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入れ歯を熱湯消毒しても大丈夫?正しいお手入れ方法や注意点を解説

 公開日:2025/08/21
入れ歯を熱湯消毒しても大丈夫?正しいお手入れ方法や注意点を解説

日本人の入れ歯人口は約10,000,000人といわれており、後期高齢者の84%が入れ歯を使用していることがわかっています。

ストレスなく入れ歯を使い続けるためには、自分の歯と同様に丁寧なお手入れが必要です。

正しいお手入れ方法を習慣にすることで、お口のなかの健康を保ち、快適に入れ歯を使い続けることができるでしょう。

この記事では、入れ歯の正しいお手入れ方法や注意点、保管方法について解説します。

石毛 俊作

監修歯科医師
石毛 俊作(大神宮デンタルクリニック)

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東北大学歯学部卒業。千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 臨床研修医。千葉大学大学院 医学薬学府 医学博士。独立行政法人地域医療機能推進機構。船橋中央病院。歯科口腔外科/インプラントセンター勤務。いとう歯科クリニック勤務、海岸歯科室勤務。

入れ歯を熱湯消毒しても大丈夫?

質問

入れ歯は熱湯消毒しても大丈夫ですか?

入れ歯は主に熱に弱いレジンというプラスチック素材でできています。そのため、熱湯消毒をすると、入れ歯変色や変形の原因になるため熱湯による洗浄は避けるようにしましょう。入れ歯の洗浄にはぬるま湯か水での洗浄が基本です。入れ歯が変形してしまうと、噛み合わせが悪くなり、痛みの原因の一つにつながります。

入れ歯は歯磨き粉で磨いても大丈夫ですか?

歯磨き粉には研磨剤の成分が含まれていることが多く、歯磨き粉で磨くと入れ歯の表面を傷つけてしまいます。傷がついてしまうことで、さらに汚れの付着や細菌の繁殖につながる可能性があるため、歯磨き粉の使用は避けましょう。

入れ歯の汚れが目立つのですが漂白剤を使用しても大丈夫ですか?

漂白剤には強力な化学物質が含まれているため、入れ歯の変形や変色につながります。汚れが気になっても漂白剤の使用は避けるようにしましょう。

入れ歯のお手入れでやってはいけないことを教えてください。

入れ歯のお手入れでやってはいけないことには、熱湯消毒や歯磨き粉、漂白剤とは別に次のようなものが挙げられます。

  • 硬毛ブラシ
  • 金具の調整

硬いブラシで磨くと入れ歯の表面を傷つけ、より細菌が付着しやすくなります。そのため、入れ歯専用のブラシでの使用がよいとされていますが、ない場合は一般用のブラシでも十分に代用可能です。また、体重の増減などによって入れ歯が合わなくなることがあります。その際にやすりで削ったり、ペンチで金具を曲げて調整したりするなどは、顎の関節に負担をかけてしまうため控えることが必要です。装着し、違和感や痛みを感じるような場合には、必ず歯科医師に調整をしてもらいましょう。

入れ歯の正しいお手入れ方法

歯間ブラシとフロス糸ようじ

入れ歯のお手入れはどのくらいの頻度で行えばよいですか?

入れ歯のお手入れは、朝昼夕の毎食後間食の後が理想的な頻度です。洗い忘れてしまった場合は、次の食事の後に倍の時間をかけて丁寧に洗うことが重要です。入れ歯に問題がない場合でも、身体の変化によって噛み合わせが悪くなることがあります。入れ歯はむし歯になることはありませんが、細菌による口内炎や感染症のリスクがあります。リスク軽減のためにも、日常的なお手入れと半年に1回はかかりつけの歯科医院への受診をおすすめします。

入れ歯の正しいお手入れ方法を教えてください。

まず、入れ歯を外した状態で入れ歯専用のブラシで優しく丁寧に磨きます。洗浄剤がない場合は、中性洗剤などが効果的です。部分入れ歯を使っている方は、バネの周辺や金具の内側、残っている歯との接触面の汚れが取れにくいことがあります。その際は、小さなブラシや綿棒などを使い、丁寧なお手入れが必要です。十分なお手入れができているかの確認として、入れ歯の粘膜に接する面を指で触ってみることをおすすめします。ぬめりを感じた場合は、細菌が残っている証拠です。確認しながら磨くことを意識していきましょう。磨いた後は、入れ歯洗浄剤を用いて説明書にしたがって、入れ歯を漬け置きします。入れ歯洗浄剤の使用目的は入れ歯に付着した色素や微生物などに有効成分を作用させることにあります。総入れ歯の場合、歯磨きをせずに入れ歯洗浄剤のみで清掃を行う方がいますが、入れ歯洗浄剤のみでは入れ歯を清潔に保つことができません。入れ歯のお手入れを効果的に行うためには、歯磨きと洗浄剤の両方の清掃が必要です。また、入れ歯洗浄剤を使用するにはまず、入れ歯に付着している汚れを入れ歯専用のブラシによって機械的に除去する必要があります。その後に清掃を行うことで、より効果が得られるといわれています。漬け置きした翌日は、洗浄剤が残らないよう流水でよく洗い流し、装着するようにしましょう。

就寝前のお手入れの手順を教えてください。

就寝前は入れ歯を外し、入れ歯洗浄剤を使用してお手入れをしましょう。入れ歯を装着したままだと、入れ歯に付着した細菌が気管に入ってしまい、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。入れ歯洗浄剤の使用で、ブラシだけでは落としきれない汚れカンジダ菌などの細菌を除去できます。漬ける時間は使用方法に従い、1日に1回は入れ歯洗浄を行うようにしましょう。翌朝は水で洗浄剤をよく洗い流すことを忘れないようにし、装着します。お口のなかを安静に保つためにも入れ歯を外して就寝するようにしましょう。入れ歯洗浄剤は、5〜10分程度の短時間タイプや6〜8時間以上の長時間タイプがあります。お手入れを怠らないためにも、忙しい時と就寝中で使い分けるのがおすすめです。

入れ歯の正しい保管方法を教えてください。

入れ歯の保管方法は、毎日のお手入れに加えて流水で洗浄剤が残らないようによく洗い流し、必ず水のなかに入れ保管するようにしましょう。入れ歯を放置したままだと乾燥して、変形ひび割れの原因になります。水を毎日交換することを忘れずに保管しましょう。また、一時的に入れ歯を外す際にティッシュなどに包んで放置してしまうと乾燥はもちろん、誤って捨ててしまう可能性があります。そのためにも、直射日光を避け、専用の保管ケースを活用することが大切です。

入れ歯のお手入れに関する注意点

注意事項

入れ歯をお手入れする際の注意点を教えてください。

入れ歯をお手入れする際の注意点は次のような点が挙げられます。

入れ歯の素材は衝撃に弱く、落とすと割れてしまうことがあります。破損した入れ歯を使い続けてしまうと、歯茎を傷つけたり、噛み合わせが悪くなったりする可能性があります。落として破損してしまったり、排水溝に流してしまったりしないように水を張った洗面器を下に置いた状態で洗うのがおすすめです。一時的に外した場合、そのまま入れ歯を放置してしまうと乾燥し、ひび割れするリスクにもつながります。入れ歯の放置には十分気をつけましょう。

入れ歯に使用する洗浄剤や道具を扱う際の注意点はありますか?

入れ歯洗浄剤や道具を扱う際の注意点は次のとおりです。

  • 入れ歯洗浄剤の漬け置き時間
  • 部分入れ歯対応の洗浄剤であるかの確認
  • 歯磨きの強さ
  • 洗浄剤の誤飲

入れ歯洗浄剤には、漬け置き時間が15分程度のものもあれば、一晩漬け置きする製品もあります。漬け置き時間を間違えてしまうと、入れ歯の変色や変形に影響するため、洗浄剤を使用した後はよく洗い流すことを忘れないようにしましょう。また、必要な洗浄剤の量や時間などを守らないと洗浄効果が薄れる場合があります。活用する際には、説明書をよく読み、使用方法を確認することが大切です。洗浄剤の誤飲によるトラブルも発生しており、取り扱いには注意が必要です。誤飲してしまった場合は、無理に吐かせずに水や牛乳を多めに飲み、様子を見ましょう。違和感を覚えた際は、医療機関への受診をおすすめします。小さなお子さんやペットを飼っている方は手の届かない場所の保管が重要です。入れ歯を清掃する歯ブラシについては、一般用でも入れ歯専用でもどちらでも問題ないといわれています。しかし、一般用ブラシの場合は強い力で磨くと表面に傷がつきやすく、入れ歯の劣化につながるため優しく磨くように心がけましょう。

編集部まとめ

食事をする高齢者女性

入れ歯の不潔は、隣接している歯や歯茎に悪影響を及ぼします。

う蝕や歯周病を予防し、快適かつ長期的に使用していくためにも正しい入れ歯のお手入れは重要です。

正しくお手入れすることで、お口のなかの健康を維持することができ、日常生活の質が向上します。

もちろん、入れ歯を洗うだけではなく、お口に残っているご自身の歯もよく磨くことも忘れないようにしましょう。

この記事の監修歯科医師