インプラントとブリッジはどちらがよい?それぞれのメリット・デメリットなど知っておきたいポイントを解説

歯を失ってしまった場合、機能や見た目を取り戻す治療には、複数の選択肢があります。
歯科医療では長年入れ歯やブリッジなどで治療する方法が主流でしたが、現在はインプラント治療という選択肢もあります。
それぞれにどのようなメリットとデメリットがあるか知っておくと、自身に合った治療の選択につながるでしょう。
本記事では、インプラントとブリッジについて解説します。

監修歯科医師:
生熊 将司(医療法人社団将会 菊名デンタルクリニック)
都内、千葉県の歯科医院で勤務
医療法人社団 樹英会
イーストワンデンタルクリニック分院長を務める
ISOI国際口腔インプラント学会 所属
目次 -INDEX-
インプラントとブリッジの違い
インプラントとブリッジは、どちらも失った歯の機能と見た目を取り戻す治療法です。
インプラント治療は、顎骨に人工の土台(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着します。
ブリッジは、失った歯に隣接する歯を土台にして、橋を架けるように一塊の人工歯を被せます。
どちらも入れ歯とは異なり、取り外しができない義歯です。
以下でさらに詳しく違いを解説します。
治療法
インプラント治療では、まず外科手術で顎骨にインプラント体と呼ばれる人工の土台を立てます。その上に土台と人工歯をつなぐアバットメントを装着し、最後に人工歯を取り付けます。
対してブリッジは、外科手術が必要ありません。失った歯の両隣に残っている健康な歯を削って土台にし、歯が連なった形状の人工歯を装着します。
治療期間
インプラントとブリッジでは、インプラント治療の方が治療期間が長いのが一般的です。
インプラント治療は外科手術が必要となるため、治療期間は約3〜6ヶ月といわれています。ただし、むし歯や歯周病など歯科疾患がある場合、インプラント治療前の治療が必要となるためさらに治療期間が長引く可能性があります。
ブリッジの治療期間は、2〜4週間程です。ただし、被せ物の作製機関によって変動することがあります。また、土台となる歯の状態が悪い場合は、治療が長引く場合もあるでしょう。
平均寿命
インプラントは定期的なメンテナンスを行えば、長期間使用できます。一般的に10〜20年以上といわれていますが、適切なケアをすれば一生使えることもあります。治療から10年経過しても機能を維持していたインプラントが約95%あったという報告もあります。
対してブリッジの平均寿命は、7〜10年といわれています。適切なケアをすれば15年以上使えることもありますが、土台にする歯に大きな負担がかかるためむし歯や歯周病になると寿命が短くなることがあります。
周りの歯への影響
インプラント治療では顎骨で人工歯を支えるため、周りに残っている健康な歯への影響が少ないです。
しかしブリッジ治療では、失われた歯に隣接している健康な歯を土台にするために削らなければなりません。治療後も土台となる歯は、失われた歯の分まで負担を受けるようになります。ブリッジ治療では残った健康な歯に大きな負担がかかってしまうことを知っておきましょう。
審美性
インプラントとブリッジは入れ歯のように残った歯にバネをかける必要がないため、審美性に優れた治療法です。
ただしブリッジ治療で保険適用の金属やプラスチック素材を選択した場合は審美性が劣るため注意しましょう。審美性も追求したい方は自由診療を検討することをおすすめします。自由診療で使われる素材は、保険適用の素材よりも審美性に優れています。
費用
ブリッジは保険適用の治療であれば、費用を抑えて治療することが可能です。自由診療の場合、素材や歯科医院よって異なりますが、1本あたり80,000〜150,000円(税込)程となります。
対してインプラントは一般的に保険適用外の自由診療となるため、治療費用が高額になりやすい治療法です。インプラントの治療費用相場は、1本あたり220,000〜500,000円(税込)程といわれています。インプラント治療が保険適用となるのは、先天性疾患がある場合や、がん治療に伴い骨移植を行った場合などに限られます。
インプラントのメリット・デメリット
インプラント治療は、顎骨に人工の土台(インプラント体)を埋め込むことで得られるメリットがあります。対して、土台を立てるための外科手術などによるデメリットもあります。インプラント治療のメリットとデメリットを把握して、治療選択の参考にしましょう。
メリット:残っている健康な歯に影響を与えにくい
インプラント治療では、顎骨に埋め込んだ人工の土台(インプラント体)で人工歯を支えます。入れ歯やブリッジのように、残っている健康な歯を土台にする必要がありません。そのため、残存歯への影響が少ない治療といえます。
インプラント治療は健康な歯を削ったり、バネをかけて負担をかけたりしたくない方におすすめです。
メリット:審美性が高くしっかり噛める
インプラント治療の代表的なメリットに、審美性の高さが挙げられます。
インプラントは固定するバネが不要であり、上部構造も天然歯のように白く透明感がある素材を使うため、天然歯のように美しく仕上がります。また顎骨から頑丈な人工の土台を入れることで、しっかり強く噛めるようになる点も大きな特徴です。
デメリット:費用が高い
インプラント治療は、基本的に自由診療となるため、治療費用は高額になる傾向にあります。むし歯や歯周病などの歯科疾患による歯の喪失では、保険適用の対象となりません。ただし医療費控除の対象にはなります。1世帯で年間100,000円以上の医療費がかかった場合は、所得控除の対象となります。詳細は国税庁ホームページで確認しましょう。
デメリット:外科手術が必要となり治療期間が長い
インプラント治療は外科手術が必要となるため、治療期間が長くなります。
インプラント治療で主に行われる手術方法は、1回法と2回法の2種類です。2回法は、1回法よりも治療期間が長くなる傾向があります。
土台のパーツを取り付けるたびに骨と土台の結合を待ったり、粘膜の治癒を待ったりする必要があるため、場合によっては治療に半年近くかかってしまいます。
ブリッジのメリット・デメリット
ブリッジ治療は、インプラント治療のように外科手術を必要としません。そのため、身体的な問題があり外科手術が受けられない患者さんや、コストがネックになっている患者さんも受けやすい治療法となっています。
ただし、口腔内に残った歯を土台にすることで生じるデメリットもあります。詳細を以下で確認しましょう。
メリット:保険診療で治療をすることも可能
ブリッジの素材によっては、保険診療でコストを抑えて治療を受けることができます。審美性にこだわらなくてもよい、機能性が回復できれば十分と考える患者さんには、適した治療法といえるでしょう。
メリット:外科手術が難しい方でも治療が可能
身体的な問題から外科手術が難しく、インプラント治療を受けられない患者さんでも、ブリッジ治療は可能です。外科手術が難しいのは、以下のような疾患や健康状態に該当する方です。
- 循環器系疾患がある
- 呼吸器系疾患がある
- 糖尿病・骨粗鬆症などの疾患がある
- 腎臓や肝臓の機能障害がある
上記に該当する患者さんでも、ブリッジ治療であれば外科手術のリスクを負うことなく歯の機能を回復することができます。
デメリット:支台にする歯に負担がかかる
ブリッジ治療の大きなデメリットは、土台にする歯に負担がかかることです。人工歯の土台にするために、健康な歯を大きく削って形を変えなければなりません。
さらに土台となる歯は失った歯の分まで負担がかかるようになります。
デメリット:ものが挟まるなど口腔ケアがしにくい
ブリッジは入れ歯のように毎日取り外して清掃する必要はありません。しかし、ものが挟まりやすく汚れも溜まりやすいため、丁寧な口腔ケアが必要になります。
ホームケアでは、歯間部清掃を手助けするデンタルフロスや歯間ブラシなどの活用がおすすめです。
インプラント治療を受ける歯科医院選びのポイント
インプラント治療は、外科手術を伴う長期的な治療です。そのため、インプラント治療を受ける際は、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。
安心してインプラント治療を受けるためには、検査や治療の質・歯科医師の質・アフターケアの質が高い歯科医院を選びましょう。
インプラント治療の経験が豊富な歯科医師がいるか
同じ歯科医師でも、精通している範囲はさまざまです。インプラント治療を受ける際は、歯科医師がインプラントの十分な知識と経験を持っているか確認するようにしましょう。
歯科医師の経歴や資格は、歯科医院のホームページに記載されていることが多いです。歯科医師がインプラント治療の研鑽を積んでいるか、専門的な治療経験があるか、知識のアップデートをしているかなどを確認してみましょう。
骨が薄いなど難症例にも対応しているか
インプラント治療は顎骨に土台を立てる治療法であるため、顎骨が薄い患者さんはインプラント治療を受けることが難しい場合があります。その場合、インプラント治療前に不足する骨を補うために骨造成を行います。
このような難症例にも対応しているか、確認するとよいでしょう。
インプラント治療の設備が整っているか
精度の高いインプラント治療には、精密な検査や清潔な環境が欠かせません。まずは、歯科医院に先進的な検査ができる設備が整っているか確認しましょう。
例えば、立体的な診断が可能な歯科用3DCTがあれば、以下のようなデータを得ることができます。
- 上顎骨・下顎骨の三次元的構造
- 骨の内部にある神経・血管の走行
- インプラント埋入予定部位周囲組織の状況
検査の質が高ければ、インプラント治療の精度も高まるでしょう。
ほかに、滅菌対策や院内感染防止対策など、安心して治療を受けられる環境であるかを確認することも大切です。
歯科医院に揃っている設備は、歯科医院ホームページから確認してみましょう。
十分なアフターケアが受けられるか
インプラント治療後は、トラブルを防ぎ長持ちさせるためのアフターケアが重要です。歯科医師の指示に従い、定期的にメンテナンスを受けましょう。
メンテナンスでは、具体的に以下のような治療をします。
- プラークコントロールの状態確認
- 粘膜の状態・膿の有無確認
- インプラント体の状態確認
- X線写真検査
- 噛み合わせのチェック
- 機械的歯面清掃(PMTC)
メンテナンスの質にこだわっている歯科医院を選択すると、安心感を持って治療を続けられるでしょう。
インプラントのことなら菊名デンタルクリニックにご相談を
質の高いインプラント治療を受けたいなら、インプラント治療の経験豊富な歯科医院で治療を受けることが大切です。
菊名デンタルクリニックは患者さんの安心感を大切にし、幅広いお口のトラブルにも対応する歯科医院です。特にインプラント治療に注力されていて、専門的な治療を提供しています。ここからは、菊名デンタルクリニックの特徴を紹介します。
インプラントの専門の歯科医師による治療
菊名デンタルクリニック院長 生熊将司先生は、インプラント治療に精通した歯科医師です。ISOI国際口腔インプラント学会に所属されており、インプラントの専門的な治療を提供しています。
インプラントはメーカーごとに特徴が異なりますが、生熊先生は複数のメーカーが提供するインプラント体の扱いに長けているそうです。
また、生熊先生はカウンセリングを重視し、患者さんの不安解消と丁寧な施術を心がけています。また、誰もが安心して治療を受けられるように、さまざまな治療法を準備して患者さんが選択できる高度な治療の提供に努められています。
適切な治療法で成功率の高いインプラント治療を提供
菊名デンタルクリニックでは、骨造成やソケットリフト、GBRなどの治療に対応しています。幅広い選択肢から、患者さんの口腔状態に応じた適切な治療を提供し、治療成功率の向上に努めているそうです。
また、治療を支える設備が充実している点も菊名デンタルクリニックの強みです。
精度の高い検査を可能にする歯科用3DCTや、院内感染を防ぐ滅菌器・口腔外バキュームなどを用いて、さらに治療の成功率を高められています。
長期的な歯の健康維持のためメンテナンスやアフターケアにも注力
インプラントを長持ちさせたりお口の健康を保つためには、治療後のメンテナンスやアフターケアが重要です。
菊名デンタルクリニックでは、アフターケアやメンテナンスを担当する歯科衛生士の技術力にこだわっています。一般的には歯科医師が治療の際に用いる歯科用ルーペを歯科衛生士も使用し、ケアの質を高めているそうです。
適切なアフターケアを行わないと、長期的な健康を維持することが難しくなります。メンテナンスも行って口腔内を清潔に保つことで、インプラント周囲炎の感染予防につなげられています。
また、菊名デンタルクリニックでは歯を失ってしまった方へのインプラント治療だけでなく、むし歯などの一般歯科、歯の見た目をキレイにしたい方への審美治療、歯並びが気になる方への矯正歯科、定期検診など、幅広い治療に対応しています。治療前カウンセリングからアフターケアまで、一貫した丁寧な施術で高い治療効果と満足感の提供に努めているそうなので、お口の健康全てに対して相談できるでしょう。
インプラント治療に精通した歯科医師のもとで丁寧な施術を受けたい方、口腔内のことで気になる症状がある方は、菊名デンタルクリニックに相談してみてはいかがでしょうか。
菊名デンタルクリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数
横浜線 菊名駅 徒歩4分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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9:30〜13:00 | ● | ● | ● | - | ● | ● | ● | - |
14:00~19:00 | ● | ● | ● | - | ● | ★ | ★ | - |
★:14:00〜17:00
※平日の16:30~17:00は診療時間外
※最終受付時間は18時半
【費用(税込)】
一次手術(ネジの埋め込み)/二次手術(上物):220,000円
骨造成:55,000円〜110,000円
ソケットリフト:55,000円
GBR:110,000円
【治療期間】3~6ヶ月
【治療回数】3~6回
参考文献