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インプラントの手術方法は?流れ・痛み・インプラント手術を受ける歯科医院の選び方のポイントを解説

 更新日:2023/12/06
患者に説明する歯科医

インプラントは人工歯根を埋め込み、その上から人工歯を装着する治療法です。

人工歯根の埋め込みには手術が必要ですが、どのような手術なのか分からないという方は多いのではないでしょうか。

本記事では、インプラントの手術方法や手術の流れを解説します。

手術に痛みがあるのかや歯科医院の選び方も解説するため、インプラントを考えている方はぜひ参考にしてください。

八上 公利

監修歯科医師
八上 公利(しぶや東歯科・口腔外科クリニック)

プロフィールをもっと見る
昭和大学大学院歯学研究科 卒業。昭和大学歯学部顎口腔疾患制御外科学教室 講師。ペンシルベニア大学歯学部組織解剖学講座 ポストドクタルフェロー(アメリカ合衆国)。松本歯科大学連携口腔診療部 教授。医療法人社団翔栄会 アーバン歯科室 口腔外科・インプラント治療担当医

インプラント手術の流れ

インプラント手術の流れ
インプラントの治療は手術前の検査から治療完了までに長い期間を要する治療方法です。手術を実施する前後の流れも含めて、インプラント手術の流れを解説します。

検査・診断・術前処置

インプラント手術を受ける前には、検査・診断・術前処置を行います。これは顎の骨や口腔内の状態のほか、全身疾患の有無などを正確に把握するためのものです。
インプラント手術では、インプラント体を埋め込むための十分な骨量が必要なため、歯科用CTやレントゲンなどを用いて骨の状態などを細かく検査します。また、歯周病やむし歯などがないかを調べ、必要に応じて先に治療を行います。
全身疾患の有無の検査は、全身疾患によって手術の経過や結果に問題が生じる可能性があるため行われるものです。
インプラント手術では歯肉の切開を行うため、全身疾患があると切開を行った歯肉の回復が進まないケースがあります。また、貧血や糖尿病などがある場合、骨とインプラント体の結合がうまくいかない可能性も否定できません。これらのリスクを考慮し、インプラントの治療前に血液検査や尿検査などを行います。

治療計画の立案

治療計画の立案では、事前に行った検査・診断の内容をもとに、どのように手術を行うかの計画を立てます。歯科医師から手術の回数や麻酔の方法などのほか、合併症などのリスクについても説明を受ける点が特徴です。これをインフォームドコンセントといい、患者自身が治療の内容を十分に理解し、不安や疑問を解消して同意をしてから手術が行われます。

埋入手術

埋入手術では、インプラント体の埋め込みを行います。麻酔をした後に先述したインプラント体の埋め込みを行い、その後インプラント体と骨が結合するまで治癒期間を設ける手術です。麻酔は多くの場合局所麻酔が行われますが、埋め込むインプラント体が1本のみの場合は笑気吸入鎮静法による麻酔を行うケースもあります。また、点滴によって薬を投与する静脈内鎮静法が行われる場合もあるため、麻酔に対して抵抗感がある場合は事前に歯科医師に相談しましょう。また、手術後は痛みや出血・腫れなどが起こる可能性があるため、痛み止めや止血剤が処方されます。

骨造成

骨造成ではインプラントの土台となる顎の骨量を増やす治療を行います。インプラントでしっかり食べ物を噛みしめるには、顎の骨がインプラントを力強く支える必要があります。
このとき土台となる顎の骨量が不足していると、インプラントを支えきれずにぐらぐらしたり、抜け落ちたりする可能性もあるでしょう。そのため検査の結果、骨量が不足していると診断された場合に、骨造成を行うことがあります。
骨造成はさまざまな手術方法がありますが、代表的なものは以下の3つです。

GBR骨誘導再生法と呼ばれ、垂直での治療が可能なため、小規模の治療を行いたいときに取り入れる手法です。欠損部に人工骨・自家骨などを詰めてから、骨が形成されるスペースを確保しつつ特殊な膜で周囲を覆い、膜内で骨が再生するのを待ちます。
GBRインプラント埋入前だけでなく、埋入と同時に受けることも可能です。これに対し、サイナスリフトソケットリフトは、どちらも上顎の骨量を確保することを目的とする手法です。
上顎の奥歯に位置する顎の骨には「上顎洞(じょうがくどう)」と呼ばれる空間があります。これは副鼻腔の1つで、この空間があるために顎の骨が薄く、インプラントを埋入する高さが不足することがあります。そのような際に、上顎洞へ下方向・側面などからアプローチして骨量を増やす手法がサイナスリフトソケットリフトです。
具体的には、上顎欠損部の骨の高さが3~5mm以下ではサイナスリフト、5mm以上ではソケットリフトが選択されます。サイナスリフトは下方向から垂直に上顎洞へアプローチするもので、上顎洞底の洞粘膜を押し上げる形で骨造成を行うものです。
それに対しソケットリフトは、側面から顎の骨にアプローチすることで骨造成を行います。どちらもインプラント埋入手術と同時に行うことが可能ですが、ソケットリフトの方が傷口が小さく、患者さんへの負担が少ないといえるでしょう。

上部構造製作・装着

手術後に上部構造の製作・装着を行います。人工歯をより自然に見せるためには、色や形などの見た目を天然歯に近づけることが必要です。型取りを行い、仮の上部構造を一旦作成して噛み合わせや色・形などの審美性を確認し、最終的に装着する上部構造を製作します。
人工歯が完成したら実際に装着します。装着方法はネジで固定するスクリュー法と、セメントで固定するセメント固定法の2通りです。ネジで固定する場合は取り外しが可能なため、インプラントに問題があった際の修理や検査がしやすくなります。一方で、上部構造にネジの穴を開けるため見た目が気になる方もいるでしょう。セメントで固定する場合は審美性がよい一方で、基本的に取り外しができなくなるため修理や検査が難しくなります。どちらの方法で行うか気になる場合は、事前に歯科医師に確認しましょう。なお、上部組織は歯1本分のみの単独冠のほか、複数本分の連続冠・ブリッジ・ボーンアンカードブリッジなどの種類があります。

定期的にメンテナンス

インプラント治療は上部構造を装着したら完了ではありません。インプラントを長持ちさせるために、定期的なメンテナンスが必要です。定期的に通院しインプラント周囲炎や上部構造の破損、インプラント体の動揺などの問題が見られないかのチェックを受けましょう。
特に起こりやすいのはインプラント周囲炎です。これはインプラント周辺に周囲炎の症状がみられるものであり、磨き残しなどによって口腔内の環境が悪くなると発生します。周囲炎の原因となるプラークや歯石の除去など、歯周病の基本的な治療を受けることが大切です。それ以外にも、日頃から丁寧な歯磨きを心がけ、インプラント周囲炎を予防しましょう。

インプラント手術には痛みがある?

インプラント手術には痛みがある?
インプラント手術は基本的に麻酔をして手術を行います。そのため、手術中の痛みはあまり感じないでしょう。しかし、人によっては手術中の骨を削るドリルの音や振動などへの恐怖心が強く、不快感を覚える人も少なくありません。麻酔を用いて気持ちを落ち着ける処置をとるケースもあります。
また、手術後には痛み・出血・腫れなどが起こる可能性があり、特に麻酔が切れたタイミングでは痛みを感じやすい傾向があります。先述したように術後には痛み止めや化膿止めなどが処方されるため、歯科医師の指示に従い、用法用量を守って服用しましょう。万が一、痛みが長期間続く場合や切開部分が化膿した場合には、早めに歯科医師に相談することも大切です。

インプラント手術を受ける歯科医院の選び方のポイントは?

歯科医院の選び方のポイントは?
インプラントの手術は骨や口腔内の状態を正確に把握するほか、全身疾患も考慮して行う必要があります。専門性の高い知識や技術も必要なため、歯科医院選びは慎重に行いましょう。続いて、インプラント手術を受ける歯科医院選びのポイントを解説します。

日本口腔インプラント学会の認定医が所属している歯科医院を選ぶ

インプラントの手術を受ける際には、歯科医院に日本口腔インプラント学会の認定医が所属しているかチェックしましょう。日本口腔インプラント学会は、インプラントの治療の研究推進や治療ガイドラインの発行などを行っている団体です。インプラントに関する専門知識や技術が十分にあると学会に認められた場合、学会から認定医の資格が与えられます。インプラント治療への専門性の高さを示すもののため、実際に治療を受ける際にも安心して受けられるでしょう。

口腔外科の専門の歯科医師が在籍していると安心

口腔外科の専門の歯科医師が在籍しているかどうかも、歯科医院選びでチェックしたいポイントです。口腔外科は歯や口だけではなく口周り全体の疾患を専門に扱い、顎関節症や顎の外傷などにも対応します。また、口腔外科の専門の歯科医師は内科的な病気の知識を有している点も特徴です。先述したように、インプラントは口や顎の骨などの口周りの環境だけでなく、全身疾患とも関係しています。また、口の健康が体全体の健康に影響するケースもあります。全身の健康管理のためにも口腔外科の知識のある歯科医師であれば、さまざまな可能性を考慮しながらより患者の状態や希望にそった治療を受けられるでしょう。

医師の経歴・技術力・経験が豊富な歯科医院を選ぶのがポイント

歯科医師の経歴・技術力・経験も歯科医院を選ぶ際に注目したいポイントです。インプラントは手術前の検査などで正確に状況を把握し、より患者にあった治療方法を選択する必要があります。
手術においても、インプラント体を埋め込む埋入窩の形成や歯肉切開後の縫合などでは歯科医師の経験や技術が必要です。さまざまな症例に対応してきた経験豊富な歯科医師であれば、経験に裏打ちされた確かな知識や技術のもと、万が一のときにも安心して任せられるでしょう。

一般的なインプラントの治療費用などの詳細はこちら
 

インプラントのことならしぶや東歯科・口腔外科クリニックにご相談を

しぶや東歯科・口腔外科クリニック
インプラントの治療を考えているけれど、手術への不安が大きく一歩が踏み出せないという方もいることでしょう。

インプラントでお悩みの方は、ぜひ一度しぶや東歯科・口腔外科クリニックにご相談ください。

しぶや東歯科・口腔外科クリニックは、経験豊富な歯科医師が在籍しているクリニックです。最後に、しぶや東歯科・口腔外科クリニックの特徴を紹介します。

日本歯科専門医機構の口腔外科専門医が在籍

しぶや東歯科・口腔外科クリニック
しぶや東歯科・口腔外科クリニックの八上院長は日本口腔外科学会に所属しており、口腔外科の専門知識を持っている歯科医師です。

大学病院での研究・経験を経て現在に至っており、豊富な専門知識や経験を活かし、インプラント以外に顎関節症の治療や口腔がんの診療などにも対応しています。

むし歯や歯周病などの一般歯科にも対応しており、口や歯のトラブル全般の相談が可能です。

インプラントをしたいけれど、ほかにも歯周病などの問題が気になっているという方はしぶや東歯科・口腔外科クリニックへご相談ください。

顎の骨が少なくインプラント治療をあきらめていた方にも対応

インプラントの埋入にあたり、もし顎の骨量が不足している場合でも、しぶや東歯科・口腔外科クリニックであれば骨造成を受けることが可能です。
「骨がないからといってあきらめないで欲しい」との院長の思いから、生体情報モニターを導入し、持病のある方にも来院していただける環境づくりに取り組んでいます。

骨がなくとも治療できる方法があるというのは、今まで治療をあきらめていた方にとって大きな希望ではないでしょうか。

しぶや東歯科・口腔外科クリニックのインプラント治療では、高精度の国産インプラント「オクタフィックスOctafix」を使用している点も特徴です。

インプラントはさまざまなメーカーから販売されていますが、「オクタフィックスOctafix」はより日本人にあったインプラントとして、長野県にある精密機器メーカーによって開発されました。

「オクタフィックスOctafix」は材質や製品管理などさまざまな項目において、薬事法などの日本の厳しい基準をクリアしており、信頼性の高いインプラントです。

また、しぶや東歯科・口腔外科クリニックの八上院長は日本口腔インプラント学会の認定医でもあります。
インプラントで失敗したくない方・安心して治療を受けたい方は、ぜひしぶや東歯科・口腔外科クリニックへご相談ください。

しぶや東歯科・口腔外科クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

JR渋谷駅 南口 徒歩5分
恵比寿駅 徒歩11分
代官山駅 徒歩12分

東京都渋谷区東1丁目25‐5

診療時間
10:00~13:00
15:00~19:00

この記事の監修歯科医師