「膵臓がんの原因」はご存知ですか?医師が解説!

※この記事はメディカルドックにて『「膵臓がん」を発症すると「腰にどんな痛み」を感じる?痛みを感じる原因も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)
目次 -INDEX-
「膵臓がん」とは?
膵臓がんとはどのような病気でしょうか。
膵臓とはお腹の中、胃や十二指腸の裏にある臓器で、いろいろなホルモンと出したり、血糖を下げたり、消化液を作る働きを担います。その膵臓に発生するがんを膵臓がんと言います。膵臓がんは膵臓がある位置により早期発見しづらく、また進行が早いため見つかった時点で進行がんとなっていることも多い病気です。ここでは膵臓がんについて解説していきます。
膵臓がんの主な原因
膵臓がんは様々な要因が重なって起こります。そのため、特定の原因がある=膵臓がんになる、というわけではありません。
ここでは膵臓がんになってしまう可能性のある病気やリスクとなり得るものを解説します。
喫煙
喫煙はさまざまながんと関連があり、喫煙することでがんを発症するリスクとなります。膵臓がんの場合も喫煙との関わりが報告されており、喫煙者の膵臓がん発症リスクは喫煙していないヒトに比べて1.6〜1.8倍となる、との報告もあります。
慢性膵炎
膵臓がんのリスクとして慢性膵炎も挙げられます。慢性膵炎とは、膵臓に長期的に炎症が繰り返し起こって発症する病気です。この場合、膵臓の組織がゆっくりと壊され、膵臓に石や石灰化を認め、膵臓の機能も徐々に落ちてきます。そのため、腹痛や消化不良による下痢、血糖の上昇などさまざまな症状を引き起こす事もあります。また、慢性膵炎はそうでない人に比べて膵臓がんになりやすいといわれ、報告によっては膵臓がんの発症リスクが10倍以上ともいわれます。
原因としては自己免疫(自分の免疫が自分の臓器などを攻撃してしまう)や原因不明の特発性などもありますが、大半はお酒です。アルコールを大量に飲み続ける事で慢性膵炎になってしまう事があるのです。
慢性膵炎になった場合は元の膵臓に戻すことはできません。禁酒をしてこれ以上悪くならないようにすること、症状があれば治療を行いますが、無くとも膵臓がんができていないか定期的に検査を受ける事が重要なのです。
膵嚢胞、膵嚢胞性病変
膵臓の中に嚢胞(水溜まりの袋)がある人は通常に比べて膵臓がんになりやすいと報告されており、要注意です。ただし、その嚢胞の中には、膵臓がんになる可能性のある良性腫瘍だった、という事もあります。代表的なものは膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)と言うものです。これは粘液を中に作る良性腫瘍ですが、時間経過とともに大きくなり、中にポリープのようなものを作る事があります。これががんの卵となるのです。また、そのようなものを作っていない場合でも、腫瘍と別の場所に膵臓がんを作ってしまう可能性が高くなる、と言う報告もあります。そのため、この病気となった場合、定期的に検査を受け、がんができていないか監視する事が重要なのです。
遺伝
膵臓がんは遺伝的な要素でもなりやすい場合があると言われています。血縁の中に膵臓がんの人がいると膵臓がんになりやすい、とされます。特に親、兄弟などの近親者に二人以上の膵臓がん患者がいる場合は「家族性膵がん」と言われます。
また、膵臓がんになりやすい遺伝子(BRCAなど)も報告されています。
「膵臓がんの腰痛」についてよくある質問
ここまで膵臓がんの腰痛などを紹介しました。ここでは「膵臓がんの腰痛」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
膵臓がんの他に腰が痛くなるがんはありますか?
岡本 彩那 医師
あります。膵臓もですが、背中や腰に近い場所にがんができた場合は腰痛が出る事があります。腎臓がんや、時には大腸がんでも出る可能性はあります。また、別の場所のがんであっても、背骨に転移してしまった場合は転移による腰痛が出てくる事があります。
編集部まとめ
膵臓がんは初期では無症状のことが多く、症状が出た時には進行している、と言うことがほとんどです。特に腰の痛みが出ている場合はほぼ進行がん、場合によっては末期であったとしてもおかしくありません。
膵臓がんのリスクを少しでも減らし、定期的に検診などを受ける事、もし膵臓がんを疑うような症状がある場合には早めに病院を受診する事が重要です。
「膵臓がん」と関連する病気
「膵臓がん」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
糖代謝系の病気
膵臓が原因で起こる主な病気を列挙しました。癌ではなくても類似の症状が出現することがあります。また、膵臓にこのような異常があった場合は膵臓がんのリスクともなりうるので、定期検査を受けることが重要です。
「膵臓がん」と関連する症状
「膵臓がん」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 背部痛
- 上腹部痛
- 下痢、脂肪便
- 黄疸
- 肝機能障害
- 腰痛
- 高血糖
膵臓がんは早期に発見することが難しいがんであることや、進行が早いため見つかった時点で進行がんとなっていることも少なくありません。早期の膵癌に特徴的な症状というものはありませんが、気になる自覚症状があれば一度医療機関で相談することも考慮してください。




