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肝嚢胞の症状・原因・治療方法についてご案内

 更新日:2023/03/27

肝嚢胞(読み方:かんのうほう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長

肝嚢胞とは

肝臓の中に液体が貯留した状態を肝嚢胞とよび、健診でしばしばみつかる病気です。良性の疾患で体への影響はほとんどないため、小さな嚢胞は放置しても問題なく、1~2年毎に検査を行えば十分です。嚢胞が大きくなり、胃や腸などの周囲の臓器を圧迫して症状が出るとき、嚢胞が出血などにより大きくなり、痛みを生じるとき、嚢胞の内腔にポリープや腫瘍が出現したときは、治療の対象になります。腫瘍であれば外科的に病変を含め肝臓を切除し、良性の嚢胞の場合は内容液をドレナージ(排液)することも有効で、病態に応じた治療法が選択されます。

引用:東部地域病院
http://www.tobu-hp.or.jp/section/hepatobiliary-pancreatic/liver/06/index.html

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長監修ドクターのコメント
肝嚢胞に関しては、健康診断などで腹部の超音波検査を行った際に、たまたま発見されることが多いです。複数発見されることもあり、大きなものでは手拳大のものも見られます。基本的に多くが無症状ですが、嚢胞が大きくなってくると、おなかが貼ったり、胃が気持ち悪くなるといった症状が出てくることもあります。
主な原因として、胆管の形成不全が原因の先天性(生まれつき)の場合と、寄生虫や、炎症、腫瘍、外傷などが原因の後天性の場合のものに分けられます。
基本的に治療の必要のないことがほとんどですが、症状が出てきた場合は、治療をお勧めしています。

肝嚢胞の症状

多くは無症状です。大きくなれば、腹部腫瘤(しゅりゅう)の自覚、腹部膨満感(ぼうまんかん)、腹部鈍痛、胃部の不快感、吐き気などが現れることがあります。
嚢胞内に感染が起これば、発熱、腹痛など肝膿瘍(かんのうよう)に似た症状を示します。嚢胞内に出血すれば、急激な腹痛やショック状態を起こすこともあります。腫瘍性や寄生虫性肝嚢胞では、病気の進行に応じて、前記の症状に加えて黄疸(おうだん)、浮腫などが現れます。

引用:gooヘルスケア
https://health.goo.ne.jp/medical/10I50900

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長ドクターの解説
基本的にほとんどの場合、症状なく経過していきます。治療が必要ないことがほとんどですが、もし、下記のような症状がおこる場合には、治療をお勧めしています。

●治療が必要だと思われるもの

①嚢胞が巨大化し、胃や腸などの圧迫症状をおこすもの
(お腹が膨らんだり、張ってきたり、胃が気持ち悪くなったりすることがあります。)
②感染や出血を伴うもの
(お腹が痛んだり、熱が出たりすることがあります。)
③壁の不整など悪性所見を疑うもの

などがあります。

肝嚢胞の原因

ほとんどが先天性で良性の病気です。原因が明らかなものとして、外傷性、炎症性、腫瘍性、寄生虫性などの嚢胞があります。肝臓だけでなく腎臓、膵臓(すいぞう)、脾臓(ひぞう)、卵巣などに多発する嚢胞を形成する場合もあります。

引用:gooヘルスケア
https://health.goo.ne.jp/medical/10I50900

肝嚢胞の検査法

GOT、GPT、γ-GTPは全く異常がありません。しかし、エコーをすると黒くて丸いものが見える。これもなんら問題のない病気ですが、時々のう胞の中に腫瘍が出来ることがあるので、見ておく必要があります。通常の場合は、胎生期に胆汁が流れる管が何らかの関係で詰まってしまったのが原因です。心配ないと申しましたが、ある事例では中が白っぽく写るようになり、袋の内側の細胞が増えてくる肝のう胞腺腫というのがまれにあります。

肝のう胞は、安心なのですが出来たら超音波を受けておくと良いでしょう。大きくなって出血することもあると思って、年1回ぐらいは診察を受けておくといいと思います。

引用:鳥取県医師会
http://www.tottori.med.or.jp/alacarte/2%EF%BC%8E健康診断でみつかる肝臓病とその対策

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長監修ドクターのコメント
症状がない場合がほとんどですので、人間ドックや健康診断時などの腹部超音波検査やCT検査でたまたま発見されることが多い疾患です。しかし、時によって壁の肥厚や不整が見られる場合もまれにあり、注意が必要です。肝嚢胞に関しては、非寄生虫性のものと寄生虫性のものがありますが、寄生虫性のものはごく稀です。非寄生虫性のものとしては、先天性、炎症性、腫瘍性、外傷性があります。その中でもほとんどのものは、先天性(生まれつき)で良性です。

肝嚢胞の治療方法

治療法は、嚢胞に針をさして内容液を吸引した後、その中にアルコールを注入してのう胞の内側の細胞を固定する方法が一般的です。これにより、内容液の分泌がなくなり、その後圧迫症状などがなくなります。そのほかに、嚢胞壁切除、開窓術、肝部分切除などが行われることもあります。

引用:寿製薬
https://ssl.kotobuki-pharm.co.jp/guide/guide03-29

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長監修ドクターのコメント
ほとんどの場合、症状がないので、定期的に検査するだけで、特に治療も必要ありません。もし、胃や腸などの圧迫症状が強い場合や、感染や出血を伴ったりした場合などで、
お腹が膨らんだり、張ってきたり、胃部不快感、吐き気などの症状が出てきた場合は、治療が必要になってきます。内科的治療では、腹壁から嚢胞を穿刺し、内容物をドレナージします。その後に無水エタノールや塩酸ミノサイクリン注入を行い、再発予防を行います。外科手術では、嚢胞切除術や嚢胞開窓術、肝切除術などが行われます。ほとんどの肝嚢胞は治療が必要になることはありませんが、稀に、嚢胞が原因でさまざまな症状を伴う場合もありますので、定期的な経過観察をされることをお勧めします。


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