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「胃がんの前兆となる5つの初期症状」はご存知ですか?医師が解説!

 公開日:2024/09/10

胃がんの初期症状とは?Medical DOC監修医が胃がんの初期症状・なりやすい人の特徴・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「胃がんの前兆となる5つの初期症状」はご存知ですか?予防法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

「胃がん」とは?

胃がんは、胃の壁の内側をおおっている正常な粘膜細胞が何らかの原因でがん細胞となり、増殖していく病気です。早期の段階では、がんは粘膜にとどまっていますが、胃の壁の深くまで進行すると、胃の外側にも達し、胃の近くにある大腸や膵臓、肝臓、横隔膜などの他の臓器にも直接浸潤(しんじゅん)していきます。
がんが漿膜を超えていくと、お腹の中にもがん細胞が散らばってしまう、腹膜播種(はしゅ)が起こってしまうこともあります。そして、がん細胞がリンパの流れに乗って、胃の近くのリンパ節や大動脈の周りのリンパ節、また遠く離れた左の鎖骨の上のリンパ節にも転移がみられることがあります(リンパ節転移)。さらに、がん細胞が血流に乗って、肝臓や肺などの別の臓器に転移することもあります(遠隔転移)。
胃がんの原因としては、ヘリコバクター・ピロリ菌への感染が挙げられます。このヘリコバクター・ピロリ菌に感染すると、胃の炎症や胃潰瘍ができることがあり、胃がんになる可能性が高くなってしまうことがわかっています。
胃がんの初期症状については、後ほど詳しく解説していきます。進行した胃がんの場合には、体重が減少する、食事がつかえる感じがする、といった症状が現れます。また、皮膚に激しいかゆみを伴う色素沈着が生じる、黒色表皮種という病気を合併することもあります。この黒色表皮種は、悪性腫瘍に伴う悪性型や、その他の良性型・仮性型といったタイプがありますが、悪性腫瘍の場合には胃がんの頻度が高いとされています。

胃がんの前兆となる初期症状

では、胃がんの前兆となるような症状について解説します。
胃がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどなく、健康診断のバリウム検査や内視鏡検査などで発見されることも多いとされています。
一方で、下記のような症状も胃がんの初期症状の可能性として挙げられますので、チェックしていきましょう。

胃の痛み

胃がんの原因の一つであるヘリコバクター・ピロリ菌が胃に感染すると、慢性胃炎から萎縮性胃炎、そして胃の粘膜の変性、胃がんへと進んでいきます。その経過の中の慢性胃炎や萎縮性胃炎の症状として、胃の痛みが出るのです。
また、胃がんそのものによる痛みの可能性もあります。なかなか治らない胃の痛みがあるような場合には、消化器内科を受診するようにしましょう。

胃もたれ

胃もたれも、胃がんの背景となるヘリコバクター・ピロリ菌による慢性胃炎の症状のひとつとして挙げられます。もちろん、すべての慢性胃炎が胃がんに進行するわけではありません。しかし、胃もたれが長引く場合には消化器内科を受診したほうがよいでしょう。

胸やけ

胸焼けも、胃がんの初期症状の一つです。胸焼けは胃がんそのものによる症状というより、胃がんと同時に生じていることも多い慢性胃炎の症状として生じることがあります。

吐き気・げっぷ

胃がんの症状として、吐き気も挙げられます。がんが大きくなってくると、消化管の通過障害が起こり、胃の内容物が消化管を引き延ばすことで吐き気を催す、といったことが起こります。また、消化管内にガスがたまると、げっぷとして、音を伴って食道や口を経て体の外に排出されます。そのため、吐き気を伴うげっぷの症状がみられるような症状が気になるようであれば、念のため消化器内科を受診したほうがよいでしょう。
おならも、排ガスが増えるという点ではげっぷに似ていますが、胃がんによるゲップの原因は通過障害であるため、通過障害を起こしている部分より後ろ側の排ガスである“おなら”は胃がんとの関連は低いです。

黒い便

早期胃がんでも、がんから出血することで便に血が混じり、黒い便がでることがあります。
胃がんからの出血は、貧血の原因ともなります。
自分では気づかないうちに貧血が進行しており、健康診断などで異常を指摘され、消化管のチェックをしたところ、胃がんがみつかることもあるのです。また、排便についても、通常の便と比べて黒っぽいものが出るようなことが続く際には、早めに消化器内科を受診しましょう。

「胃がんの初期症状」についてよくある質問

ここまで胃がんの初期症状を紹介しました。ここでは「胃がんの初期症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

胃がんの手遅れとなる末期症状を教えて下さい。

木村 香菜医師木村 香菜(医師)

胃がん末期の症状としては、胃ががんによって正常に機能しなくなり、胃からの栄養吸収や消化ができなくなることにより体重が減ってきます。また、末期に腹水が溜まり、足のむくみや排尿障害もでてきます。そして、胃以外の臓器にも転移します。胃がんでは肝臓への転移が起こりやすく、その際には腹痛・背部痛や倦怠感、黄疸などが現れます。

編集部まとめ

今回は、胃がんの初期症状について解説しました。
早期の段階では、胃がんではほとんど症状が出ない場合が多いですが、胸焼けなどの症状が出現することもあります。気になる症状があれば、早めに消化器内科を受診しましょう。

「胃がんの初期症状」と関連する病気

「胃がんの初期症状」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

胃がんの初期症状と同じような症状を呈する可能性のある病気にはいくつかあります。胸焼けや吐き気、胃の痛みといった症状が続く場合には、消化器内科を受診するようにしましょう。

「胃がんの初期症状」と関連する症状

「胃がんの初期症状」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

胃の痛みや不快感があり、市販薬の胃薬などを飲んでも良くならないといった場合には、消化器内科を受診するようにしましょう。

この記事の監修医師