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「眼球破裂」って治るの?失明や後遺症についても解説!

 更新日:2023/03/27
「眼球破裂」って治るの?失明や後遺症についても解説!

眼球破裂とは、スポーツの事故や交通事故などが理由で、誰しも起こりうる病気です。大変身近なものであるため、非常に恐ろしい症状です。

万が一該当する症状が起きているのであれば、医療機関にかかる必要があります。そのため、正しい症状や原因などの情報を備えておく必要があるでしょう。

本記事では、眼球破裂の症状についてご紹介します。治療方法・後遺症なども併せてご紹介するので参考にしてください。

春日 武史

監修医師
春日 武史(医師)

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練馬光が丘病院 総合救急診療科 集中治療部門

眼球破裂の原因と症状

眼帯をする男性

眼球破裂とはどのような状態でしょうか?

  • 眼球破裂とは、なんらかの強い衝撃の結果、角膜などが破裂してしまった状態のことを表します。このような角膜の破裂は、衝撃を浴びて壊れてしまったり、傷を負ってしまったりして生じることがほとんどです。破裂してしまった状態は、眼球の中にある硝子体などの器官やブドウ膜などが露出しているので、大変危険な状態です。

眼球破裂の症状を教えてください。

  • この病気の症状としては、次のようなものが挙げられます。
  • 視力低下
  • 充血
  • 痛み・腫れ
  • 交換性眼炎
  • 視力低下・充血・痛み・腫れといった症状は、眼球破裂が起きた直後から発生する可能性のある症状です。これは、角膜や硝子体などの各種器官が露出しているために発生します。また、眼球破裂を起こした場合、それ以後刺激に弱くなることも主な症状の1つです。これは、眼圧が下がることで、眼の表面が柔らかくなってしまうためです。さらに、眼球破裂が起きていない方の眼にも、交換性眼炎という症状が発生する場合があります。これは、炎症・視力障害のことです。

眼球破裂は何が原因で起こりますか?

  • 病気の原因は、主に次のようなものが挙げられます。
  • スポーツ競技
  • 交通事故
  • けんか
  • スポーツ競技の中でも代表的な原因が、ボール・バットなどが衝突するという競技中の事故です。眼球に、これらのものが当たると非常に強い力が加わることとなります。その結果、眼球破裂を引き起こすのです。
  • また、交通事故やけんかも強い力が加わる代表的な例です。激しい力が加わるようなケースは、眼球破裂の危険があります。通常、眼球は結膜・強膜・脈絡膜という丈夫な膜で構成されています。しかし、過度な力には耐えられるようにはできていません。強い力が加わることで、壊されてしまうのです。

事故などの外傷以外でも起こることがあるのですね。

  • 眼球破裂は、事故などの外傷以外でも生じる可能性があります。先述したような交通事故やスポーツ競技において加わる力のことを直接外力といいます。眼球破裂が起きるのは、これら直接外力によるものだけではなく、ガス爆発・爆弾の爆風といった間接外力によるケースもあるのです。直接外力のように、眼球に接触がないため、本人には何が起こったかわからず眼球破裂が起こっているケースがあります。

眼球破裂を引き起こすと失明するのでしょうか?

  • 眼球破裂は、失明のリスクのある病気です。重度の場合は眼球の構造が壊れている可能性があります。ブドウ膜・硝子体といった組織が穿孔創から露出しているような重度の場合、早急な手術が必要です。しかし、手術が遅れると失明のリスクが非常に高くなります。

眼球破裂の診断と検査

説明する医師

眼球破裂が疑われる場合は救急車を呼んだ方が良いですか?

  • 眼球破裂が疑われる場合、早急な治療が必要です。しかし、夜間の場合は専門の医療機関が閉まっているケースもあります。その場合は、救急車を呼んで対応した方が良いでしょう。症状の度合いにより、自分で判断するのは大変危険な病気です。そのため、昼間の場合でも症状の度合いが分からず眼球破裂が疑われる場合は、感染症のリスクを避けるためにも救急車を呼んで迅速に治療してもらうようにしましょう。

診断ではどのような検査をするのか教えてください。

  • 眼球破裂の診断では、次のような検査は方法が用いられます。
  • 眼圧検査
  • 超音波検査
  • 細隙灯顕微鏡検査
  • CT検査
  • 眼圧検査は、接触式・非接触式があり、主に非接触式にて測定します。超音波検査は、眼球に超音波を当てて反射してくる音波で、異物の確認や眼球の裂け目などを確認する内容です。細隙灯顕微鏡検査は、帯状の光を眼球内に当てて、組織を観察する検査方法です。これらの検査方法を用いて、眼球内の状態を確認します。また、CT検査は画像による検査であり、眼球内がどのような状態になっているかを見るための検査です。

眼球破裂と診断された場合は入院するのでしょうか?

  • この病気は、症状の度合いに限らず手術が行われる可能性が高いです。縫合による手術を行い、より重症の場合であれば眼球摘出手術などの可能性があります。そのため、入院も必要となります。入院期間は、手術内容や状態によって異なるでしょう。

眼球破裂の治療方法と予後

目をしかめる人

眼球破裂の治療方法について教えてください。

  • 具体的な治療方法は、次のようなものが挙げられます。
  • 治療用コンタクトレンズ
  • 手術
  • 眼球破裂の際には、眼球内に穴ができてしまうケースがあります。この穴が小さい場合は、治療用コンタクトレンズにて、治療が可能です。しかし、大きい場合はコンタクトレンズでは対応できません。そのため、手術が必要となります。具体的な手術内容は次の通りです。
  • 白内障手術
  • 硝子体手術
  • 縫合手術
  • これらの手術内容は、症状の度合いによって決まります。手術後も感染症が見られないようであれば予後良好と判断されます。しかし、機能の低下が続いている場合や感染症を起こすようであれば、視力低下・失明など症状悪化を招く可能性があり、その症状に応じてさらに治療が必要となるでしょう。

療養中はどのように過ごしたら良いのでしょうか?

  • 眼球破裂の手術後の療養中は、感染症の防止に努めるとともに、良好な状態であれば通常の生活のように過ごすことは不可能ではありません。しかし、継続的に検査などが必要となります。これは、眼球破裂が起きていない方の眼でも炎症が起こる可能性があるためです。両目における視力低下や失明を起こさないためにも、経過に注意しながら療養する必要があります。

後遺症が残ることはありますか?

  • この病気は、眼の病気の中でも重篤な部類となるものです。そのため、適切な治療後も後遺症が残る可能性が非常に高いです。後遺症には、視力の低下・失明・感染症が挙げられます。また、調節機能障害・高次脳機能障害の可能性も考えられます。
  • 調節機能障害とは、ピント調節機能の低下です。通常、眼は対象物との距離に応じて自動的にピントを合わせます。調節機能障害となると、このピントが合わせられなくなるのです。また、眼球破裂が起こるほどの衝撃が加わったということは、脳機能の障害が生じる可能性があります。この障害が生じると、物忘れや注意力が散漫になるなどの症状が発生します。眼球だけでなく、さまざまな後遺症が残る可能性があるのです。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

  • 眼球破裂は、強い衝撃で生じるものであり、誰しもリスクがある病気です。コンタクトで治療可能なケースもありますが、より重症の場合は早急に手術が必要となります。そのため、一度受診したからといって決して自分で治ったと判断しないようにしましょう。また、適切な治療を受けても、後遺症が残る可能性があります。その場合は、眼に関してだけでなく、脳機能の障害が残る可能性があるので注意が必要です。眼球破裂が起こるほどの衝撃が加わっているため、さまざまな箇所に障害が生じる可能性があるのです。脳への障害が残る場合は、物忘れ・注意力の散漫などが発生する恐れがあります。正しい知識を身につけ、万が一自分の眼にも眼球破裂が起こるようなことがあれば、近くの医療機関に診察してもらいましょう。

編集部まとめ

カウンセリングする医師
眼球破裂は、視力低下や失明などのリスクがある恐ろしい症状です。そのため、自己判断で治療を決めるのではなく、すぐに診察を受けましょう。

夜間の場合は、救急車を呼んで早急に治療してもらうことが必要です。また、後遺症が残る可能性が高いため、感染症などの予防に努める必要があります。

正しい情報を身につけて、迅速に正しく判断できるようになりましょう。

修正内容
眼球破裂の場合、動くことも出来ない痛みがあるため、ほぼ救急車で搬送されます。
そのまま放置するとか、軽度の場合には異物感のみなどの表現は当てはまらないと考えます。
よって放置項目・放置に関する記載は削除してください。

この記事の監修医師