的赤血球増多症と相対的赤血球増多症に分かれます。
絶対的赤血球増多症の原因は、慢性骨髄増殖性疾患に分類される真性多血症と、他の疾患のために生じる二次性の赤血球増多症があります。
相対的赤血球増多症では、脱水や下痢、嘔吐など急激な水分の喪失によって血液中の水分が減少するため、相対的に血球成分の濃度が上昇し、本来の血球数は変わっていなくても増加しているように見える状態です。
一方、絶対的赤血球増多症では血球の絶対数が増加しています。
特徴的な症状は、顔面が紅くなる、高血圧、頭痛、めまい、入浴後のかゆみといったものがあります。ただし無症状で全く気づかず、健康診断でたまたま指摘される場合もあります。
まず他の疾患による二次性赤血球増多症の場合では、元の病気に対しての治療を行います。そして真性多血症では、瀉血(しゃけつ)といって血を抜いて、体内の血液量を減らす治療法もあります。血液はあまりにも濃度が濃いと粘稠度が高くなり(ドロドロになり)固まりやすくなるため、血栓症予防を目的に行います。
受診すべき専門科は血液内科です。
緊急性の高い状態ではありませんが、手足が麻痺する、呂律が回らないといった、脳卒中を疑うような症状や、胸の痛み・息苦しさなどの狭心症を疑う症状が見られた際は、すでに血栓症を起こしている可能性があります。その際はすぐに救急外来を受診しましょう。

「赤血球が多い」ときの正しい対処法・改善法は?

ご自身でできる対応は限られていますが以下に列挙します。

  • 水分を多く摂取する
  • 禁煙する
  • 高強度のトレーニングは控える
  • 鉄分を摂取する

これらの行動は日常生活の中でも実施可能かと思います。ただし、これで解決するわけではありません。しっかりと検査を受け、赤血球数を含めた検査データの推移を把握し、必要に応じて精査を行うことが重要です。

「赤血球が多い」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「赤血球が多い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

健康診断で赤血球が多い、血が濃いと診断されたら多血症なのですか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

定義上は多血症、ということになります。

血液検査で赤血球が多く赤血球増加症の疑いがあるとどんな危険がありますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

上述の通り、赤血球増多症といっても分類がさまざまです。その中でより管理や治療に専門性が必要になるのは真性多血症です。真性多血症では血栓症のリスクがあります。

血液検査のヘマトクリット・MCV・MCHとは赤血球の何を測る数値ですか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

ヘマトクリット(Hct)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)の内容は以下に解説します。
ヘマトクリット(Hematocrit, Hct)は血液中の赤血球が占める割合をパーセンテージで示します。具体的には、血液を遠心分離した際に、赤血球が全血液体積に対してどれだけの割合を占めているかを測定します。
平均赤血球容積(Mean Corpuscular Volume, MCV)は赤血球一つあたりの平均的な大きさ、つまり体積を示します。この値は、貧血の分類(小球性、正球性、大球性)に役立ちます。
平均赤血球ヘモグロビン量(Mean Corpuscular Hemoglobin, MCH)は、一つの赤血球に含まれる平均的なヘモグロビンの重量を示します。MCHは赤血球の色素量を評価するのに用いられ、ヘモグロビンの平均的な量を反映します。

赤血球が多くなる原因を教えてください。

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

遺伝子変異、脱水、慢性的な低酸素状態、喫煙などがあります。詳細は上述の項目をご覧ください。

赤血球が多いときの対策方法や改善方法はありますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

水分摂取、鉄分摂取、禁煙する、高強度のトレーニングは控える、といった方法があります。

赤血球が多いと言われたら何科の病院を受診すればいいですか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

血液内科を受診してください。

赤血球が多いと診断されたのですが食事や食べ物で対策できますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

多くの場合、特定の食事では改善できません。

まとめ 健康診断で「赤血球が多い」と言われたら血液内科を受診!

今回は赤血球が多いと言われるパターンについて解説しました。上記の通り、考えられる病気も幅広く、ご自身で対応するのは難しい疾患も多いです。
検査で引っかかった場合は自己判断せず、早めに専門の医療機関を受診しましょう。

「赤血球が多い」で考えられる病気

「赤血球が多い」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

血液内科の病気

  • 真性多血症
  • 慢性疾患に関連した貧血(Anemia of Chronic Disease:ACD)
  • 二次性赤血球増多症

一般内科の病気

赤血球が多い、という検査項目から考えられる疾患は上記が挙げられます。何度も検査で指摘される場合は、脱水による可能性は低く、何らかの疾患が隠れている可能性がありますので、病院で相談してみましょう。

この記事の監修医師