入れ歯の種類と選び方|自分に合った入れ歯選びのポイント
失った歯の機能を代替する「入れ歯」にはどのような種類があり、どのような点に着目して選べば良いのでしょうか。
この記事では、入れ歯の種類・メリット・デメリット・選び方などについて詳しく解説していきます。
監修歯科医師:
大澤 一茂(大澤一茂歯科医院)
同大学歯周病学教室入局
1995年 歯学博士(学位取得)
1999年 日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
2007年 日本顎咬合学会 咬み合わせ指導医
2009年 近未来オステオインプラント学会(IPOI)指導医
目次 -INDEX-
入れ歯の種類
入れ歯は人工的に作った歯(人工歯)・歯茎のようなピンク色の土台(義歯床)からできており、カバーしている範囲によって総入れ歯・部分入れ歯に分けられます。
まずは、それぞれの入れ歯にどのような特徴があるのか紹介します。
総入れ歯
総入れ歯とは、上顎または下顎に自分の歯が1本も残っていない場合に使用する入れ歯です。総入れ歯では、歯茎・口蓋の形に合わせて作られた義歯床によって入れ歯全体を支えています。歯茎全体で入れ歯を支えるので、1か所に強い負担がかかることは少ないですが、歯茎の骨(歯槽骨)と入れ歯の間で圧迫された粘膜に痛みが出る場合があります。
総入れ歯は、義歯床の種類によってレジン床・金属床に分けられます。レジンとはプラスチック(樹脂)のことです。金属アレルギーの方でも使用できる・修理をしやすい・保険適用になるといったメリットがあります。(イボカップは保険対応はできません)
一方の金属床は保険適用外のものが多い・レジンに比べると修理に手間がかかるといった点がデメリットです。
部分入れ歯
部分入れ歯とは、一部の歯を失ったものの自分の歯が残っている場合に使用する入れ歯です。多くの部分入れ歯では、歯茎だけでなく残っている自分の歯で入れ歯を支えるため、義歯床に加えて「クラスプ」と呼ばれる部品がついています。
クラスプは、失った歯に隣接していた残存歯に引っかけるための部品です。クラスプをかける歯には集中的に負担がかかるため、部分入れ歯を作る場合にはあらかじめ残存歯の健康状態をしっかりと確認しておくことが重要です。
また、金属色も目立たない「ノンクラスプ義歯」も注目されています。ノンクラスプ義歯は、クラスプ部分を歯茎に近い色の柔らかい樹脂で作った部分入れ歯などがあります。
入れ歯のメリット
失った歯を補うための方法としては、入れ歯のほかにブリッジ・インプラントなどもあります。では、他の方法と比較した場合の入れ歯のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
症例数が多く安全性が高い
「平成28年 歯科疾患実態調査結果の概要」によれば、調査対象者のうち70歳以上の方の40%ほどが入れ歯を利用しています。対して、インプラントは利用者が多い60代後半をみても4.6%にとどまりました。この統計からも、入れ歯は症例数が多いため治療経験を積んだ歯科医師も多く安全性が高いといえるでしょう。
また、入れ歯はブリッジに比べて歯を削る量は少なく、インプラントのように歯槽骨に人工物を埋め込むといった処置もありません。そのため、身体への影響という面からみても安全性の高い治療です。
不具合が発生した場合に修理や調整がしやすい
入れ歯を使い始めたばかりの時期は、入れ歯が合わず調整が必要になることがあります。また、入れ歯に不具合が発生すると食事・会話などにも影響が出るため、不適合・破損があれば短期間のうちに調整・修理が必要です。このような場合、入れ歯にはインプラントなどに比べて調整・修理にかかる時間が短いという長所があります。このような場合、入れ歯にはインプラントなどに比べて調整・修理にかかる時間が短いという長所があります。
定期的に調整を行えば長く使える
通常の食事では、噛むことによって歯に10~20kgの力が加わっているといわれています。また、ストレス・運動・癖などで奥歯を噛みしめれば、歯には50kgを超える負荷がかかる場合もあります。
このような環境の中で人工歯・入れ歯を使用すれば、当然ながら入れ歯自体が少しずつ摩耗することは避けられません。また、顎の形・歯茎の厚みなども徐々に変化していくので、たとえ入れ歯に劣化がなくても入れ歯が合わなくなる可能性があります。
このような問題に早期に対処するためには、定期的に受診をして口腔内の状態・入れ歯の適合性を歯科医師が確認することが重要です。必要に応じて調整をすることで、大きなトラブルを未然に防ぎ入れ歯を長く使い続けることができます。
入れ歯のデメリット
入れ歯には複数のメリットがあることを紹介してきましたが、逆にデメリットはあるのでしょうか。ここからは、入れ歯の使用を検討する際に知っておきたいデメリットと、デメリットの解決策となり得る自由診療の入れ歯について解説します。
食べ物を噛みづらいケースがある
ブリッジやインプラントのように人工歯だけを補綴(ほてつ)する場合には歯茎の形状・感覚は大きな変化はありません。しかし、入れ歯は人工歯を支えるために歯茎に義歯床を被せるように装着します。
また、クラスプという留め具で固定するタイプでは、舌が触れる歯の内側にもクラスプがかかっている状態です。摂食時の口腔内は複雑な動きをするので、こうした舌側の歯茎・歯面に人工物による凹凸ができることで、食べ物を噛みづらいと感じる場合があります。
また、自分では取り外しができないブリッジ・インプラントと比べると安定性は低く、噛むときに大きな力をかけにくく硬いもの・弾力のあるものが噛み切りにくいと感じる方もいるようです。ブレード臼歯を使用した入れ歯は周囲の歯を土台として入れ歯を固定するコーヌスクローネデンチャーを使用することで、クラスプで固定する入れ歯よりも安定感が高まる可能性があります。
外れやすいケースがある
しっかりと歯茎に適合した入れ歯は、入れ歯安定剤を使用しなくても外れにくいといわれています。しかし、歯槽骨に人工歯を埋め込むインプラントや両隣の歯を加工して人工歯を被せるブリッジと比較すると、入れ歯は外れやすいといえるでしょう。
入れ歯が外れやすくなる原因としては、クラスプをかけている隣接歯の形状変化・歯茎の痩せなどがあります。入れ歯が合わなくなっても「多少だから」「安定剤を使用すれば大きな不便はないから」と調整せずに使い続ける方もいますが、入れ歯の不適合には下記のようなリスクがあるため注意が必要です。
- 食事・会話がしにくい
- 入れ歯のぐらつきにより粘膜が傷む
- 残っている歯の負担が増える
- 歯槽骨の破壊・吸収が促進される
入れ歯を使い始めたら、定期的なメンテナンスと併せて、合っていない感じがしたタイミングで受診をしましょう。適切に調整をして自分に合った入れ歯を使用することが、お口の中の状態を保ち入れ歯を長く使い続けるコツです。
においが発生しやすいケースがある
入れ歯を使用すると、自分の歯・歯茎と人工物である入れ歯の間に食べ物のカスが溜まりやすくなります。この状態を放置すると口腔内に菌が繁殖して、粘膜の炎症・歯周病のリスクが高まり、口臭も発生しやすくなります。
また、多くの入れ歯に使用されているレジンは、液体の状態から硬化する際に非常に細かい気泡が混ざったまま固まる素材です。その結果、硬化した後のレジンを顕微鏡で観察すると、微細な穴が無数に空いています。この穴があることでにおいがつきやすいという点が入れ歯のデメリットです。
入れ歯の選び方のポイント
ここまで、入れ歯の種類・メリット・デメリットを紹介してきましたが、実際に入れ歯を選ぶ際にはどのようなポイントに着目すれば良いのでしょうか。
ここからは、入れ歯の選び方とともに、どのような歯科医院を選択するべきかを解説していきます。
保険適用のものと自由診療のものがある
入れ歯を選ぶ際に大きなポイントとなるのが医療保険が適用されるかどうかです。保険適用の入れ歯が10,000円〜30,000円(税込)程度から作成できるのに対して、自由診療の入れ歯は500,000~800,000円(税込)程、場合によっては1,000,000円(税込)以上かかる場合があり、患者さんの負担には大きな差があります。自由診療の価格は患者さんにとってデメリットとなるでしょう。治療回数は、初診や検査、型取り、調整などで3~10回程度、治療期間は2ヶ月~半年程度かかります。
しかし前述の入れ歯のデメリットでも紹介した通り、保険適用の入れ歯で患者さんが不便だと感じている点を、自由診療の入れ歯で解決できる可能性があります。
種類が豊富
入れ歯にはいくつかの種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。管理のしやすさ・安定性・調整のしやすさ・価格など、複数の面から自分に合った入れ歯を選択しましょう。
メンテナンスもしっかり対応しているか
入れ歯は一度入れたら壊れるまで使えるというものでなく、少なくとも半年に1回ほどのメンテナンス・口腔内の状態確認・必要に応じた調整をすることで、より長く快適に使用できます。
そのため、入れ歯を検討する際は、希望する歯科医院が入れ歯のメンテナンスに力を入れているかどうかを確認することも重要なポイントです。
入れ歯を得意とする歯科医院に相談
むし歯治療・矯正治療・歯周病治療など、得意分野は歯科医院によりさまざまです。入れ歯を作るために歯科医院を探す場合は、通いやすさなどのほかに「入れ歯を得意としている」というのも大切なポイントになります。
診療科目として入れ歯治療を標榜している歯科医院や、入れ歯に関して多くの症例をみてきた歯科医師に相談することで、口腔内の状況・希望に合った入れ歯を選択できる可能性は高まるでしょう。
入れ歯のことなら大澤一茂歯科医院にご相談を
入れ歯を長く使い続けるためには、自分に合った種類の入れ歯を選択するとともに、入れ歯を得意とする歯科医院を選ぶことが大切です。
いろいろな種類の入れ歯を選択可能で、入れ歯に力を入れている歯科医院を探している方は、大澤一茂歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。
ブレード臼歯入れ歯を得意としている
大澤一茂歯科医院では数ある入れ歯の中でも特にブレード臼歯入れ歯に力を入れられています。ブレード臼歯入れ歯とは、臼歯の咬み合う面に金属のブレード(刃)を使い、小さな咬合力でも効率良く食べ物を噛み切ることができる入れ歯のことです。入れ歯を使用されている患者さんの中には「入れ歯が合わない」「入れ歯をすると痛む」「よくはずれる」「ちゃんと咬めない」など数多くのお悩みをもった方もいるのではないでしょうか?
ブレード臼歯だと弱い力でも効率よく咬み切れ、細かくすることができるそうなので、咬んだときの痛みを抑えて、長期間にわたって快適に過ごすことが出来るそうです。高い専門知識と経験を持った院長先生が患者さんのニーズに合わせたカスタマイズ入れ歯を提供されています。快適な使用感と自然な咀嚼能力の回復を目指し、患者さんの口腔機能の改善と生活の質の向上に貢献しお口の健康維持をサポートされているので入れ歯でお困りの方は是非ご相談してみてください。
入れ歯を快適に使用するための「準備修正治療」を大切にしています
大澤一茂歯科医院では完成した入れ歯で快適に噛めてストレスなく使用できるように、準備修正治療に注力されています。準備修正治療とは、入れ歯調整の過程で機能する入れ歯の装着状態を整えるための治療です。オーダーメイドの衣服をつくる際の仮縫いや料理の下ごしらえが重要なように、ストレスなく快適に咬める入れ歯を装着するためには重要な治療だそうです。ほかにも歯茎の変化に合わせて調整を行い、違和感が少なく、痛みが少なく、入れ歯を長く快適に使用できるように治療を行っています。
入れ歯治療後のメンテナンス・アフターケアにも注力
大澤一茂歯科医院では、入れ歯治療後3~6ヶ月のメンテナンスを推奨しています。
入れ歯を使用し始めてからの定期受診は6ヶ月~1年に1度としている歯科医院も多いことから考えると、メンテナンスを重視しているからこその頻度といえるでしょう。大澤先生曰く「口腔内は日々変化しており、顎の骨も歯ぐきもずっと同じ状態であることはない」そうです。長く使用していく入れ歯を快適に使うためにもメンテナンスを重要視されています。また入れ歯だけでなく、むし歯・歯周病の予防治療にも力を入れているため、入れ歯の適合性だけでなく残存歯・歯茎の健康をしっかりと意識したメンテナンスを受けられます。
大澤一茂歯科医院の基本情報
アクセス・住所・診療時間・治療期間
JR常磐線 赤塚駅 徒歩15分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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9:30〜13:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - |
14:30〜18:00 | ● | ● | ● | ● | ● | △ | - | - |
△…土曜午後は、14:30〜16:30の診療となります。
初診の方:月~金曜日17時まで/土曜日15時30分まで
参考文献