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「大腸がんの主な5つの原因」はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2024/11/13

大腸がんを発症すると体のどこに痛みを感じる?Medical DOC監修医が大腸がんの初期症状・痛みを感じる部位・原因・検査法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「大腸がん」を発症すると体のどこに「痛み」を感じるの?初期症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

齋藤 雄佑

監修医師
齋藤 雄佑(医師)

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日本大学医学部を卒業。消化器外科を専門とし、現在は一般外科、消化管内視鏡検査、生活習慣病を中心に診療を行っている。現在は岩切病院、高砂内科・消化器科クリニックに勤務。
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。

「大腸がん」とは?

大腸がんは、結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸に発生するがんです。大腸がんは2019年の統計では、部位別のがんの罹患数が男女別ではそれぞれ2位ですが、男女を合わせると1位となる罹患率の高いがんです。大腸がんは食の欧米化とともに増加し、年齢層では40歳から増加し始めます。大腸がんとその初期症状や痛みの部位を理解して、適切な検査を受けることが重要です。

大腸がんの主な原因

日本において、大腸がん、特に結腸がんは最近の罹患数の増加が著しいため、その生活習慣の変容の影響が注目されています。ここでは大腸がんの原因として特定されているものを解説していきます。自分の症状に当てはまっていないか、確認の上、改善に取り組みましょう。

たばこ

たばこには発がん性の強いニトロソアミン類やダイオキシン類、カドミウムなどの金属、ホルムアルデヒド、PM2.5などの危険な物質が含まれます。日本人の男女を対象とした研究で喫煙者は、非喫煙者と比較して、大腸がんの発生率が1.4倍で、禁煙者でも1.3倍でした。たばこは健康面で百害あって一利なしです。禁煙するのが理想的ですが、自分で禁煙できないときは禁煙外来を受診しましょう。

過剰な飲酒

アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドは、飲酒後に顔が赤くなる、気分が悪くなる、頭痛がする、などの症状の原因になる物質です。アセトアルデヒドががんの発生にかかわると考えられます。日本人男性を対象とした研究で、アルコール摂取量が日本酒にして1日平均1合以上2合未満の人は、飲酒しない人に比べて、大腸がんの発生率が1.4倍、1日平均2合以上の人は、2.1倍であったとする研究があります。飲酒は適量にとどめましょう。適量の飲酒とは日本酒で1合、度数5%のビールで500ml、度数25%の焼酎で100ml程度です。アルコールの依存性が高いため、やめたくてもやめられない状態になりやすいです。お悩みの際はお近くの内科で相談しましょう。

肥満

日本人男性の場合、Body Mass Index(BMI)25kg/m2未満に比べて、BMI27 kg/m2以上で大腸がんのリスクが1.4倍上昇することが研究で示されています。またその数値が増えれば増えるほどリスクも上昇する傾向が出ています。肥満になると血糖を下げるインスリンが効きにくい身体になります。血糖を正常にするにはインスリンが大量に必要になり、高インスリン血症やインスリン様成長因子の分泌量の過多を招きます。この状態が大腸がんと関係している可能性が示唆されています。BMI27 kg/m2以上の肥満がある方は減量をおすすめします。

大腸ポリープ

大腸がんの多くは大腸腺腫というポリープががん化して発生します。大腸腺腫の発生の原因には前述の喫煙や飲酒、肥満や食生活などの生活習慣が関わっていると言われています。大腸がんや大腸腺腫の発生に関わる生活習慣を持っている人は注意が必要です。大腸ポリープがあると言われている人は定期的な消化器内科医の診察や大腸カメラを受けることをおすすめします。

糖尿病

約259万人を分析した研究で糖尿病がない場合と比較して、糖尿病は大腸がんのリスク増加と関連していることがわかっています。高血糖による酸化ストレスが、細胞レベルでのDNA損傷を与えることが、がん化の原因と考えられています。糖尿病の方はかかりつけで適切な治療を受けた上で、若い年齢から積極的に大腸がん検診を受けることをおすすめします。

大腸がんの検査法

大腸がんの主な検査は便潜血検査と大腸内視鏡検査があります。大腸がん検診では便潜血検査を行い、陽性になった方には二次検診として大腸内視鏡検査に進むことになっています。大腸がんは一度の検査で見つからない場合もあるので、定期的な受診が必要です。

便潜血検査

便潜血検査は便の中に赤血球の成分であるヘモグロビンがあるかどうかを抗体を用いて判定します。大腸がん検診では40歳以上の方に便潜血検査の2日法を毎年行うことを推奨しています。便潜血検査が陽性であれば、大腸内視鏡検査を行い、大腸がんや大腸ポリープの有無を検査します。便潜血検査は大腸がん検診の項目にも入っており、一般内科・消化器科で検査可能です。

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査は肛門から大腸をカメラで見る検査です。一般的には全大腸を観察する全大腸内視鏡検査のことを指します。全大腸内視鏡検査を受けることで大腸がんの罹患リスクを67%減少することが示唆されています。40歳以上の方、血便などの症状がある方、大腸がん検診で陽性になった方、すでに大腸ポリープなどがある方は積極的に消化器科で検査を受けましょう。

「大腸がんの痛み」についてよくある質問

ここまで大腸がんの痛みなどを紹介しました。ここでは「大腸がんの痛み」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

手遅れとなる大腸がんの症状について教えてください。

齋藤 雄佑齋藤 雄佑 医師

腹部の強い張りや嘔吐を繰り返す、食事が摂れないような症状が出るときは、大腸がんが進行して腸閉塞を起こしている可能性があります。このような症状が出た場合にはすぐに内科救急を受診しましょう。

大腸がんを発症すると便はどんな色になりますか?

齋藤 雄佑齋藤 雄佑 医師

大腸がんの特徴的な症状に血便があります。大腸がんによる血便の色は鮮やかな赤色の場合が多いとされています。対照的に、胃などの口に比較的近い部位からの出血では便が黒色になることが多いので、知っておきましょう。

編集部まとめ

大腸がんは日本人の男女で罹患率が高いことで今日注目されているがんです。その原因の全てがわかっているわけではありませんが、飲酒や喫煙、食生活などの生活習慣を避けることでリスクを下げられます。また、大腸がんは早期に発見できれば非常に良好な予後が期待できるがんです。40歳以上の方は大腸がん検診や定期的な健康診断により、なるべく早期で大腸がんが発見できる体制を整えておくことが重要です。

「大腸がんの痛み」と関連する病気

「大腸がんの痛み」と関連する病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

血液科の病気

婦人科の病気

大腸がんによくみられる症状の腹痛は、大腸がん以外の病気でも起こることもあります。痛みが出現し長引く場合には、我慢せず内科もしくは消化器科を受診することをお勧めします。

「大腸がんの痛み」と関連する症状

「大腸がんの痛み」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

痛みとともに上記のような症状が出現した場合には大腸がんによる痛みかもしれません。特に症状が持続している場合には早めに医療機関を受診することをお勧めします。

この記事の監修医師