顎関節症は顎の位置から考えた治療が大切!顎関節症治療の歯科医院の選び方

顎の不快感や痛みを伴う顎関節症は、一時的に症状が和らいでも根本的に改善されなければ再発する可能性があります。
根本から改善するには、顎の位置から考えた治療が大切です。自己判断せず、顎と周辺組織の知識を持つ歯科医院で治療を行いましょう。
この記事では、効果的な顎関節症の治療を受けるための歯科医院の選び方を解説します。気になる症状がある方は、参考にしてください。

監修歯科医師:
野中 哲雄(野中歯科医院)
目次 -INDEX-
顎関節症とは
顎は、会話や食事など、生活のあらゆる場面で重要な役割を果たします。その顎の機能に大きな影響を与えるのが、顎関節症です。
適切に対処するために把握しておきたい顎関節症の種類・原因・症状を解説します。
顎関節症の種類
顎関節症とは、顎関節や顎を動かす咀嚼筋の病気です。病態ごとに大きく分けて以下の5種類に分類されます。
- 咀嚼筋痛障害(Ⅰ型)
- 顎関節痛障害(Ⅱ型)
- 顎関節円板障害(Ⅲ型)
- 変形性顎関節症(Ⅳ型)
- Ⅰ~Ⅳ型のいずれにも分類されないⅤ型
このうち、特に症例の割合が多いのが咀嚼筋痛障害と顎関節痛障害です。顎を動かす筋肉の痛みや関節の炎症などによる痛みが特徴です。
顎関節円板障害は、クッションのような役割をしている関節内の関節円板がずれることで起こります。
変形性顎関節症は、関節の骨がすり減ったり変形することで起こるのが特徴です。
顎関節症の原因
顎関節症の原因は1つに絞れず、さまざまな習慣や要因の積み重ねで発症すると考えられます。
まず噛み合わせの悪さ、または顎関節や咀嚼筋の構造的弱さにより、日常の動作でも関節に負担がかかりやすいことが原因となり得ます。
また、精神的緊張やストレスにより顎周辺の筋肉が緊張することも、噛み合わせのバランスが悪くなる要因の一つです。さらに歯ぎしりや食いしばり、頬杖や不良姿勢など生活習慣に問題がある方も顎関節症になりやすいです。その他、外傷や加齢が原因となる場合もあります。
顎関節症の症状
顎関節症では、以下のような症状がみられます。
- 口が開きにくい
- 開口時に「カク」「コキ」といった音が鳴る
- 顎の筋肉や関節が痛い
- 口の開閉時に痛みがある、スムーズにできない
- 顎やこめかみ、頬が痛い
音だけであれば生活に支障は出にくいですが、痛みが生じているなら放置は禁物です。お口を大きく開け閉めする際に痛みがあり、痛みが続いている場合は、なるべく早く歯科医院を受診しましょう。
顎関節症の治療・改善方法
顎関節症の多くは、手術をせず保存療法で改善が期待できます。しかし、放置していると手術が必要になるほど状態が悪化する可能性があるため、原因と症状に合わせた治療が重要です。
スプリント治療
一般的に行われている治療がスプリント治療です。
スプリントは顎関節症治療用のプラスチック製マウスピースのことで、上顎か下顎の歯列に装着して使用します。これにより、夜間睡眠中の歯ぎしりや食いしばりによる顎関節と咀嚼筋への負担を軽減させます。
また、上下の噛み合わせが均等に接するように働きかけるため、顎の関節頭が正常位置に戻り慢性的な筋肉の緊張が緩和されるでしょう。顎だけではなく、歯の摩耗を防ぐ効果も期待できます。
理学療法
理学療法には物理療法と運動療法があります。
主な物理療法は、手指を使った咀嚼筋のマッサージ、ホットパックや蒸しタオルで患部を温める温罨法です。また、筋肉へ電気刺激を与える低周波治療や、鎮痛効果が期待できるレーザー療法が行われる場合もあります。
運動療法では、筋肉や靭帯の柔軟性・伸張性を改善するためのストレッチ、顎関節の働きをスムーズにし開口量を増加するための顎関節可動化訓練を行います。筋肉増強訓練を取り入れて、疲れやすい筋肉の耐久性向上を図るケースもあるでしょう。
これらの理学療法は患者さん自身が行うものもありますが、自己流で行うと症状が悪化する恐れがあります。医療者の指示に従うことが大切です。
薬物療法
痛みが強い患者さんには、消炎鎮痛を目的とした薬物療法も合わせて行われるでしょう。
症状に応じて薬の種類は異なるものの、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンが広く用いられています。基本的には時間投与で、決まった時間と期間で投与し効果と副作用を観察します。
薬物療法を一定期間行っても痛みが改善されない場合は、原因や治療法の見直しが必要です。我慢せず、歯科医師に相談しましょう。
生活習慣の見直し
顎関節症は日常生活の行動や習慣が大きく影響するため、患者さん自身が生活習慣を見直すことで症状緩和を図れる可能性があります。
例えば、頬杖や猫背が癖になっている方は姿勢改善を心がけるべきです。また、顎関節や咀嚼筋への負担が大きい硬い食品は避けた方がよいでしょう。
上下の歯が接触していることに気付いたときには、意識して歯を離すようにするのも大切です。慢性的なストレスを自覚している場合は、ストレス解消の時間を取ったり環境を変えたりすることが症状改善の糸口になるかもしれません。
顎関節症の治療をするなら歯科医院がよい理由
顎関節は、下顎頭・下顎窩・関節結節とクッションの働きをする関節円板で構成されています。さらに、下顎骨には咀嚼を支えるさまざまな筋が付着し、連携して顎運動を行っています。
このような複雑な構造をしているため、顎関節症の症状を呈していても実際の病態は一見しただけでは判別できません。明確な病態が把握できなければ、適切な治療法の選択も困難です。
歯は顎関節の延長線上にあり、歯と顎のどちらかの位置が正常でなくなればもう一方に影響を与えてしまいます。そのため、歯科医師は顎関節の知識も有しており、顎関節症の診断が可能です。さらに、病態をほかの類似した症状を呈する疾患と識別するには、歯科用CTやMRIによる画像診断が欠かせません。歯科医師の知識と画像によって病態を明確に把握すれば、顎の位置から考えた顎関節症治療が行えます。
その場しのぎでない根本的な治療を行うには、歯科医院への受診が重要です。
顎関節症治療で受診する歯科医院の選び方
より効果的な顎関節症治療を受けるためには、受診する歯科医院選びも大切です。注意しておきたい4つのポイントを解説します。
顎関節症治療の経験が豊富な歯科医師が在籍しているか
歯科医院はたくさんありますが、歯科医院ごとに診療科目が異なるうえ、歯科医師によって知識や経験に差があります。そのため、顎関節症治療の経験が豊富な歯科医師が在籍している歯科医院を選択しましょう。
歯科医院の診療科に顎関節症が含まれていれば、知識と経験が十分にあると判断できます。さらに、具体的にどのような治療を行っているかが明記されている歯科医院であれば、より信頼度が高まります。この点を1つの指標として歯科医院を探してみてはいかがでしょうか。
充実した設備が整っているか
歯科医院の設備や医療機器は、正確な診断と適切な治療に重要な要素です。設備にこだわりを持っている歯科医院は、質の高い治療を提供するために力を入れているといえるでしょう。さらに、患者さんにとっても身体的・精神的負担軽減も期待できます。
歯科治療だけでなく、顎関節症治療に関わる設備も整っている歯科医院を選ぶのがおすすめです。さらに、医療機器の滅菌・衛生管理が徹底されていることも、よい歯科医院を見分けるポイントとなります。
治療計画を明確に示してもらえるか
治療に際し、歯科医師は治療計画を立て計画に基づいて治療を進めます。患者さんからすればなるべく早く治療してほしいと思うでしょう。しかし、十分な検査と診断を行わなければ治療はうまくいきません。初診で時間をかけて診察し、患者さん一人ひとりの症例に合わせた治療計画を立ててくれる歯科医院なら、より効果的な治療を受けられるでしょう。
また、治療計画の具体的なスケジュールや目的を明確に示してくれるかどうかも確認しておきたい点です。透明性を重視している歯科医院は、患者さんの意思を尊重し、納得して治療を受けられるように支えてくれるでしょう。ライフスタイルや治療経過に合わせた柔軟な対応も期待できます。
長期的に通いやすいか
顎関節症治療は1回では完結しません。患者さんの生活習慣や癖の影響も大きく、徐々に顎を正常な状態に戻し症状を改善していく必要があります。そのため、長期的に通いやすい歯科医院であることも考慮に入れましょう。
通いやすさを左右する要素は、歯科医師の人柄や歯科医院の雰囲気、無理なく通院しやすい立地などさまざまです。自分自身がどのような歯科医院なら気持ちよく通えるかをイメージして、そのイメージに合う歯科医院を選ぶのもよい方法です。
顎関節症のことなら野中歯科医院にご相談を
顎関節症でお悩みの方は、横浜市西区平沼にある野中歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。
野中歯科医院は予防治療や歯周病治療を中心に、さまざまな診療科目に対応している歯科医院です。以下に、野中歯科医院の3つの特徴を紹介します。
スプリント治療・ストレッチ指導による顎関節症の改善
患者さんから「食べ物を噛むと痛む」という相談を受けることが少なくない野中歯科医院では、顎関節症の治療を積極的に対応しています。
治療では、スプリント治療や身体全体を緩めるストレッチ指導を取り入れ、豊富な知識と経験をもとに顎の位置から考えた治療が行われています。
原因究明から改善まで、よりよい方向へ向かえるよう親身になってサポートしてもらえるため、初めての方も相談しやすいでしょう。
歯の健康維持を目的とした歯周病治療や予防治療
野中歯科医院では健康な歯を維持し続けることをコンセプトに、特に歯周病治療や予防治療に注力されています。
むし歯や歯周病の状態は、口腔内モニターで患者さんも一緒に確認できます。なるべく手術はせず、痛みの少ない治療の提供にこだわっています。
予防治療では小さなお子さんからご年配の方まで、それぞれの生活環境に合わせた治療と丁寧な指導を行い、歯を大切にする意識の向上に尽力されています。
また、すべての治療器具への消毒も徹底されています。希望する方には使い捨て診療器具への変更も可能で、衛生面にも配慮した治療を提供しています。
患者さん一人ひとりに合わせた質の高い治療を提供
野中歯科医院は自費診療専門です。これは、保険診療の範囲だけでは患者さんに十分な治療を提供できないという野中院長の思いがあるためです。
野中院長は、どのような治療を行う際にも患者さん一人ひとりに対してしっかりと話を聞き、質の高い治療で希望や悩みに応えられるよう取り組まれています。
患者さんと一緒に現状の問題点を分析し、必要であれば生活習慣や食生活の見直しとアドバイスを行っているそうです。
野中歯科医院は、横浜駅から徒歩5分で土曜診療も行っているため長期的に通いやすいでしょう。顎関節症でお困りの方は、野中歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。
野中歯科医院の基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数
JR・私鉄各線 横浜駅 徒歩5分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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9:30~12:00 | ● | ● | ● | - | ● | ● | - | - |
13:00~17:00 | ● | ● | ● | - | ● | ● | - | - |
【費用(税込)】165,000円
【治療期間】2ヶ月~12ヶ月(※個人差があります)
【治療回数】月4回程度