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「急な腹痛で冷や汗をかく」のは「胃腸炎」が原因?医師が対処法も解説!

「急な腹痛で冷や汗をかく」のは「胃腸炎」が原因?医師が対処法も解説!

冷や汗を伴う急な腹痛を治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

富田 陽一

監修医師
富田 陽一(医師)

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2009年慈恵会医科大学医学部医学科卒業
2011年同大附属病院初期研修修了
2014年同大附属病院内科後期研修修了
2014年4月より同大消化器肝臓内科助教として勤務。現在に至ります。
認定内科医・消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・認定産業医・医学博士

「急な腹痛で冷や汗をかく」症状で考えられる病気と対処法

「急な腹痛で冷や汗をかく」こういった症状は皆様も時折経験されることでしょう。そのような症状の中には放置すると危険性の高い疾患も隠れており、時に命を脅かすこともあります。以下で詳しく解説致します。

急な腹痛で吐き気・嘔吐や下痢、冷や汗をかく症状で考えられる原因と対処法

このような症状を呈する場合、食中毒を含む胃腸炎が疑われます。1日に10回以上の嘔吐・下痢を呈することもしばしばみられます。まずは食事を止めて腸を休める、水分を補給する、市販薬を服用する等で対処します。それでも改善が乏しい場合や高熱・血便を伴う際は、重症度が高い徴候ですので、速やかに消化器内科を受診しましょう。胃腸炎のほか、腸管壊死や腸穿孔、膵炎等の危険な疾患が隠れていることもありますので、症状を我慢せずに早めに受診することが大切です。

急な腹痛でめまいや冷や汗をかく症状で考えられる原因と対処法

このような症状からは迷走神経反射が疑われます。ストレスや緊張による自律神経の乱れにより症状が起こっているため、そのような誘因を避ける生活が大切です。症状が強い際は安静にして、改善を待ちましょう。症状の改善に乏しい場合は、自律神経以外の器質的な原因が疑われますので、消化器内科の受診を検討しましょう。

すぐに病院へ行くべき「急な腹痛で冷や汗をかく」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

血便・高熱・腹部が硬い・皮膚が黄色い症状の場合は、消化器内科・消化器外科へ

腹痛・冷や汗のほか、血便・高熱・腹部が硬い・皮膚が黄色いなどの症状を呈する際は要注意です。直ちに消化器内科・消化器外科を受診しましょう。
血便を伴う際は腸管壊死の可能性があり、緊急手術になることもあります。高熱に加え、皮膚が黄色くなったときは化膿性胆管炎や胆嚢炎の可能性があります。腹部が硬いときは腸管穿孔や虫垂炎などからおなか全体の炎症(汎発性腹膜炎)を起こしている可能性があります。いずれも緊急性の高い疾患ですので、直ちに受診することが推奨されます。

受診・予防の目安となる「急な腹痛で冷や汗をかく」ときのセルフチェック法

  • ・急な腹痛で冷や汗をかく以外に高熱の症状がある場合
  • ・急な腹痛で冷や汗をかく以外に血便症状がある場合
  • ・急な腹痛で冷や汗をかく以外に嘔吐・嘔気の症状がある場合
  • ・急な腹痛で冷や汗をかく以外に皮膚が黄色い場合
  • ・急な腹痛で冷や汗をかく以外に腹部の硬さがある場合

「急な腹痛で冷や汗をかく」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「急な腹痛で冷や汗をかく」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

胃腸炎

胃腸炎とは、胃~大腸のいずれかの部位に炎症が生じる病態です。原因として、細菌感染・ウイルス感染・薬剤性・ストレス等が挙げられます。対処・治療としては、薬剤性やストレス性であれば原因を除去すること、ウイルス性であれば絶食として腸管を安静にして点滴で水分を補うこと、細菌性であればウイルス性に準じた治療に加え、必要があれば抗菌薬を投与します。通常は嘔気・嘔吐・下痢・腹痛等の症状を呈しますが、自宅で療養し、腸管安静と水分補給により改善するケースが多いです。ただし、自宅療養で改善しない場合は、重症度が高いことが推測されますので、消化器内科への受診が推奨されます。

食中毒

食中毒は病態としては上記の胃腸炎に含まれますが、特に食物に含まれる有害物質が原因で起こる胃腸炎のことを指します。頻度が高いものは、生牡蠣に含まれるノロウイルス・鶏肉や鶏卵に含まれるカンピロバクター・鶏卵や乳製品に含まれるサルモネラ菌・魚介類に含まれる腸炎ビブリオ・アニサキスなどが挙げられます。症状として、胃腸炎と同様の症状に加え、しばしば血便を呈することが特徴です。治療としては胃腸炎と同様に腸管安静・水分補給が原則ですが、細菌性であれば原因菌に応じて抗菌薬の投与も行われます。血便・高熱・頻回な下痢や嘔吐があれば重症度が高いため、消化器内科への受診が推奨されます。

迷走神経反射

迷走神経反射とは、副交感神経の一つである迷走神経が優位に働くことで血圧低下・脈拍低下が起こり、冷汗・めまい・嘔気等を引き起こす病態です。しばしば腹痛も伴います。過度のストレス・長時間の立位・恐怖・疲労を伴う状況で起こりやすいとされます。予防として、上記の誘因を避けることが大切です。反射が起こった際は安静にして休養をとることが重要です。迷走神経反射のみでは通常病院の受診は不要なことが多いですが、意識障害を伴う際は、脳出血などの頭蓋内疾患が否定できませんので、脳神経外科や脳神経内科への受診が推奨されます。

胆嚢炎

胆嚢炎とは胆嚢内の結石や泥が引き金となり胆嚢内に細菌感染を伴った状態です。通常心窩部~右季肋部の痛み、発熱を呈します。胆嚢炎が重症化すると敗血症から致死的となることもありますので、疑われる際は我慢せず消化器内科や消化器外科を受診しましょう。治療としては絶食・抗菌薬投与に加え、必要時は胆嚢のドレナージ術や胆摘術が行われます。

「急な腹痛で冷や汗をかく」ときの正しい対処法は?

まずご自身で対処する場合、安静にする、食事をとらず腸を休める、市販薬を服用する等の選択肢があります。腹痛に加え、嘔吐や下痢を伴う際は、それぞれ吐き気止めや整腸剤で対処しましょう。効果のある市販薬としては、鎮痛剤・吐き気止め・整腸剤・腸管蠕動を抑える薬などが挙げられます。但し、市販薬はあくまで対症療法・応急処置に過ぎないので、症状の改善に乏しい際は市販薬に頼りすぎず、速やかに医療機関を受診しましょう。
お腹が冷えると下痢や腹痛を誘発する可能性があるため、温めた方がベターでしょう。症状がある際は消化しにくい脂肪の多い食事は避け、また消化不良の原因となり得るアルコールや刺激物も避けましょう。十分な睡眠・休息をとること、ストレスを避ける生活も大切です。

「急な腹痛で冷や汗をかく」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「急な腹痛で冷や汗をかく」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

急な腹痛で冷や汗をかくときは何科に行けばいいですか?

富田 陽一 医師富田 陽一 医師

消化器内科・消化器外科を受診しましょう。

おなかが急に痛く冷や汗が流れるときの対処法を教えてください。

富田 陽一 医師富田 陽一 医師

安静にすること、食事をとらずに腸を休めること、お腹を温めること等で対処しますが、症状の改善に乏しいときは速やかに受診をしましょう。

突然お腹が痛くなり冷や汗・吐き気がするのは危険な状態ですか?

富田 陽一 医師富田 陽一 医師

腸管穿孔や膵炎・胆嚢炎など、重篤な疾患が隠れている可能性があります。速やかに受診をしましょう。

急な腹痛で冷や汗をかくのですがすぐ治る場合は問題ないですか?

富田 陽一 医師富田 陽一 医師

症状が一過性である場合は迷走神経反射の可能性がありますが、症状が反復する際は受診を検討しましょう。

まとめ

以上、腹痛・冷や汗について、解説してきました。繰り返しになりますが、腸管壊死・腸穿孔・膵炎・胆管炎・胆嚢炎など命を脅かす重篤な疾患が隠れている可能性があります。症状が強い、長引く、随伴する症状がある際は我慢せずに速やかに医療機関の受診を検討してください。

「急な腹痛で冷や汗をかく」症状で考えられる病気

「急な腹痛で冷や汗をかく」から医師が考えられる病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器系の病気

命を脅かす重篤な病気を発症している可能性がある注意すべき症状の一つです。

「急な腹痛で冷や汗をかく」に似ている症状・関連する症状

「急な腹痛で冷や汗をかく」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「急な腹痛で冷や汗をかく」症状の他にこれらの症状がある場合でも「胃腸炎」「腸管壊死」「腸穿孔」「膵炎」「胆嚢炎」「虫垂炎」「汎発性腹膜炎」「迷走神経反射」などの疾患の可能性が考えられます。高熱や血便、嘔吐・嘔気、皮膚が黄色い、腹部の硬さがある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。