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「病み上がりに汗が止まらない」のは何が原因?考えられる病気を医師が解説!

「病み上がりに汗が止まらない」のは何が原因?考えられる病気を医師が解説!

病み上がりに汗が止まらないとき、身体はどんなサインを発している?メディカルドック監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

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「病み上がりに汗が止まらない」症状で考えられる病気と対処法

発汗は体の自然な温度調整の仕組みの一部です。病み上がりとは、病気から回復したばかりで、体がまだ完全には元に戻っていない状態を指します。風邪や熱が出たとき、体は汗をかいて体温を下げようとしますが、回復後にも汗が出る場合があります。ここでは、その原因と対処法について解説します。

緊張して病み上がりに汗が止まらないの症状で考えられる原因と対処法

汗はエクリン汗腺を通じて分泌されます。緊張状態にあるとき、手のひらや足の裏、脇の下で特に多くの汗が出ることがあります。これは一般的に異常なことではありませんが、汗が過剰に出る場合には、多汗症の可能性があります。日常生活に支障をきたすようであれば、皮膚科や内科を受診して相談しましょう。

ストレスで病み上がりに汗が止まらないの症状で考えられる原因と対処法

ストレスが発汗の原因となることがあります。特にアポクリン汗腺からの汗は、脇の下や頭皮などに集中しています。汗が皮膚表面の細菌と結びつくと、臭いが発生することもあります。ストレスを軽減するためには、リラクゼーションや瞑想などを試してみるとよいでしょう。また、汗の量が多い場合には制汗剤の使用も効果的です。これでも改善が見られない場合には、医師に相談するのが適切です。

更年期で病み上がりに汗が止まらないの症状で考えられる原因と対処法

更年期の女性にとって、ホルモンバランスの変化によって特に夜間に汗をかきやすくなることがあります。これは、エストロゲンの減少が原因で、体温調整がうまくいかなくなるためです。寝るときには涼しく過ごす工夫をして、症状が続く場合は婦人科に相談することをお勧めします。

男性で病み上がりに汗が止まらないの症状で考えられる原因と対処法

男性の場合、緊張やストレスが原因で汗をかくことがありますが、男性ホルモンの減少も原因の一つです。中高年の男性では、特に男性更年期障害が考えられます。この病気では、ほてりや多汗などの症状が見られます。内科や泌尿器科で診察を受けることが推奨されます。

女性で病み上がりに汗が止まらないの症状で考えられる原因と対処法

女性の場合、更年期障害の他にも、妊娠や月経前症候群(PMS)など、ホルモンの変動が発汗の原因となることがあります。特に寝汗やほてりが続く場合には、冷却シートや冷たい水をそばに置くなど、対策を取るとよいでしょう。婦人科での相談もおすすめです。

すぐに病院へ行くべき「病み上がりに汗が止まらない」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

汗が止まらないことに加えて発熱が続く場合は、内科へ

汗が止まらない場合、感染症や悪性腫瘍が隠れている場合があります。特に、結核や感染性心内膜炎、骨髄炎、HIVなどゆっくりと進むタイプの感染症では寝汗が症状となる場合があります。また、風邪やインフルエンザ、COVID-19などの急性感染症でも寝汗が症状の一つとなります。さらに、悪性リンパ腫や白血病といった血液のがんでも寝汗が症状として現れる場合があります。その他には、甲状腺機能亢進症や糖尿病などのホルモンに影響を及ぼす病気でも汗が止まらないという症状がでることがあります。
汗が止まらないことに加え、発熱や疲れやすさといった症状がある場合には、早めに内科受診することをおすすめします。

受診・予防の目安となる「病み上がりに汗が止まらない」ときのセルフチェック法

・持続する発熱がある場合
・急激な体重減少がある場合
・日常生活に支障が出ている症状がある場合

「病み上がりに汗が止まらない」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「病み上がりに汗が止まらない」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

多汗症

多汗症とは、汗を大量にかく状態を指します。全身に汗が出る全身性多汗症と、体の一部に汗が出る局所多汗症があります。手のひらや足の裏、脇の下などに多くみられます。
特に原因のない原発性と、感染症や内分泌代謝異常、神経疾患、腫瘍、外傷などによるものがあります。原発性多汗症では、自律神経の過剰な反応やストレス、遺伝的な要因が関係しているのではないかと考えられています。治療法には、ボトックス注射や塩化アルミニウムの外用薬が用いられます。
多汗症が日常生活に支障をきたす場合には、精神的な苦痛が大きくなり、うつ病などを起こしてしまうこともあります。症状が強く、困っている場合には皮膚科を受診しましょう。

自律神経失調症

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが乱れた状態のことです。ストレスやライフスタイルの乱れが影響していることが多くみられます。疲労感や熱っぽさ、めまいなどの他、寝汗などの症状も現れます。
ストレスとの付き合い方を学び、規則正しい生活習慣を心がけることで症状の改善が見込めます。しかし、症状は良くなったり悪くなったりするため、定期的にかかりつけ医に相談してもらうことが大切です。

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。甲状腺ホルモンは全身の臓器に作用して代謝を司っています。そのため、心拍症の上昇や、体重減少、食欲の増進、下痢、汗が多量に出る、甲状腺の腫れなどが生じます。
甲状腺機能亢進症の代表的なものに、バセドウ病があります。バセドウ病は自己免疫性疾患で、TSH受容体に対する自己抗体が作られることで甲状腺ホルモンが過剰に産生、分泌されるようになります。
その他の原因には、甲状腺結節や甲状腺炎、ヨウ素の過剰摂取があります。
治療としては、抗甲状腺薬の内服や、甲状腺摘出術などがあります。
甲状腺機能亢進症を放置しておくと、心房細動やうっ血性心不全、あるいは甲状腺クリーゼという合併症が起こってしまうことがあります。症状が気になる場合には、内分泌内科を受診することが必要です。

低血糖

低血糖は、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が70mg /dLより低い場合や、低血糖症状がある場合に診断されます。血糖値が70mg /dL以下になると、交感神経症状が現れます。これは、汗を書く、不安な気持ちになる、脈が早くなるなどの症状が含まれます。
低血糖症状は、糖尿病などで血糖値を下げる薬を内服している方で起こることがあります。その他にも、食事量や炭水化物の不足や空腹での運動などが原因となることもあります。
低血糖症状が出た場合には、まずはブドウ糖を口から取るようにします。重症になると意識がなくなってしまうこともあります。低血糖症状が頻繁に現れる場合には内科や糖尿病専門医に相談することが必要です。

更年期障害

更年期障害は、女性の閉経前後にホルモンバランスが乱れることで、発汗や顔や体のほてり、イライラ、不眠などが現れる状態を指します。原因はエストロゲンの急激な減少に伴う自律神経の乱れです。治療法としては、ホルモン補充療法や漢方薬、生活習慣の改善が挙げられます。
症状が続き、日常生活に支障が出る場合には、婦人科を受診し、適切な治療を受けることが重要です。更年期障害の症状は個人差が大きいため、医師に相談しながら対策を進めることが勧められます。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、リンパ球ががん化して増殖する血液のがんで、リンパ節の腫れや発熱、体重減少、夜間の大量の発汗といった症状が見られます。原因は確定していませんが、免疫系の異常やウイルス感染が関係していると考えられています。治療法としては、抗がん剤治療や放射線療法、場合によっては骨髄移植が行われます。症状が持続する、または血液リンパ節が大きくなる場合は、内科での参加が必要です。早期発見と適切な治療が重要な疾患です。

「病み上がりに汗が止まらない」の正しい対処法は?

病み上がりに汗が止まらない場合は、まずは体をリラックスさせ、体温調節を助けることが大切です。 軽い運動やストレッチを避け、室内の温度または、水分補給をしっかりと行い、汗で失われたミネラルを補うことが大切です。 クーリング効果のある服装や、通気性の良い素材の衣類を着用するのも有効です。もし、汗が長時間続いたり、他の症状(発熱や倦怠感など)があったりする場合は、内科や自律神経の医師に相談することをお勧めします。

「病み上がりに汗が止まらない」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「病み上がりに汗が止まらない」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

風邪が治りかけているのに汗をかくのはなぜでしょうか?

木村 香菜医師木村 香菜(医師)

病み上がりの発汗は自律神経の乱れが原因となっていることがあります。 体温調節が正常に戻っていないため、汗が出ることがあります。

病み上がりにいつまでも汗が止まらないのは病気ですか?

木村 香菜医師木村 香菜(医師)

いつまでも汗が止まらない場合、自律神経の乱れや甲状腺機能亢進症などの病気が隠れていることもあります。

熱が下がっても汗が出るのはなぜですか?

木村 香菜医師木村 香菜(医師)

解熱後に汗をかくのは、免疫と病原体との闘いが終わり、体温を下げようとしているためです。解熱剤が効いて体温設定が正常に戻ると、体が暑さを感じて手足の血行がよくなり、熱を放出して汗をかきます。

まとめ

今回の記事では、病み上がりに汗が止まらない症状や原因について解説しました。緊張やストレス、ホルモンバランスの変化、そして多汗症や自律神経失調症、甲状腺機能亢進症などの病気が関与している可能性があります。しかし、発熱や体重減少などといった症状がある場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

「病み上がりに汗が止まらない」症状で考えられる病気

「病み上がりに汗が止まらない」から医師が考えられる病気は12個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

内科系の病気

皮膚科の病気

婦人科の病気

泌尿器科の病気

血液内科の病気

もし、これらの症状が長引く場合や他の症状が伴う場合には、早めに診療科を受診することが大切です。

「病み上がりに汗が止まらない」に似ている症状・関連する症状

「病み上がりに汗が止まらない」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 夜間の寝汗
  • 手足の冷え
  • 脇や手のひらの発汗
  • 甲状腺の腫れ
  • 動悸や震え
  • 体重減少

これらの症状が続いたり、日常生活に支障をきたしたりする場合には、医療機関の受診を検討しましょう。