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「くも膜下出血の初期症状」はご存知ですか?受診の目安となる症状も解説!

 公開日:2026/03/16
くも膜下出血の初期症状

Medical DOC監修医がくも膜下出血の初期症状などを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はメディカルドックにて『「くも膜下出血」を発症すると「目」にどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師解説】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

村上 友太

監修医師
村上 友太(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。
2011年福島県立医科大学医学部卒業。2013年福島県立医科大学脳神経外科学入局。星総合病院脳卒中センター長、福島県立医科大学脳神経外科学講座助教、青森新都市病院脳神経外科医長を歴任。2022年より東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医、健康経営エキスパートアドバイザー。

「くも膜下出血」とは?

くも膜下出血は、脳を覆っている膜のすき間から出血してしまう、非常に重い病気です。脳は三層の薄い膜に覆われています。このうち、「くも膜(くもの巣のような膜)」と「軟膜(脳の表面に密着している膜)」の間にある空間(これをくも膜下腔といいます)に出血が起きるのが、くも膜下出血です。
この病気は「脳卒中」の中でも特に亡くなる方が多く、もし命が助かったとしても、重い後遺症が残ってしまう可能性が高いことで知られています。
ほとんどの原因は、脳の血管にできた膨らみ(「脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)」)が破裂することです。
くも膜下出血の最も有名な症状は、「バットで殴られたような」「これまでに経験したことのない」と表現される、突然の激しい頭痛です。しかし、この激しい頭痛と同時に、あるいは頭痛が起きる前に、「目」に異常が現れることがあります。
目の異常(見え方の異常や、眼球の動きの麻痺)は、単なる付随する症状として見過ごされがちです。しかし、実際には、目の症状は大出血が起こる前の「警告(予兆)」である場合や、脳がどれほど深刻なダメージを受けているかを測る非常に重要なサインとなることがあります。
目やまぶたの動きを司る大事な脳神経(神経の束)は、動脈瘤ができやすい場所のすぐ近くを通っています。そのため、目の症状は、一刻を争う緊急事態かどうかを判断するための、重要な手がかりとなるのです。

くも膜下出血の前兆となる初期症状

くも膜下出血が起こる数時間~数日前には、動脈瘤からのごくわずかな出血(警告出血)によって、以下のような前兆症状が現れることがあります。
救急車を呼ぶ際や、受診時には、症状がいつ始まったか(発症時刻)、頭痛の程度、目の状態(瞳孔の大きさ、まぶたの開き具合)を正確に記録し、救急隊員や医師に伝えられるように準備してください。

警告頭痛

くも膜下出血の前兆として最も重要なのは「警告頭痛」です。これは、本番の激しい頭痛ほどではないものの、「いつもとは違う」、または「首の痛みを伴う」頭痛として現れます。
この症状は、動脈瘤が不安定になり、数時間から数日以内に命にかかわる破裂に至る危険性があることを示唆しています。
すぐにできる処置、症状の落ち着かせ方はあるか: すぐにできる応急処置はありません。症状を落ち着かせようとせず、安静を確保し、直ちに医療機関を受診する準備をしてください。

吐き気・嘔吐、血圧の乱高下

激しい頭痛に加えて、吐き気・嘔吐が止まらないことがあります。また、出血によって一時的に脳が圧迫されると、自律神経(体の機能を自動で調節する神経)が乱れ、血圧が急激に上がったり下がったりする(乱高下)ことも前兆の一つとして報告されています。
すぐにできる処置、症状の落ち着かせ方はあるか: すぐにできる応急処置はありません。安静を保ち、吐き気が強い場合は、吐いたものが気管に入らないように横向きに寝かせるなどして注意しましょう。

意識の変化や頭の違和感

軽い意識の変化(ぼんやりする、話している内容のつじつまが合わない)や、頭の中に「いつもと違う違和感」を感じることが前兆となる場合があります。
すぐにできる処置、症状の落ち着かせ方はあるか: 意識の変化が見られたら、周囲の人はパニックにならず、無理に動かさず、楽な姿勢で寝かせて安静を確保し、直ちに医療機関を受診する準備をしましょう。

すぐに病院へ行くべき「くも膜下出血の前兆」

ここまではくも膜下出血の前兆となる症状を紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

瞳孔に異常な症状がある場合は、脳神経内科・脳神経外科へ

まぶたが突然完全に下がる(眼瞼下垂)、または左右の瞳孔の大きさが違う(瞳孔不同)という症状は、動脈瘤が破裂寸前の動眼神経を直接圧迫していることを示す、最も危険な目のサインです。また、激しい頭痛や意識の変化、呼吸の異常(いびきなど)を伴う場合は、生命に関わる危機的状況です。これらの症状がある場合は、一刻を争うため、迷わず119番通報を行い、迅速な診断・治療が可能な脳神経外科または脳神経内科のある専門病院へ搬送してもらいましょう 。

受診・予防の目安となる「くも膜下出血の前兆」のセルフチェック法

・これまでに経験したことのない頭痛症状がある場合
・一時的な目のかすみや、軽いめまいを感じる症状がある場合
・特に心当たりのない血圧の急激な上昇や低下が続く場合
・片側のまぶたが急に垂れ下がった、または左右の瞳孔の大きさが違う場合

「くも膜下出血と目」についてよくある質問

ここまでくも膜下出血と目について紹介しました。ここでは「くも膜下出血と目」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

脳に異常があると目にどんな症状が現れることが多いですか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

脳の異常はしばしば目に様々な症状となって現れます。代表的なものは、目の動きや瞼(まぶた)に関する異常です。脳から眼球運動を支配する神経に問題が生じると、物が二重に見える(複視)ようになったり、まぶたが十分に持ち上がらなくなる(眼瞼下垂)ことがあります。実際、脳動脈瘤など脳内の異常が原因で、片目の眼瞼下垂や複視が起こるケースがあります。また、脳の視神経や視覚をつかさどる領域が圧迫・損傷されると、視野の一部が欠ける(見える範囲に黒い部分が生じる)、視力が急に低下するといった症状も現れます。さらに、脳圧の上昇や脳の膜(髄膜)への刺激によって、光を見ると眩暈や痛みを感じる(光過敏)症状が出ることも多いです。このように脳のトラブルは目の異常となって表面化することが多いため、目の症状から脳の病気が見つかるケースも少なくありません。

まとめ

くも膜下出血は突然発症しうる非常に重篤な病気です。発症すると約半数が死亡するとされ、たとえ助かっても後遺症を残す可能性が高いため、発症自体を防ぐことが何より重要です。
目に現れる異常は脳の異常を示すサインになり得ます。視野の欠損、複視や眼瞼下垂、瞳孔の左右差、光過敏といった症状がみられたら要注意です。これらを決して見逃さず、早期に専門医を受診することで命に関わる事態を避けられる可能性があります。
くも膜下出血のリスクを下げるため、日頃から予防に努めましょう。具体的には、高血圧の予防・治療、禁煙、節度ある飲酒、適度な運動や減塩など健康的な生活習慣の維持が大切です。また家族に脳卒中歴がある方は脳ドック等で未破裂動脈瘤のチェックも検討してください。早めの対策で大切な命を守りましょう。

「くも膜下出血」と関連する病気

「くも膜下出血の前兆」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経系

くも膜下出血の最も典型的な症状は突然の激しい頭痛ですが、目(視覚や眼球の動きなど)の異常をきっかけに見つかる場合もあります。

「くも膜下出血」と関連する症状

「くも膜下出血」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 突然の強い頭痛
  • 首や肩こりのような頭痛
  • 失神
  • 意識障害
  • 手足の麻痺
  • 急に瞼が下がる
  • 物が二重に見える

突然これらの症状が出現した場合には、すぐに救急車を呼んで病院を受診するようにしてください。

この記事の監修医師