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「小腸がん」の初期症状はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2026/02/20
小腸がんの症状・初期症状

小腸がんの症状・初期症状とは?Medical DOC監修医が解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「小腸がん」の初期症状や発症しやすい年齢層はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

齋藤 雄佑

監修医師
齋藤 雄佑(医師)

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日本大学医学部を卒業。消化器外科を専門とし、現在は消化器外科、消化器内科、産業医を中心に診療を行っている。現在は岩切病院、永仁会病院に勤務。
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。

「小腸がん」とは?

小腸がんとは、小腸に発生する悪性腫瘍のことです。小腸は「十二指腸」「空腸」「回腸」という3つの部分からなり、小腸がんはこれらいずれの部位にも生じる可能性があります。発生する部位の割合は、十二指腸が約45%、空腸が約35%、回腸が約20%と報告されています​。 小腸がんにはいくつかの種類がありますが、一般的に、小腸がんというとこれらの中でも小腸にできる「腺がん」を指すことが多く、本記事でも主に腺がんを念頭に解説します。小腸がんの初期症状、原因、進行の速さ、かかりやすい年齢層、発症確率が低い理由、検査方法、治療方法などについて詳しく解説します。

小腸がんの主な症状

小腸がんは早期には自覚症状がほとんどないことが多いです​。腫瘍が小さいうちは症状が出にくく、気づかれないまま経過してしまいます。しかしがんが進行すると様々な症状が現れます。以下に小腸がんでみられる主な症状を解説します。

腹痛・腹部膨満感(お腹の痛みや張り)

小腸がんがある程度大きくなると、腹痛やお腹の膨満感(お腹が張る感じ)が現れることがあります。これは腫瘍が腸の中を部分的に塞いでしまい、腸の内容物の通過が悪くなるためにみられる症状です。腫瘍がさらに大きくなると腸閉塞(腸の詰まり)を起こし、激しい腹痛や吐き気を伴うこともあります​。普段とは違う腹痛や張り感が続く場合は注意が必要です。上記のような症状がある場合には消化器の専門医を受診し、必要な検査を受けることが早期発見につながります。

吐き気・嘔吐(食後のむかつき)

小腸がんが進行して腸管が狭くなると、食べ物が腫瘍部位で滞留しやすくなるため吐き気(悪心)や嘔吐の症状が現れることがあります。とくに食後しばらくしてから胃の内容物が腸に送られる際に、通過障害があると、むかつきや嘔吐を引き起こします。これらは腸閉塞症状とも呼ばれ、腫瘍によって腸が詰まり気味になることで生じる症状です。このような症状がある場合には消化器の専門医を受診し、必要な検査を受けることが早期発見につながります。

血便

小腸がんからの出血も重要な症状です。腫瘍から出血すると、便に血が混じる場合があります。ただし小腸は大腸より奥に位置するため、出血しても赤い鮮血が出ることは少なく、消化液と混ざって黒っぽいタール状の便(黒色便)として出ることがあります。肉眼では血が分からなくても、便潜血検査で陽性反応が出るケースも少なくありません。

貧血

腫瘍からの慢性的な出血が続くと、貧血になります。貧血になると疲れやすさ、めまい、動悸、顔色の蒼白などの症状が現れるため注意が必要です。小腸がんの患者さんは検診の便潜血検査が陽性だったり、原因不明の貧血が進行していたりすることで精密検査を受け、がんが発見されるケースが多くみられます。貧血症状(階段を上がると息切れする、立ちくらみがあるといった症状)が続くときには、胃や腸からの出血を念頭に医療機関で調べてもらうことが大切です。

小腸がんの前兆となる初期症状

症状が出にくい小腸がんですが、初期段階でまったく兆候がないのか?というと、必ずしもそうとは言い切れません。早期には自覚症状が乏しいとはいえ、注意深くみると「前兆」ともいえるサインが現れている場合があります。以下に、小腸がんの初期にみられる兆候について解説します。

便潜血検査の陽性反応

小腸がんのごく初期には目に見える血便が出ないことが多いですが、便潜血検査でわずかな出血を検出できる場合があります。便潜血検査とは便に微量の血液が混じっていないか調べる検査で、大腸がん検診などでも行われている検査です。健康診断で「便潜血陽性」と指摘された場合、大腸カメラだけで異常が見つからなくても、小腸を含めた消化管全体のどこかで出血している可能性があります。安易に放置せず、必要に応じて消化器内科で追加の検査を相談しましょう。

貧血による症状(疲れやすい・めまいなど)

先述のとおり、小腸がんは初期から慢性的な出血を伴うことで鉄欠乏性貧血という状態になることがあります。顔色が優れず皮膚や粘膜が白っぽい感じになることもあります。貧血は消化管からの持続的な出血を疑わせるサインの一つです。特に閉経後の女性や男性で貧血がみられる場合、胃や大腸の検査を含め念のため調べておくことが推奨されます。小腸がんでも貧血が初発症状となるケースがあり注意が必要です。

軽い腹痛や消化不良感

小腸がんは初期の段階では、かすかな腹部の違和感を感じる方もいます。特に腫瘍が十二指腸にある場合、胃の症状と区別がつきにくく、胃の不調と誤認されることもあります。胃薬を飲んでも改善しない胃部不快感や腹部の軽い痛みが慢性的に続く場合には、消化器専門医を受診して精密検査を受けることが望ましいでしょう。

体重減少・食欲低下

小腸がんの初期には目立つ症状がない分、体重減少や食欲低下などの全身の症状がでることがあります。がん細胞は増殖する際にエネルギーを消費し、また炎症を起こし、食欲を落とすことがあります。そのため、本人は普通に生活しているつもりでも徐々に体重が減っていく場合も少なくありません。特に中高年以降でこのような変化に気づいたときは、念のため消化器系の検診を受けるのがおすすめです。

「小腸がん」についてよくある質問

ここまで小腸がんについて紹介しました。ここでは「小腸がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

小腸がんの生存率はどれくらいなのでしょうか?

齋藤 雄佑齋藤 雄佑 医師

小腸がんの5年生存率(診断から5年後に生存している割合)はステージ(病期)によって大きく異なります。国立がん研究センター中央病院でのデータによれば、腺がんの場合でステージⅠは約80~85%、ステージⅡで約78~86%、ステージⅢAで約52%、ステージⅢBでは約21%と報告されています。

小腸がんは希少がんに分類されるのでしょうか?

齋藤 雄佑齋藤 雄佑 医師

はい、小腸がんは典型的な希少がん(まれながん)です。希少がんの定義は「患者数が少なく診断や治療の確立が難しいがん」で、国際的には人口10万人あたり年間発症6人未満とされています。小腸がんはまさに該当しており、日本でも発症率が非常に低い希少ながんの一つです。

編集部まとめ 小腸がんは専門機関での検査が必要

小腸がんは小腸に発生する希少ながんで、症状が出にくく早期発見が難しい疾患と言えます。小腸はがんになりにくい臓器であり、発症頻度は非常に低いです。診断にはカプセル内視鏡やダブルバルーン内視鏡など特殊な検査が必要です。治療は手術が中心で、進行例には抗がん剤治療も行われます。小腸がんは40〜60代に多く、症状やリスク因子に注意し、気になることがあれば早めに医療機関を受診してください。日頃から健康管理を心がけ、消化管の健康にも目を向けて過ごしましょう。

「小腸がん」と関連する病気

「小腸がん」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

良性疾患から悪性疾患まで幅広い疾患と関連がありますので、気になることがあれば医療機関でご相談ください。

「小腸がん」と関連する症状

「小腸がん」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
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症状のみではほかの病気との区別がつきづらいです。気になる症状があれば、すぐに医療機関で相談してください。

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