足の裏が熱いのは自律神経の乱れが原因!?考えられる病気や対処方法を解説
足の裏が熱くて眠れない、すぐに目が覚めてしまうなどの症状から考えられる病気や対処法など 気になるあれこれをMedical DOC監修医が丁寧に解説します。
監修医師:
村上 友太 医師(東京予防クリニック)
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。
「足の裏が熱い」症状から考えられる病気と対処法
足の裏が熱い症状から考えられる病気は、血行不良の影響、自律神経の不調、皮膚の炎症から、肝臓や腎臓の病気や糖尿病の影響も考えられます。
足の裏に熱を感じるのに触ると熱くない場合の原因と治し方
実際に足の温度が上がっているわけではないのに、足の裏が熱く感じる異常感覚がある状態のことを指します。
まずは、足を冷水にひたす、なるべく足を使わずに休ませるなどの方法で様子を見てみましょう。
このような場合、灼熱足症候群の可能性があります。
灼熱足症候群
灼熱足症候群は、足首から下に熱感などの異常感覚はありますが、筋力低下やふらつきなどの症状は見られないのが特徴です。原因には糖尿病や慢性腎臓病、ビタミン欠乏、アルコール中毒の影響などが考えられます。
糖尿病や腎臓病が疑わしい場合は、内科を受診しましょう。灼熱足症候群は原因が判明するとは限りません。原因を追求するとともに、症状とうまく付き合っていく方法を医師と相談するといいでしょう。
足の裏は熱いのにふくらはぎは冷たい場合の原因と治し方
足の裏は熱いのにもかかわらず、ふくらはぎは冷たいことがあります。
まずは、仰向けの状態でふくらはぎをバタバタ揺らすなど、ふくらはぎのストレッチをして血行を促進させましょう。睡眠の周期を整え、バランスの良い食事を心がけましょう。
このような場合、自律神経の乱れが原因となっている可能性があります。
自律神経の乱れ
自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は体を動かす時に働き、副交感神経は体を休める時に働きます。この自律神経が乱れると、体をめぐる血液がうまく調整されなくなり、血行不良に陥って足裏が熱くなることがあります。ストレスや更年期におけるホルモンの乱れによる更年期障害などが原因になることがあります。
主な診療科は、内科や脳神経内科です。糖尿病や甲状腺機能障害、脳梗塞などの病気でも同様の症状が現れることがあるので、なかなか改善しない場合には受診しましょう。
足の裏が熱くて眠れない、すぐに起きてしまう場合の原因と治し方
足の裏が熱くて眠れない、足の裏がほてっている、寝た後も足の熱感で起きてしまうなどがこの症状の特徴です。
冷たいものの摂取を控え、体を冷やさないようにしましょう。
このような場合、体が冷え血管が収縮して血行不良になり、血液が足の裏に滞って足の裏が熱くなっている可能性があります。寝る時はもともと、深部体温を下げるため熱を手や足先に集め、体外に発散させる働きが人の体にはあります。寝る時は余計に足が熱くなってしまうという現象が起こります。症状が改善しない場合には内科を受診しましょう。
足の裏が熱くてかゆい・痛い場合の原因と治し方
足の裏が熱くてかゆくて、痛いことがあります。
このような場合、足裏の接触皮膚炎や皮膚掻痒症などの可能性があります。接触皮膚炎は、植物や虫、靴下などに接触したことにより炎症を起こして赤みや発疹を伴います。一方で、皮膚掻痒症の場合には、赤みや湿疹などの症状がなく、かゆみが起きます。皮膚の乾燥により水分と油分が少なくなり皮膚のバリア機能が低下し、外部の刺激に敏感に反応するようになってしまいます。50代以降の男性に多く発症します。
また、足のみでなく全身にもかゆみがある場合は肝臓病の可能性もあります。内科や皮膚科を受診しましょう。
すぐに病院へ行くべき「足の裏が熱い」症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
熱くて痛みが激しい場合は、整形外科へ
足のアーチのあたりに腫れがある、熱くて痛みがあるのが特徴です。痛みが回復せず2週間以上続きます。
足の骨を骨折している可能性があります。足の指の骨はスポーツや転倒などの明らかな外力がくわわることで骨折する場合と、ランニングやちょっとしたつまづき、加齢による負荷などで疲労骨折している場合があります。レントゲンを撮らないと骨折しているかどうか分からないこともあります。整形外科を受診した方が良いでしょう。
「足の裏が熱い」症状と糖尿病の関係は?
糖尿病は血糖が高くなる病気で、この高血糖が続くと全身の神経に故障を起こす神経障害を引き起こします。
糖尿病による神経障害は、手や足などの末端から起こること、大抵の場合左右の両足に症状が現れるという特徴があります。足が熱い、感覚が鈍い、痺れたような不快な感じが起こるなどの症状が現れることがあります。
糖尿病は早く治療を開始した方が良い病気です。放置したまま病気が進行すると足の感覚がなくなり、最終的には組織が腐ってしまうこともあります。
糖尿病が疑われる場合は、症状が軽くても内科や糖尿病内科を受診しましょう。
急に喉が乾く、全身がだるい、お腹が痛くなり吐き気を伴うなどの症状が出る場合は、血糖値が急に上昇している可能性があります。たくさんジュースを飲んだ後などに起こることがあります。昏睡を起こし意識を失うこともあり、緊急性の高い症状です。
「足の裏が熱い」ときの対処方法
足の裏が熱い場合の対処法は、足を冷やす、体を温める、マッサージをするなどの方法があります。
足の裏が熱いときに冷えピタや保冷剤で冷やしてもいいの?
見た目に大きな変化がなければ、足の裏が熱い場合は冷えピタや保冷剤などで冷やしてもいいでしょう。
氷などを使う場合は冷やしすぎて凍傷にならないよう気をつけましょう。タオルを巻くなど保冷剤が地肌に直接触れないようにし、同じ場所に保冷剤を当てるのは15-20分程度にとどめましょう。
体の冷えが原因で足の裏が血行障害を起こし、体は冷えているのに足は熱くなっているということがあります。その場合は体を冷やさないようにしましょう。
足の裏が熱いときに飲んでも良い市販薬は?
市販薬は一般の人が使用することが想定されており、病院でもらえる処方薬ほど効果は高くないものの、正しく使えば症状を緩和させるのに有効です。
ロキソプロフェンを有効成分に配合している鎮痛薬は痛みを緩和できるでしょう。
糖尿病や肝臓病が疑われる場合や持病がある場合は、市販薬で対応せず病院を受診しましょう。
「足の裏が熱い」のはなぜ?身の回りにある原因と予防方法
ここでは身の回りにある「足の裏が熱い」症状の原因と対処法を紹介します。日常生活の中にある要因を少しでも取り除けるよう解説します。
ストレスが原因で足の裏が熱い場合
ストレスが原因で症状が現れる可能性はあります。ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、血行不良が生じやすくなります。ストレスにより皮膚の保水力が低下し、外部の刺激に対して敏感になる可能性も考えられます。
ストレスが原因で体に起きる不調には、足の異常な感覚のほか、目が疲れやすい、肩が凝りやすい、朝気持ちよく起きられない、頭がすっきしないなどの症状などが上げられます。
仕事や人間関係などのストレス自身を取り除くことは難しいかもしれませんが、規則正しい生活をする、睡眠時間をしっかり取る、バランスの良い食事を取るなどして体への負荷を減らす工夫をしましょう。
疲れやすくなった、食欲がない、体重が減った、夜眠れないなどの症状がある場合は、うつ病になっている可能性もあります。日常生活に支障がある場合は早めに心療内科・精神科を受診しましょう。
自律神経の乱れが原因で足の裏が熱い場合
自律神経の乱れで足に熱感が現れる可能性は考えられます。自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経が優位であれば体温が上昇し、体がほてりやすくなります。また副交感神経が優位であれば体が冷え、血行不良を起こし、足の血液が心臓に戻っていきにくくなり足だけが熱くなることもあります。
自律神経に乱れがあると、足の熱感以外に、全身がだるい、眠れない、疲れが取れない、頭痛がある、動機や息切れ、めまいなどの症状が現れることがあります。
睡眠の周期を整えたり、バランスの良い食事を取ることが重要です。更年期障害の場合はホルモン剤などによる治療も行われます。
気分の落ち込み、意欲の低下、夜眠れないなどの症状がある場合は、うつ病の可能性もあるため注意が必要です。
「足の裏が熱い」症状で考えられる病気
「足の裏が熱い」症状から医師が考えられる病気は15個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。
まとめ
足の裏が熱い症状は、根本的な原因がわからない場合も少なくありません。生活習慣の改善やストレスをためないことなどで改善することもありますが、内科的な病気が隠れている場合もあります。自分でできる対応に限界を感じた際には、受診して原因検索を行うことをお勧めいたします。