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「大腸がんはヨーグルトで予防」できるの?予防する可能性の高い食べ物も解説!

 公開日:2025/12/22

大腸がんはヨーグルトで予防できるの?メディカルドック監修医が大腸がんを予防する可能性の高い食べ物などを解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「大腸がんはヨーグルトで予防」できるの?発症のリスクを上げやすい食べ物も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

和田 蔵人

監修医師
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)

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佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。

「大腸がん」とは?

大腸は食べ物を消化・吸収する消化管の最後の通り道です。約1.5m~2m程度の長さがあると言われ、小腸からつづく臓器です。大腸は結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸に分けられます。大腸がんはこの大腸の内側の粘膜から発生するがんです。近年、大腸がんの罹患数は増加傾向にあり非常に注意が必要ながんの一つです。

大腸がんはヨーグルトで予防できるの?

ヨーグルトは乳酸菌やビフィズス菌が含まれているため、腸内細菌を整えおなかに良いと聞いたことがあるのではないでしょうか?確かに、おなかの調子が悪い時に整腸剤を服用して、症状が改善した経験を持つ方もいらっしゃると思います。
これは、大腸がんの予防もできるということなのでしょうか?
一部の研究では、ビフィズス菌BB536を含むヨーグルトを摂取することにより、大腸がんのリスクと考えられている毒素産生型フラジリス菌を減少させたと報告されています。しかし、この報告は限定的であり、一般的なヨーグルトの大腸がん予防効果についてははっきり分かっていません。今後の研究が期待されます。
少なくとも今の段階では、ヨーグルトが大腸がんを予防するとは言いきれませんが、おなかの調子を整える意味では良い食材であると言えます。

大腸がんを予防する可能性の高い食べ物

野菜・きのこなどの食物繊維

食物繊維の摂取量と大腸がんのリスクを調べた研究では、食物繊維の摂取が極端に少ない場合、大腸がんのリスクは高くなることが分かっています。しかし、量が多いほど大腸がんのリスクが低くなるわけではないようです。少なくとも、食物繊維をしっかり摂取してバランスの良い食事を心がけることが必要です。食物繊維は野菜やきのこなどに多く含まれています。これらの食材を積極的に取り入れましょう。

コーヒー

コーヒーにはカフェインやポリフェノールが含まれています。ポリフェノールのうち特にクロロゲン酸やカフェ酸は抗酸化作用が強く、がんの予防効果が期待されています。日本で行った研究では、コーヒーを1日に3杯以上飲む女性では浸潤結腸がん(粘膜を超えて進行している大腸がん)のリスクが低下することが報告されています。男性ではこの傾向はみられませんでしたが、この理由として男性では飲酒や喫煙の影響が強いためコーヒーの予防効果がはっきりしなかったのではないかと考えられます。
しかし、コーヒーを飲みすぎることで胃炎や胃潰瘍の危険性が高まることも考えられます。適量のコーヒーを楽しむことが良いでしょう。

牛乳・カルシウム

カルシウムを多く摂取している群では、少ない群と比較して大腸がんの発生率が低い結果でした。また、カルシウムの吸収に関与するビタミンDも併せて多く摂取している群では最も大腸がんの発生率が少なかったと報告されています。カルシウムは腸内で胆汁酸と結合して腸管を刺激するのを防ぐ働きや、細胞分裂を調整する役割があり、これらの作用により大腸がんの発症を抑えているのではないかと考えられています。
カルシウムは、牛乳やヨーグルトの他にアーモンドなどのナッツ類、切り干し大根、モロヘイヤ、大根やかぶの葉、小松菜、しらすや干しエビなどに多いです。また、ビタミンDはサケ、サンマ、イワシ、カツオなどの魚やきくらげ、干しシイタケなどのきのこ類、さつま揚げや卵黄などに多く含まれています。これらの食材を上手に使い、バランスのよい食事をしましょう。

ニンニク

ニンニクを摂取することで、大腸がん発生リスクが減少すると言われています。しかし、まだはっきりしていない部分も多く、今後の研究結果が待たれます。ニンニクが大腸がんの予防となる可能性が高く、積極的に取り入れたい食材ですが、生のニンニクを食べすぎることで胃に負担がかかることもあります。無理のない範囲で料理に取り入れていきましょう。

「大腸がんの予防・ヨーグルト」についてよくある質問

ここまで大腸がんの予防・ヨーグルトなどを紹介しました。ここでは「大腸がんの予防・ヨーグルト」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

ヨーグルトは大腸がん以外のがん予防をすることができるのでしょうか?

和田 蔵人和田 蔵人 医師

ヨーグルトには乳酸菌という体に良い菌が含まれています。乳酸菌のうちLG21菌には、ピロリ菌を減らす効果があったり、ピロリ菌が胃粘膜に付着するのを防ぐ効果があると報告されています。ピロリ菌の感染は胃がんの危険因子です。このため、一部のヨーグルトではピロリ菌の感染を予防することにより胃がんを予防している可能性があります。しかし、ヨーグルトのみでは不十分であり定期的な検診が重要です。

編集部まとめ 大腸がんを予防するには、まず生活習慣の改善から

大腸がんを予防するために、生活習慣を見直すことはとても大切です。予防に有効であると言われている食材や生活習慣を取り入れ、大腸がんとならないように気をつけましょう。良い生活習慣を取り入れ、生活を過ごすことは大切ですが、それだけでは不十分です。特に、大腸がんは近年徐々に増加しており、現在では最も多いがんとなっています。普段から生活習慣や食べ物に気を付けるのと同時に、大腸がん検診を受け、早期発見するようにしましょう。

「大腸がん」と関連する病気

「大腸がん」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

大腸がんと似た症状がみられ、区別がつきづらい病気は多くあります。上記に挙げた病気もごく一部です。血が混じった便が出たり、腹痛や吐き気など大腸がんを疑う症状がある場合には早めに消化器内科で相談をしましょう。

「大腸がん」と関連する症状

「大腸がん」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

大腸がんは初期では症状があまりなくわかりづらいがんです。また、上記の様な症状がある場合大腸がんも考えられますが、他の疾患の可能性もあり症状からは区別がつきません。気になる症状がある場合には消化器内科を受診しましょう。

この記事の監修医師