「眼圧検査」で何がわかるかご存知ですか？費用についても医師が解説！

眼圧検査とは？

目に空気を当てる検査をしたことがある人もいると思います。これは眼圧検査という眼科の検査です。この検査は突然空気を当てられてびっくりするので苦手という方もいるかもしれません。なんのためにこのような検査があるのかご存知でしょうか。
この記事では眼圧検査と、それによってわかること、よくある質問などについて解説します。この記事を読めば眼圧検査の仕組みがよく分かるようになります。

眼圧検査とは目のどんな検査？

眼圧検査は目の硬さを調べる検査です。一般的な眼圧検査では、機械から空気が出ます。その風が角膜（黒目の表面にある透明な膜）に当たると、角膜はへこみます。そのへこみ具合から眼圧の数値を計算します。この空気を3回以上当てて、得られた数値の平均値が眼圧として記録されます。

眼圧検査で眼球の硬さを測ると何がわかる？

眼圧検査によって、目の硬さが正常か、硬いかどうかが分かります。目が硬い場合、つまり高眼圧の場合は、高眼圧症や緑内障などの目の病気の可能性があります。また、目の病気の治療を行う際、目薬が効いているか、副作用が出ていないかなどの効果判定にも使われます。一方、眼圧が低い場合、特に6.5mmHgより低くなる場合は低眼圧症と言われますが、この低眼圧症は目の手術をしたり、目のけがをしたりした特殊な状況で起こります。

眼圧検査の費用は？

眼科で眼圧検査を行う場合、眼圧検査自体は820円ですので、3割負担であれば約250円、2割なら約160円、1割なら約80円となります。眼科検診では視力検査や眼底検査がセット料金になっていることもあります。

眼圧検査前日や当日の注意点

眼圧検査は裸眼であればいつでも行うことができます。ただし、コンタクトレンズを着けている場合は正確な測定ができません。眼科で検査を予定している場合は、コンタクトをせずに来院するか、すぐに外せるようにケースを持参するのが望ましいです。

眼圧検査と眼底検査との違い

眼科検診や診察では、眼圧検査や眼底検査などを行います。眼圧検査は目の硬さを調べる検査ですが、眼底検査は目の中にある網膜や視神経の状態を調べる検査です。どちらの検査も目の病気を見つけるため重要ですが、見ている内容が大きく異なります。そのため、片方ではなく、両方の検査を受けることが望ましいです。

眼圧検査の結果の見方と再検査が必要な診断結果･所見

ここまでは眼底検査について基本的なことを紹介しました。
再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。
以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

眼圧検査結果の見方･分類と主な所見

眼圧の正常値は10-20mmHgです。眼圧の値が20mmHgよりも大きければ高眼圧症と診断します。一方で、眼圧が10mmHg未満であっても、眼圧の値が6.5mmHg以下とならなければ基本的に問題になりません。

眼圧検査結果で精密検査が必要な基準と内容

眼圧検査で異常を認めれば、眼科では散瞳検査や光干渉断層計、視野検査などを行います。特に、高眼圧であれば緑内障などの可能性もあるため、早期発見、早期治療を行うことになります。視野検査は予約制で行っている病院も多く、眼圧検査で異常があればできるだけ早めに受診するのが望ましいでしょう。

「眼圧検査」で発見できる病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「眼圧検査」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

高眼圧症

高眼圧症は眼圧が正常より高い、つまり眼圧の値が20㎜Hgを超える場合に診断されます。この高眼圧症には自覚症状はありません。しかし、高眼圧症は緑内障へ移行する場合があるため、予防的に眼圧を下げる目薬を使う場合があります。特に、高齢など緑内障へのリスクが高い場合は治療が推奨されています。高眼圧症と指摘された場合は、必ず眼科を受診するようにしましょう。

緑内障

緑内障は成人が中途失明をおこす原因の病気として常に上位のものです。眼圧が高い場合はまず緑内障がないかを調べます。緑内障には眼圧が正常な場合と眼圧が高い場合があり、前者を正常眼圧緑内障と言って、眼圧が高い場合と区別します。
いずれの緑内障であっても、視野が欠ける症状が現れます。進行すると大きく視野が欠け、視力が出づらくなり失明してしまう方もいます。しかし、初期の場合は自覚症状がありません。そのため、定期的な眼科受診が必要です。特に、強い近視がある、高齢である、血縁関係者に緑内障がいる場合は緑内障のリスクが高くなるため、眼科を受診して検査をすることが望ましいでしょう。治療は眼圧を下げるために、目薬を使ったり、手術を行ったりします。

「眼圧検査」で引っかかる理由は？

眼圧は特に治療しなければ、基本的には同じような結果になります。そのため、一度眼圧が高くて検査に引っかかった場合は、その後も眼圧高値の検査結果が続くでしょう。
眼圧が高くなる原因として、ステロイドの使用が知られています。ステロイドの内服薬を飲んでいたり、皮膚にステロイド剤をぬっていたりすると、眼圧が高くなってしまう場合があります。もし眼圧が高くなっているのであれば、ステロイド剤の使い方を調整する必要があります。そのため、ステロイドが含まれる薬を使っている場合は、眼科を受診するのが良いでしょう。